ミニマル/シンプルライフへの挑戦
ジャケット1枚、上下4セット。それだけで、12日間の旅を過ごせた。仕事でもプライベートでも。家に帰っても、これだけで暮らして行けるんじゃないかと思うほど、全く問題なかった。洋服なんて、所詮そんなものなんだろう。そのことが分かっただけでも、とても実りのある旅だったと思う。
数日一緒に暮らしていた幼馴染みたちに、私の生活は効率がいいと言われた。着替えにも支度にも、私はあまり時間がかからないので、いつも人が準備するのを待つ立場になる。家でもいつも、出かける前は夫を待つ。逆に、なんでみんなそんなに時間がかかるのか不思議なんだけど。待つ間、お気に入りのハーブティーを飲みながら、アプリでフランス語の勉強をしていたら、散々効率のよさをほめられた。この幼馴染みたちに、多感で傷つきやすかった思春期の頃、どれだけ良いところをほめてもらって救われていたかを思い出した。そうか、私の暮らしは効率よく見えるのか。
持ち物をできるだけミニマルにシンプルにして、自分の好きなものだけに囲まれて暮らせるように心を砕いてきた。余計なものを暮らしから取り除いて、好きなことに時間を費やせるように心がけてきた。少しずつ、その成果が出てきているのを実感できる旅だった。
ちなみに、私がいない間に、絶対に不要な新しいソファを夫が購入し、子ども達に呆れられて返品する、という事件が起きていた。返品したとは言え、返送代がかなりかかっていて、しかも発送に問題があってソファ代が返金されないかも、という事態が起きていて、さすがの夫も購入を後悔していたらしい。結局返金はされたけれど、返送代と時間と労力の単なる無駄使い。これで夫も、少しは懲りてくれただろうか。いや、きっと買い物好きは一生変わらないんだろうな…。ついこの前も、絶対不要な足マッサージ器やキッチンシンクで使うらしいネットとそれを取り付ける道具を買っていて、邪魔で仕方ない。どうせすぐに使わなくなるのは目に見えているのに。私のミニマル/シンプルライフへの挑戦は、夫に邪魔されながら続く…。