グルメ堪能!釣り最高!沖縄の旅 21.08②
ども、旅紐夫こーじです。
女神ちゃんを追いかけて沖縄へ行った前回。
ホテルで再会を果たしたものの、合宿中のため早々に退散し、その日は車中泊。
と言うことで、この続きとなります。
ここからは実体験を元にしたフィクションとしてお楽しみください。
ひとり沖縄
車の中で目覚めた僕は、ようやく沖縄の空を眺めることができた。女神ちゃんはすでにカリキュラム中だろう。会えるのはまた夜。それまでは一人で過ごさなければいけない。
ってことで、車を名護に向かって走らせることにした。実は、ちゃっかりと釣り道具を持参して沖縄へ来ている。本土とはまた違う魚たちを釣るのは釣り人の喜びだ。
ようやく着いた名護のビーチは、やはり本州の日本海や太平洋とも違う。この海を見ているだけでも時間は過ごせそうだが、とりあえず竿を出してみることにした。
ところが、風が強い。釣りにとって一番の強敵は風だ。風が強いと糸がどこに飛んでいくのかもわからないし、魚の当たりも感じられないし、季節によっては体温も奪われる。幸い今は夏なので体温の心配はないが、投げる側から風下へと飛んでいく。あいにくの向かい風で、もはや釣りになりそうにはなかった。
多少粘ったものの、向かい風に逆らって飛ばせるような道具もないので、ひとまず納竿。なんだかんだで、お腹も減りだす時間だった。
「さて、お昼はどこで何を食べるか?」釣り道具を片付け、車に乗り込む。お店の場所も分からないが、恩納村から名護に来る途中に道の駅があったことを思い出した。あそこならザ・沖縄ってお昼を食べられるはずだ。
沖縄フード堪能
コロナ禍で旅行客も少ないし、夏休みも終わる時期とは言え、許田の駐車場はなかなかにいっぱいだった。人気な道の駅ってことだろう。お腹の期待も高まる。
沖縄といえば、ソーキそば。まずはこれを食べなければいけない。高校一年生の頃に修学旅行で沖縄に来た時は、入ったお店が悪かったのか、僕の舌が未熟だったのか、期待して食べたソーキそばが美味しくなかった。そんな記憶はあるが、絶対に美味しいはずだ。
僕は若かりし頃の記憶を上塗りするために、食堂でソーキそばを注文した。待つこと少しで、いざ着丼。
食べる前から出汁の香りがする。沖縄は琉球の時代から昆布出汁の文化だが、もちろん暖かい沖縄で昆布は取れない。
沖縄の昆布は北国産である。つまり、太古の昔から交流があり、品々が流通していたということだ。木の船か葦の船かはわからないけれど、昔の人はスゴすぎる。
遥か昔に思いを馳せると、この目の前のソーキそばもより一層美味しそうに見えてくる。
まずは、出汁をすする。口の中いっぱいに広がる出汁の香り。『美味いやないかい』と心の中でツッコむ。あの思い出はなんだったのか。
独特なコシのある麺も美味いし、豚肉も無論美味い。やはり、ソーキそばは美味かった。
あっという間に平らげたのは良いが、まだお腹はいっぱいでもない。そこで女神ちゃんから教えてもらった「もずく天」を試してみることにした。
もずくを天ぷらにするなんて、、、と思ったが、僕らが普段食べているもずくは三杯酢などに浸されたもので、あまり実感はないがもずく自体は乾燥させれば揚げることはできるだろう。
それにしても、露店などで買う揚げ物ってなんでこんなに美味そうなんだろうか。
もずく天は、モチモチ食感で味わいもあった。まるでチヂミを濃厚にしたような。チヂミを美味くしたチヂミみたいだ。
さて、お腹もある程度満たされたところで、恩納村へ戻ることにした。と言うのは、Googleマップで確認したところ、あの辺りでも釣りをできるところはありそうだったからだ。
恩納村でリベンジ
風のことを考えると、海辺での釣りは難しそうなので河川を攻めることにした。河川とは言え、河口付近なら餌を求めて遡上してくる魚も多い。
狙うはメッキか根魚、マゴチ辺りか。河川は底が見えるほどの浅さで、魚影は少なくない。これなら粘れば釣れそうな気もするし、何より風がない。
元より小魚狙いのタックルしかないので、ここは最適な場所だった。ただ、見切られるのも早く、当たっても乗ることはない。
釣りは釣れなければ面白くないってことはなく、投げるだけでも面白いし、当たりがあるだけでも面白い。釣れたら一番面白いのは確かだけど、それ以前のプロセスも面白いからボウズでも楽しい。
しばらく投げ続けていると、水面からパシャっと音が聞こえた。そろそろ魚たちの食い気も高くなる頃合いだ。つまり、今の音は餌を求めて海から遡上してきた魚たちが水面付近で捕食している音に違いない。
上から川を覗くと、素早く泳ぐ魚の姿が見える。あれが捕食者だろう。僕は彼らの進行方向にルアーを投げ、まるで逃げ惑う魚のように早めにルアーを泳がせた。
一瞬追いかける素振りを見せても、なかなか寄っては来ない。狭い川の中だけに、こちらが回収するまでの時間も短く、早巻きで食わせるには一瞬のタイミングしかなさそうだ。
粘るしかない。自ずと投げる回数も増える。どんな場所でも時合は長くない。しかも、魚は常に移動している。ゆっくり釣りをする時間は今日で最後だ。観察している暇もない。色々なことが頭を巡るが、とにかく投げて巻いてを繰り返す。
ゴンッ!
来た。このあたりの感触は素早く泳ぎ回って捕食する魚独特のあたり方だ。まるで金属が当たって来たような感覚がする。
20〜30cmクラスでなければ、この川でも引き上げられるが、かかった魚はとても力強い。小魚なら一瞬で巻き上げられるかと思っていたが、気を抜くとドラグが出てしまう。
そんなに大きな魚影はなかったはずなのに、こんなにも引くってなんの魚や!?なんて考えながら、とにかくゴリ巻きで回収。
釣り上げたのはメッキだ。ロウニンアジなどの幼魚だが、さすがの引きといったところか。まさか、このサイズでここまで引きが強いとは思わなかった。しかも、食ったんじゃなくスレてかかったラッキーフィッシュ。なんなら引きの強さはそのせいだったのだろう。
いずれにしても、沖縄で魚が釣れたのは喜ばしい。これで満足して納竿できる。気付けば時間は18時を回っていた。
沖縄でラーメン
釣果に満足した僕は、もう一度名護に戻り、昼間に目を付けていたラーメン屋で晩御飯をいただいた。心無しか塩味がキツく感じるのは、釣果に嬉し泣きでもしたからだろうか。
お腹も満ちた僕は、またまた恩納村へ戻り、今宵も女神ちゃんの滞在するホテルの駐車場で車中泊だ。
ホテルに着き、女神ちゃんと密会した後、駐車場に戻ると雨が降り始めた。すぐに止みはしたが、そこから一気に湿度があがり、車内はサウナ状態に。
今夜は寝苦しくなりそうだ。
次回へ続く。