ビールは真面目すぎると楽しくない!デンマークのクラフトビール「ミッケラー」のラベルデザイン
こんにちは、デザイナーの堀野美雪です。
現在はデンマークを旅しながら、その国のデザインを調査しております。
数年前からクラフトビール業界が盛り上がっていますよね、そんな中デンマークのスーパーで一際目を引くラベルデザインを発見しました。
調べてみると、デンマーク発のクラフトビール「Mikkeller(ミッケラー)」というもの。
この一度見たら忘れられないインパクトあるイラストは、アートディレクターでもあるアメリカのアーティスト、Keith Shore(キース・ショア)氏によるデザイン。
イラストはラベルやパッケージだけでなく、店のネオンやグラス、店内のアート、公式サイトにも使用され、Mikkeller(ミッケラー)らしさ構築しています。
ブランディングの過程
自由で独創的なクラフトビールには、デザインは重要な要素のひとつ。
まずはビールに関する一般的な情報、スタイル、アルコール度数、ボトルまたは缶のサイズ、ネーミングをヒアリングします。
クライアントと「こんなのが欲しい」「こんなテーマ面白いかも」とアイデアを共有し、それを参考にしながらキース氏が自由に形にしました。
キース氏は、どんな味か分からなくても、ついつい買いたくなるアート性が高いラベルデザインを目指したと語っています。
クライアントは細かくデザインをコントロールしようとせず、どんどん変化する組織だから「らしさ」に縛られず、面白いと思ったらまずやってみようというスタンスだったそうです。
ブランディングはもちろん重要ですが、勢いがあり変化に肯定的なクライアントとなら、面白いと思ったアイデアを自由にやってみるという進め方もありだなと感じました。
個人的にはブランディングや緻密に練られたデザインが好きですが、勢いに乗って作ったデザインの方が広がりのある面白いものができることもあります。
どちらが正しいとかじゃなく、使い分けかな。
Mikkeller(ミッケラー)には数多くのフレーバーがあり、それぞれ違ったイラストがあしらわれています。
こればどんな味なんだろう?と想像する冒険心がくすぐられます。
実は私はお酒が飲めませんが、これは味見してみたいなという気持ちになりました。
以下参考記事です。
ラベルデザインの裏側
キース氏は特にビールマニアだったわけではなく、クラフトビール業界の動向などに何も影響を受けてませんでした。それが有利に働いたと後に語っています。
先入観がないからこそ自由なアイデアが生まれたのかもしれません。
Mikkeller(ミッケラー)の象徴的キャラクターは、作業を始める前に遊んでいた絵から誕生したそうです。
タイポグラフィーは重要ですが、Mikkeller のラベルデザインではイラストに重点を置き、キャラクターと色を使って物語を描いていきます。
混雑した競合の中でラベルが際立つように明るい色で限定されたパレットを使いました。Mikkeller(ミッケラー)のイラストは、一見子供っぽく漫画のような人物と大胆な線が特徴的です。
参考記事↓
いつもパーフェクトでいる必要なんてないんじゃない?
日本人は元々真面目すぎるので、もう少し肩の力を抜いた楽しさを許容してもいいんじゃないでしょうか。
常にパーフェクトでいる必要はなく、ミスは愛嬌に変換して、デザインを楽しむこと。と、Mikkeller(ミッケラー)のデザインから教わった気がします。
このポリシーがビールという製品にも合っていますね。
ということで前編はここまで。
せっかくデンマークにいるのですから、コペンハーゲンにある店舗を現地調査してみました。後編はこちら↓