日本からUAEに荷物を送るには? ②発送の方法と注意点
◎筆者は…
2022年よりUAE(アラブ首長国連邦)の
首都アブダビにて駐在帯同生活中。
海外で長く暮らすのは今回が初めて。
30代のママです。
前回の記事でEMSと船便の
料金や日数について書いたので
今回は発送の際に必要となる
具体的な手順について触れたいと思う。
伝票作成の手順と留意事項
日本郵便ではEMSでも国際小包(航空・船便)でも
荷物の中身等について記載した伝票を
発送者が作成しなければならない。
2024年3月以降手書きのラベルは認められていないので
日本郵便のHPからスマホまたはパソコンで作成する必要がある。
・何度も使うならマイページ登録を
まずは作成ページの指示に従い
送り主と届け先の住所や氏名、電話番号を英語で記載する。
作成前に「国際郵便マイページサービス」に会員登録しておくと
住所をアドレス帳に保存できたり
次回以降、品目を履歴から入力できたりするので便利。
届け先の項目の電話番号は
国際番号込みで記載するのを忘れずに。
「受け取り方」の項目で記述するが
UAEの場合、この記載電話番号に従って
荷物到着の数日前から
SMSやWhats Appで連絡が来るようになるので
それらを受信できる番号を間違いなく記載するようにしたい。
・ 「内容品登録」で品名やコードを入力
届け先等の情報を入力すると
次に「内容品登録」のページに進む。
これが全段階でいちばん大変な作業。
内容物は「衣類・食品」などの大まかなものではなく
Shirts×5、Soy Sauce×2など
具体的な品名を英語で書き、該当のあるものは
「HSコード」という分類番号も記載する。
主な品目の英訳とHSコードは
こちらのページで検索できる。
品目はたとえば下図のように同じ「シャツ」でも
男性用・女性用や布地の種類で
コードも別になっており、かなり細かい。
リスト内で見つからない物品は
英語品名を自分で翻訳して書けば
HSコードの欄は無記載でOK。
さらには下図のように、
各品目ごとに数量と金額、重さも記載して
最終的な内容物の合計金額と総重量も書かなければならない。
なぜ金額まで必要かというと税金が関係するから(後述)。
各物品の重さや金額は
家族等に遠隔で購入・パッキングを依頼している場合
詳細に分からないことも多いかと思う。
筆者もそうしたケースが多いので
どのように対応しているかを詳述する。
・内容品の重量記載のコツ
まずは各物品の重さだが、
結論から言うとざっくりで大丈夫。
(ワンピース1枚何グラムかなんて知らないですし…)
窓口での品目確認は結構細かいのだが、
少なくともそれぞれの重さに関して
「この絵本は本当にこんなに重いんですか?」なんて
確認された経験はない。
実際の総重量と記載重量の合計に
ものすごく大きな差がなければ問題なし。
(逆に、内容品リストには「醤油1キロ×5本」しか書いてないのに
総重量が10キロだと「書いてない物も入ってますよね」となる)
荷物の総重量は送料に直結するので、
どちらにせよ最終的に窓口で計測することになる。
筆者の場合は自宅の体重計などで
ざっくり総重量だけ測ってもらい、
大体の合計が合うように各物品の重量を入力。
伝票の総重量欄は空白にしておいて、
窓口で最後に正確な数字を手書きしてもらっている。
・内容品総額は税金に影響する
次に戸惑うのが金額の記載。
こちらも概算で問題ない(局員さんも確かめようがない)のだが
注意点がいくつか。
まず、UAEにおいては
内容品総額に対して
受取り時にVATという税金が5%加算される。
つまり、適当に記載して合計金額を
ものすごく高額にしてしまうと、
税金も多く払うことになってしまう。
この税金についてはUAEについてからの配達を請け負う
Emirates PostのHPにも下記のとおり記載がある。
ただ、ここでは「AED1000(=約4万円)以上の品に対して」とあるが
筆者はそれ以下でも請求されたことが何度もある
(合計金額を6千円と記載した際に8.25DHS=約300円請求など)。
逆に、VATの請求が一切なかった時もある。
この辺りの違いは調査しきれておらず、
詳細はよく分からない(すいません)。
どちらにせよ、UAEで荷物を受け取る際には
そうした制度があることは心に留めておく方が良い。
繰り返しになるが、
発送時に物品の購入先や品質まで確認されることはない
(シャツがブランドものでも、おさがりのゼロ円でも)。
ただ、筆者は一度だけ
リストの一部に金額の書き忘れがあったせいで
「この重さにしては合計金額が少なすぎませんか」と
指摘されたことがある。
上記を考慮してあとは、それぞれの正直さにお任せします。
(お察しください笑)
・禁制品に注意
面倒ではあるが、内容品については上述のように
とにかく英語品名と重さ他を入力していくのみ。
ただし郵送できない「禁制品」があることを忘れてはならない。
スプレー缶やマニキュア、花火などの「危険物」は各国共通だが、
UAE宛で注意しなければならないのは
「医薬品」と「酒精飲料」。
どちらも「条件付許容」という扱いだが
そうそう簡単にクリアできる条件ではないので、
内容品リストに入っていると
郵便局の窓口で拒否される可能性がある。
(窓口で何度か「医薬品は入っていませんよね」と確認された)
※国ごとの禁制品はこちらのページで確認できる。
つまり、内容品リストを作る際、
上記のもの(を馬鹿正直に記入するようなこと)があってはならない。
・・・さて。
窓口での確認がどれくらい厳密かは
利用する郵便局によって異なる可能性がある。
事実として筆者のこれまでの経験だけを記載する。
・パッキング済の段ボールをその場で開封されたことはない
・内容品リストに「禁制品に該当するものがないか」の口頭確認(毎回)
・調味料、化粧品、洗剤等の欄に「Non Alcohl」と追記するよう指示される
荷物がUAEについて税関を通る際も
時間がかかったり、開封された形跡があったことは
今のところ一度もない。
これまでの記事で、
実際に何を取り寄せ(るのに成功し)ているかは書いてきた。
ここに書けるのはここまでですが…
つまり、お察しください(自己責任で…ね…)
・保険の有無等を入力して作成完了!
内容品登録が終われば、伝票作成はほぼ完了。
次は下のような画面に進み、必須項目を入力する。
上図の各項目を簡単に解説。
「発送予定日」は必須項目だが
印刷した後、窓口に行く日が前後しても特に問題はない。
「総重量」は入力すると概算の料金が自動入力されるが、
前述のとおり正確な重量を窓口で測ることになるので
筆者はここでは入力していない。
別料金のかかる「保険」や「特殊取扱」は記載なし。
「万一配達できなかった場合の指示」の項目については
一応「返送(最も経済的な線路)」を選んでいる。
ただ、無事届かなかった経験がなく、
返送を選んだ場合、無事送り主の元まで戻るのか、
その場合の負担金額がいくらになるかは未知の世界。
(新品の衣料や本なども入っているので「放棄」を選ぶ気にはなれず…)
「インボイス印刷指定」は「規定枚数」
「有償/無償」の項目は、個人利用なので「無償」でOK。
・配送ステータスメールは必要?
同じ画面の下部に「配送ステータスメール」
というオプションがあり
「引受」や「通関検査中」といった状況ごとに
メール通知するか否かを選ぶことができる。
毎回全項目にチェックを入れているのだが
届くのは「引受」「日本交換局発送」「配達完了」のみで
あまり意味はないように思う。
配送先の国によると注意書きがあるので仕方ないのだろう。
また、メールで受信しなくとも
発送した際に受け取るお問合せ番号を使えば
日本郵便とEmirates PostのHPで
状況を追うことができるので、
登録はマストではない。
・リストの自動削除に注意!
以上を入力したら、次の画面で内容を確認し
「送り状を登録する」を選んで完了!
登録後、そのまま印刷(PDF出力)に進むこともできるが
いちど出力するとデータは消えるので、
リストに後日追記がある場合などは
いったんここでストップ。
出力前の伝票はマイページの
「発送予定データ」から再編集できる。
また、作成・登録してから7日以上過ぎても
伝票を印刷していない場合、
せっかく作ったリストがマイページから
削除されてしまうので要注意。
前もってリスト作成作業をした場合は
時々ログインして発送予定日などを更新し
「送り状登録」で保存しておくようにしたい。
伝票を印刷して窓口へ
・伝票はPC作成が便利
伝票作成はスマホからもPCからもできるのだが
内容品の項目が多い場合はPCをおすすめする。
スマホからだとHSコードの入力がやや面倒なのと
上述したようなリストの一時保存ができないためだ。
ただ、スマホから作成すると
「ゆうプリタッチ」という
伝票印刷不要のサービスが使えるのは利点。
伝票作成後に受け取れるQRコードを
対応している局の窓口で見せると
その場で印刷してくれるので、
発送者にとっては作業が楽だ。
内容品の項目がさほど多くなく、
作業後すぐに発送できる状態であれば
スマホからの作成もアリだと思う。
PCから作成した場合はPDFで出力したものを
印刷(A4用紙数枚)して持参する必要がある。
一時帰国の際などに自分で作業するなら良いのだが
遠隔で日本国内の誰かにお願いしている場合、
海外から作業できるのはここまで。
メール等で完成した伝票のPDFデータを送り
「これを印刷して荷物と一緒に窓口にお願いします!」となる。
・窓口での口頭確認対策
これまで少し触れてきたとおり
窓口にいくと、内容品リストを見ながら
局員さんから細かく確認がある。
というような感じ。
筆者の場合、窓口に行ってくれるのが
英語の読み書きが苦手な親族なので、念のため
「rice seasoningはふりかけだよ」など、
内容品の英語が意味するものを
あらかじめ伝えておくようにしている。
パッキングをしていない(中身を把握していない)人が
窓口に行くと、返答に困るかもしれないので
口頭確認がある旨は心がけておいた方が良い。
・伝票の控えと領収書を保管しておこう
口頭確認が済めば、
重量を測ってそれに応じた料金を払い
日本国内での全作業が完了。
遠隔でお願いしている場合は
伝票の控えや領収書を受け取ってもらい
そこにあるお問合せ番号を写真等で教えてもらうと
以後の追跡ができる。
長くなったが、以上が発送に伴う手順。
次回記事では、到着までの追跡方法と
UAEにて受け取る際の手続きについて触れたいと思う。