【簡単】野菜の豚バラ巻き 韓国風レンジ蒸し×「作 雅乃智 中取り&恵乃智」~日本酒ペアリング研究会 報告書No.1~
※「日本酒ペアリング研究会」は、日本ソムリエ協会が認定する日本酒・焼酎のソムリエ資格「SAKE DIPLOMA」を持つ筆者が、日本酒とご家庭でもできる料理の合わせ方を提案する企画です( ˘ω˘ )。
ついでに日本酒では三重の地酒を中心に取り上げ、料理ではほとんど三重の地物食材を使っています。また、料理のレシピも詳しく解説していますので、ぜひお読みください( ˘ω˘ )。
〇はじめに
こんばんは( ˘ω˘ )。
今回は「日本酒ペアリング研究会」の第1回目。この企画では、ふだん自分が作ってる料理とそれに合いそうな日本酒を、レシピとペアリング考察とともに紹介していこうと思います( ˘ω˘ )。
【簡単】とついてるものは比較的お手軽にできるレシピだと思いますので、ぜひお試しください。
なお、個人的なこだわりですが、料理に使う食材はできる限り三重県産のものを。調味料もなるべく三重の企業さんのものを使ってます。ただし、別にそうしないとできない料理というわけではないです。
また、日本酒も三重県の酒がメインになります。他の地域や種類のお酒に関しては、皆様の知識や経験を聞かせていただければと思っています( ˘ω˘ )。
ということで、今回は「野菜の豚バラ巻き 韓国風レンジ蒸し」です( ˘ω˘ )。
今年の7月に韓国へ出張に行ったんですが、そのとき行った料理屋さんで出てきた「ヌルミ」という料理を再現しました。
それでは早速やっていきましょ~。
◯材料と作り方
◇材料(2人ぶんぐらいのはず)
<本体>
・豚バラ スライス 1パック
・好きな野菜 巻ける量
・塩と胡椒。 適量
・料理用の日本酒 大さじ2ぐらい
<タレ>
・コチュジャン 大さじ1
・酢 大さじ2
・ごま油 大さじ1
・醤油 大さじ1/2
・オイスターソース 大さじ1/2
・砂糖 小さじ1
個人的なこだわりとして、豚肉は鈴鹿市にある山崎ファームさんの「さくらポーク」を。「作」の酒粕を飼料にした「作豚」を育ててるとこですね。柔らかくて脂に臭みがなく美味しいです。
野菜もいつも通り鈴鹿産です。JAの直売場で買ってます。調味料は醤油が伊賀越さんの「天然醸造 国産丸大豆しょうゆ」。ごま油は九鬼産業さんの「ヤマシチ純正胡麻油」のスタンダードタイプ(?)です。
◇作り方
1.野菜をできるだけ細く切る。
今回は白菜とニラ。
2.豚バラをまな板に少し重なるように広げ、野菜を巻く。
豚バラは好きな厚さに巻いてください。今回は半分に切りました。
最大限きつく巻くのがポイント。
3.塩・胡椒を適量ふって一口サイズにカットし、大きめの耐熱皿に並べる。日本酒大さじ2ぐらいをまわしかけ、ラップをする。
茄子やアスパラならともかく、葉もの野菜やゴボウなどは繊維がしっか
りしてるので、一口サイズにしたほうが食べやすいかと思います。
また、切るのは加熱したあとでもいいとは思いますが、まな板と包丁を
洗う回数が増えるので先にしました。しっかりきつく巻けてないとここで
崩れます。
切れ端や余った野菜などは一緒に皿に敷いておきましょう。
4.電子レンジで、しっかりと火が通るまで加熱する。
必ず生肉の部分がなくなるまで加熱してください。あんまりやりすぎる
と肉が固くなりますが、火が通っていないよりはマシです。
今回は600wで8分ほどでしたが、量や皿の形状、電子レンジの機種などに
もよるので、必ず確認しながら火を通しましょう。
皿に残る水分は肉や野菜の美味しさが詰まった最高のスープなので、捨
てずにいただきましょう。なんならこれがいちばん美味しい。
5.タレをつくる。
材料を混ぜて、電子レンジで1~2分加熱したらOKです。見た目にしてはさっぱりめ。お酢の酸味と唐辛子の香りを意識してます。
物足りなければオイスターソースや醤油を増やすか、鶏ガラスープを入れるといいと思います。塩分濃度に注意。
6.盛り付けて完成。
韓国の料理屋さんで出てきた感じで盛り付けました( ˘ω˘ )。
冒頭の同じ写真ですいません…。
◯今回のお酒とペアリング考察
今回の料理には、私の地元 三重県鈴鹿市の清水清三郎商店さんが醸す「作」より、「雅乃智 中取り」と「恵乃智」を合わせていきます。
◇お酒の基本情報とコメント
蔵元情報は公式HPへ。
「清水清三郎商店」ホームページ↓
1.「作 雅乃智 中取り」(三重県鈴鹿市 清水清三郎商店)
区分:純米大吟醸
米:全量「山田錦」 精米歩合50%
度数:16度
公式商品紹介ページ:
筆者のコメント:
<香り>
リンゴや洋ナシを思わせるような上品な果実香が華やかに香る。
白桃やパイナップルのようだと表現する人もいる。
+
上新粉や白玉粉のような上品な米の香り
教科書的には石灰とも表現されるフレッシュさ・ミネラル感
全体としては、上記の果実香がとても華やかで膨らみがあり、かなり洗練された印象。この香りが余韻にまで長く続いていく。
<味わい>
純米大吟醸の中取りらしい透明感のある甘口。
しかしただ甘いだけでなく、豊かな甘みに爽やかな酸味やある程度の旨味が調和し、香りとも相まってよりいっそう果実のような甘酸っぱく芳醇な味わいを感じる。
ジューシーでフレッシュな果実感が余韻にまで続き、最後まで華やかな印象で終わる。
<総評>
個人的には「作」といえばコレという商品。「作」らしいフルーティーさ、フレッシュさと飲みやすさをいちばん感じられると思う。日本酒初心者の方にもぜひおすすめしたい。
冷酒をワイングラスで飲むと、フレッシュな甘酸っぱさと華やかな香りをより楽しめる。
2.「作 恵乃智」(三重県鈴鹿市 清水清三郎商店)
区分:純米吟醸
米:国産米 精米歩合60%
度数:15度
公式商品紹介ページ:
筆者のコメント:
筆者のコメント:
<香り>
リンゴや洋ナシのような香りが主体。
+
蒸米のふくよかな香り
上新粉・白玉粉のような上品な米の香り
石灰のようなミネラル感
オレンジ・レモンのような黄色・オレンジ色の柑橘のような印象
上立ちは華やかで上品な、まるで純米大吟醸のような果実香がある。しかし、口のなかでは蒸米のような米由来の香りがより感じられることから、ふくよかな印象もある。
<味わい>
ふくよかな甘みとなめらかな酸味があり、甘酸っぱく芳醇な果実感を生み出している。
中盤からはしっかりと旨味が広がり、ほんのりと苦みも感じられる。
それらが豊かな味幅とやや固めな印象を感じさせ、長い余韻にまで続いていく。
<総評>
まるで果実のような甘酸っぱさと華やかな香りがありながら、旨味もしつこくならない程度に調和しており、比較的しっかりとした味わいとなっている。そのため、例えばコチュジャンを使ったしっかりめの韓国風料理や肉料理には合わせやすいと思う。
こちらも日本酒は初めてという方にもおすすめしたい1本。冷酒をワイングラスで飲むのがよい。
◇今回の料理との合わせ方
日本酒の香りには大きく分けると「リンゴ・洋ナシ系」と「バナナ・メロン系」があります。今回の「雅乃智 中取り」と「恵乃智」はどちらも「リンゴ・洋ナシ系」の甘口なんですが、あくまで個人的な見解としては、この系統のお酒は一般的に日本酒が合うと言われる刺身や握り寿司、煮物などにはあんまり合わないんですよね…。
もちろん、それらに使われる食材や調味料・薬味によっては合うんですが、基本的には生の魚介特有の風味や脂(特に青魚)とか醤油とか出汁との相性がちょっと微妙です。特に「作」のような香りが華やかでフルーティーな甘口であるほどに。
しかし一方で、今回のタレような唐辛子や酢を効かせた味わいには「リンゴ・洋ナシ系」のほうが合います。特に唐辛子の香りは「リンゴ・洋ナシ系」の爽やか・華やかな香りと、酢のきりっとした酸味には果実のような甘酸っぱさがうまく調和します。
そのため、今回のタレはがつんとくる旨味よりも酢の酸味や唐辛子の香りを重視したバランスにしました。本来はこういったタレに入ってそうなニンニクや鶏がらスープをいれてないはそういう理由です。同じ考え方で、今回のタレではなくポン酢をかけて食べるのもおすすめです。
続いて、なぜ本体が野菜の豚バラ巻きだったのかについてですが、豚肉に限らず獣肉はリンゴなどの果実と相性が良いというのがあります。ミルフィーユカツのなかにスライスしたリンゴが入っていたり、焼き肉のたれやとんかつソースの原材料にも使われていたり。
今回の「 雅乃智 中取り」と「恵乃智」もそういうイメージで、お酒が持つ果実感をタレの一部のように活かして豚肉の旨味や脂に合わせていくことができるんじゃないかと思っています。料理の印象もぱっと華やかになりますしね。
ほかの理由としては、やはり簡単で見栄えもいいし、アレンジの幅も広くて失敗が少ないことがあげられます。いや、野菜や厚揚げなんかを豚バラで巻くだけなんですが、それだけでなんかすごく特別感が出て美味しそうに見えるじゃないですか(笑)。そのうえ、だいたいどんな食材を巻いても美味しいですよね。豚バラってすごい…。
もし巻くのも面倒という方は、食材をざく切りにして重ね蒸しにしてもいいと思います。
ぜひ試してみてくださいね( ˘ω˘ )。
〇終わりに
今回は、「野菜の豚バラ巻き 韓国風レンジ蒸し」に「作 」雅乃智 中取りと恵乃智を合わせてみました。愛する故郷 鈴鹿の地酒ということでお酒から選んだんですが、やはり飲みやすくて美味しいです。きっと現在も「日本酒=変なにおいがする、おじさんが飲むもの、美味しくない」というイメージが根強いと思いますが、このお酒にはそんな固定観念をを一変させる力があると思います。
ただ、コメントにも似たようなことを書きましたが、やはり料理に合わせるという点ではかなり難しかったです。どうしても普段メインで作っている日本的な料理には合わせづらく、むしろ食後なんかに単体で飲むというイメージが強いお酒でした。その後いろいろ試して、アジの南蛮漬けだったかチヂミのタレで同じようなものを作ったときだったかに、酢や唐辛子との相性がよいということを感じたような気がします。あれ、ポン酢から行きついたんだっけ…?。よく覚えていませんが、そんな感じです(笑)。
それはともかく、今回の「作」ようなフルーティーなタイプの日本酒はかなり増えてきているように思いますので、他の銘柄もぜひ合わせてみてください。高知県のCEL酵母を使ったお酒なんかいいんじゃないでしょうか。もし「これも合うぞ!」というものがあれば、ぜひ教えてください。そいういうかたちでいろんな方と「ペアリング研究」を行っていけたらなと思っております。
それではまた次回、お会いしましょう( ˘ω˘ )。
次回も引き続き「作」を扱う予定です。
それでは素敵な日本酒ライフを~( ˘ω˘ )。
「日本酒ペアリング研究会 報告書」のまとめを作りました。
他のメニューとペアリングもあわせてお読みいただけると嬉しいです( ˘ω˘ )。