高知仁淀川町ひとり旅『いざ安居渓谷へ。運転免許なしというハンデに抗う』
2022年4月 高知仁淀川町紀行 Vol.02
高知で沈下橋が見たい、と人に告げると、最初に言われるのが『四万十川?』。私も四万十川くらいしか知らなかった。
しかし高知出身の友人は違った。
『仁淀川の方が断然いいよ』
初耳であった。
昨今、仁淀ブルーなどと言われ、なかなか注目を浴びているらしい。
検索してみると、すぐにハートを鷲掴みされる。
『行きたい!』
私は興奮して声を上げる。
しかし、友人に一掃される。
『車がないから無理だろ』
…そう、アタイは無免許ゆえに無事故無違反。今後この記録を阻害する気もない。調べると、確かに、この仁淀ブルーを拝むには、ローカルバスやらなにやらを駆使せねばならず、しかも山形出身のアタクシ、田舎バスの本数の少なさは分かっておるので、なかなか難儀な道のりとなることは予想がついた。
そればかりではない。昨年患った股関節痛から復帰後、初めての旅行である。
歩けるか?オレ!
急に痛みがぶり返し、電波の入らない獣道の只中で立ちすくみ、空高く旋回しているトンビに襲われ…なんてことが起きないとも限らない。
しかしだからと言って、諦めるのは面白くない。
免許なしというハンデに屈してなるものか!
ということで、仁淀川に行くことを決める。
4泊5日の仁淀川の旅。
最初の訪問地は安居渓谷。
宝来荘という宿に泊まって、ひとり散策。
仁淀川は写真で見るよりもずっと美しく、見たこともない透明なブルー。
限りなく透明に近いブルーではなく透明なブルー。
己の出生地である山形にも、山ん中入ればきっと透明な川はあると思うんだ。しかしこのブルーはない、と思う。
こんな美しい川を身近に構える、高知県民のなんと贅沢なことよ!
美しく、一瞬でアタイのハートを鷲掴みにした安居渓谷の仁淀ブルー。
しかしその後に訪れたのは、仁淀のブルーよりずっとずっと美しく澄み渡った、優しく隔てのない地元の人たちとの、心温まる交流なのであった。
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