なんで、私が大阪に ②
こんばんは。ツクイです。
「村上さんのところ」という本があります。作家の村上春樹氏が、インターネットで読者から募った質問に答えていくという企画を行ったのですが、その内容を一冊の本にしたという変わったものです。
この中で、「旅行エッセイをどのように書いているか?」という質問に対し、村上さんはこう回答しています。
さて、僕は旅行に行くにあたって、「さぁこのブログを書いてやるぞ」なんて思いはさらさらなかったわけですから、この文章を読んだ方が面白いと思うか否かはお察しの通りです。
さして面白くないことをご了解いただきながら、前回の続きを読んでいただけたらと思います。
(本当に余談ですが、村上春樹氏の旅行エッセイは面白いですよ。「ラオスにいったい何があるというんですか?」が個人的なオススメです。)
2011年8月初旬 ちょもくん、旅行の計画を立てる
ところで皆さんは、GARNET CROWという音楽グループをご存じでしょうか?
名探偵コナンの主題歌であった「Mysterious Eyes」や「夢みたあとで」など複数のヒット曲を世の中に送り出している四人組バンドです。
ちょもくんは、彼らの独特なメロディーラインと歌詞の虜になり、2013年に惜しまれつつもバンドが解散するまで、何回もライブに訪れるほどの大・大・大ファンだったとか。
そんな彼の耳に、こんなニュースが届きました。
LIVEの衣裳展示の報せです。場所は、大阪の日本橋。東京の日本橋ならまだしも、彼の家からは4時間以上離れた、遠い遠い未踏の地です。
それでも、これは行くしかありません。
だってちょもくんは、LIVE後のバックステージでメンバーの皆さんと握手したことがあるレベルのファンなのです。しかも、2020年現在でもそれを誇らしげに教えてくれるレベルなのです。控えめに言って狂ってます。多分、握手した後2か月は手を洗っていません。
早速彼は、大阪に行く算段を立てました。
まずは、道連れとなる友達を探します。彼は大阪の土地勘もなく、「一人で行くにはちょっと……」と思っていたとのこと。何人かの同級生にメールを投げたら、案外あっさりと一人捕まりました。
これで一安心。切符さえ買ってしまえば日帰り旅行の準備は十分です。
あとは、大阪にある「中村由利さん着用の衣装」を見に行くだけ。
そう思っていた彼には、一つだけ大きな誤算がありました。
それに気づくこともなく、当日が訪れるのです。
2011年9月1日 午前10時ごろ 心斎橋駅
さぁ、ところ変わって2011年9月1日の心斎橋駅。
深夜バス明けの生乾きポロシャツ野郎と合流したちょもくんに、僕は尋ねました。
「大阪にはいったい何があるというんですか?」
この時、同行者であるツクイは、「大阪に行くこと」「音楽に関するイベントがあること」以外知らされていませんでした。
ちょも「さぁ、中村由利様着用のLIVE衣装を拝みに行くぞ!」
ちょもくんにとっての誤算。それは、「そもそもツクイはGARNET CROWについてほとんど何も知らないレベルだったこと」です。
次回、狂おしいほどのGARNET CROWファンであるちょもくんと、何も知らない与太郎が大阪の電器屋を行ったり来たりします。期待しないでください。
それではまた次回。
ツクイ
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