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夫の心の闇

夫と久しぶりに喧嘩した。夫の精神状態が不安定な時に特有の言動と思考回路について、はっきりと分かってきたことがある。渦中にいると流されてしまいがちで気づきにくいけど、最近は基本的に落ち着いているから、いつもと違うことに気づきやすかった。

夫は不安定な時、とにかく私を非難する。過去の出来事を持ち出したり、そこから広がって私の人格全般を否定したり、他人と比較したり、と特有の決まったパターンがあるけれど、その批判はすさまじくて、逃げ場などない。こんなにも誰かを憎んで責めることができるものかと驚くほど。次第に、彼の考えが正しくて私はいてはいけない存在だ、とさえ思えてくる。洗脳されたように。

不安定な時、彼は私を責めることでバランスを取っているように思える。標的にされて責められる私は辛いけれど、夫の精神状態が不安定な時は、まともに言い返したり、受け止めてはだめだと分かっている。私がいなくなったら、息子や娘が標的になるかもしれない。それならば、私が受け止める方がいい。夫の子どもを産み、その子ども達も精神疾患を持つことになった今、私がこの家族を支えるしかない。

彼の不安定さは、人からの愛情やリスペクトへの渇望から来ている。愛されたい、リスペクトされたい、もっともっと、と足掻いている。たとえ愛されていても、リスペクトされていても、不足しているものを探し続ける。手にしているものには目が行かない。ああ、そう考えると、彼の買い物癖も精神疾患の一部なのかもしれない。何かが足りないという思いを買い物で満たそうとしているのかも。

それらの不足感や愛情やリスペクトへの渇望は、親からもらえなかったものを埋めようとしているのだと思う。彼の奥に潜む心の闇。彼は親に対しては、よい顔をし続けている。代わりに足りないものを私に求めて責めるのは全くお門違いで、病気によって歪められたバランスの取り方だと思う。彼の精神疾患は薬で症状を抑えられるけど、心の闇は救えない。私にも誰にも救えない。


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