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そばにいるためだけに会いに行く

娘の様子がおかしかったので、急遽会いに行ってきた。娘は精神的に調子が悪いと、自分の殻に閉じこもってしまって、あまり話さないけれど、そばにいるだけでも、と思って。

夫も一緒に来てくれた。娘は機嫌が悪い時には夫に極度に冷たくなり、全くと言っていいほど話さない。目も合わせない。それでも、夫は会いに行ってサポートする姿勢を見せてくれた。

犬も一緒に連れて行った。娘の姿を見つけて、飛びついて喜ぶ犬を見ても、笑顔にならない娘に、具合の悪さを覚悟した。

やっぱり何も話さない娘。でも、しばらくしてから、娘は私の横に座りに来て、頭を私の肩にのせて、少しだけ話しながら泣いた。娘の辛い気持ちが伝わってきて、心がつぶれそうだった。

私の膝に座っていた犬が、私の横で泣く娘の膝の方に移動して、娘に寄り添ってくれた。いつもは私の膝にしか座らないので、娘の方に行ったことに驚いた。犬なりに、何かを感じ取ったのだろう。そして、娘を慰めようとしてくれたのだろう。

会いに行くことは、何があっても娘の味方であることを、言葉だけでなく行動でも見せることだった。たいして何もできないけれど、娘は辛そうな表情のままだったけれど、会いに行ってよかったと思う。何もできなくても、そばにいるためだけに、会いに行くことはできる。

その日、本当は息子と一緒に買い物に行く予定だった。娘の調子が悪そうだから、と土壇場で予定変更したので、息子は心配して、翌日娘に電話してくれたらしい。普段は、用事がなければ電話などしないのに。精神的な不調について、よく分かっているはずの息子だから、その気遣いが嬉しかった。

家族のみんなが、味方だということが娘に伝わっていたらいい。家族みんな、ここにいる。


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