なんで、私が大阪に ③
こんばんは、ツクイです。
前回の記事で、安易に「#GARNETCROW」とかいうタグをつけてしまったために、狂信的なファンの方から小石を投げられたりしないか心配でしたが、大丈夫だったようです。
これは「GARNET CROWファンの方々が温厚であること」と「そもそもこのnoteを読んでいる人が少ないこと」が大いに影響していると思います。
GARNET CROWファンの皆様、赦しを頂きありがとうございます。そして、今年は結成20周年だそうで、誠におめでとうございます。
このnoteを読んでくださっている大変奇特な読者の皆様、誠にありがとうございます。
さて、今回はツクイが別に見たくもない衣装とご対面するところから始まります。
ディスクピア日本橋
「さぁ、中村由利様着用のLIVE衣装を拝みに行くぞ!」と言われたはいいものの、まだ僕は全容が掴めていませんでした。
そもそも、ナカムラユリさんが誰なのかもよくわかっていないのに、全容もLIVE衣装もへったくれもありません。
聞けば、場所は「ディスクピアニッポンバシ」とのこと。この時僕は、「まぁよくわからんけど大物アーティストの衣装が飾られるぐらいだし、ライブ会場みたいなところか、中ぐらいのデパートかなぁ」と思っていました。
心斎橋駅から二人で歩みを進め、道に迷ったりしながら歩くこと20分ほど。
ちょもくん「これだ。」
僕「これかぁ?」
目の前に現れたヤマダ電機Type-Bみたいな建物に困惑する僕を差し置いて、ちょもくんは中に足を進めていきます。
その内部は、こんな感じになっていました。
これだけでは何のことかわからないと思うので、上からの図もご紹介します。
僕「いや、電器屋やん!」
建物の内部には、家電やら何やらが普通に陳列されていたのです。そこは、僕が叫んだところとて、「そうです。ウチは電器屋です。」と返ってくること間違いなしの電器屋でした。
要するに、「電器屋のエスカレーターの下に見目麗しい(?)衣装がガラスケース入りで飾ってある」という大変奇妙な状態だったわけです。
ちょもくん、感動の瞬間
この光景を見て、僕の隣にいたちょもくんは涎を垂らしながらガラスケースに喰いつきます。
ちょもくん「うわぁ本物だぁ……!」
恍惚とした表情を浮かべ、電器屋の隅っこに祀られた衣装の前にたたずむちょもくん。
それを見た僕は、(いや。不審者やん……)とおののくばかり。
しかし、こういう不審者がいることを懸念してか、ガラスケースの右下には、しっかりと注意事項が書かれていました。
・写真撮影はしないでください。(この注意書きのおかげで、僕は写真を持っていません。悪しからず。)
・立ち止まって鑑賞することはおやめください。
僕「ほら、こんなん書いてあるで。」
ちょもくん「おっ、そうかぁ。」
わざわざ大阪まで、この数秒の為に来たとなれば少し勿体ないだろうなぁ。でも、決まりは決まりだし……と、店を出ようとした瞬間、僕の腕をガッシリ掴み、彼はこう言いました。
ちょもくん「じゃあ、エスカレーターで行ったり来たりして何度も見よう!」
不審者ムーヴ開始
何故か僕は上りエスカレーターで2階に登り、引きずられるようにして下りエスカレーターに乗せられました。
ちょもくんの「お前は後ろだ!」という謎の指示を受け、律儀に彼の後ろに立ち、1階まで降ります。
どうやら、彼は僕の大きな身体を隠れ蓑にして写真撮影をしたかったようです。嬉しそうに携帯の画面を覗き込むちょもくんを見て、僕は自分が真顔になっていくのを感じました。
ドラマ「相棒 season16」のワンシーンに、エスカレーターを何度も昇降する刑事二人の描写があります。
それを見かねた加賀まりこさん演ずる極妻が、「何してはるの?」と声をかける……そんな展開でしたが、あの日本橋電器屋エスカレーター昇降事件では誰も声をかけてくれませんでした。いっそのこと誰か注意してくれ。頼むから。
ひたすら写真を撮りたい不審者と、ひたすらうんざりしているシャツ生乾き男が、ひたすらエスカレーターを下っている……。しかも、周りには誰一人として同じ動きをしている人はいません。オールアローンです。
幸いにして、昇り降りが10回に満たない程度でちょもくんが「よし! 終わり!」と切り上げてくれたので、僕の顔が苦痛に染まりきらずに済みました。
特に生産性のなかった電器屋での時間も、隣で戦果を眺めながらニヤニヤ笑う不審者も、すべては「夏の幻」であって欲しい……。
深夜バスの疲れが出始めた肉体を引き摺るように、僕はただの電器屋をあとにしたのでした。
それではまた次回。
ツクイ
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