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アブダビ駐妻の中東メシ探究 ②マナキッシュ

◎筆者は…
2022年よりUAE(アラブ首長国連邦)の
首都アブダビにて駐在帯同生活中。
海外で長く暮らすのは今回が初めて。
30代のママです。

アブダビで出会った中東料理を素人日本人目線でレポートします。

マナキッシュ=平らな白パンのサンドイッチ

前回のシュワルマに次いで我が家で昼食に選ばれる頻度が高いのが「マナキッシュ」という料理。

渡航して間もない頃、初めて食べたマナキッシュ (@Otantik Cafe)

ManakishManousheと表記されていることが多く、マナキッシュマヌーシュと発音すれば大体通じる。平べったい白いパン(多分このパンそのものをマナキッシュと呼ぶ)にチーズや肉などをのせて(挟んで)食べる定番料理だ。
中東料理のお店では大概ブレッドメニューなどとして扱われているほか、マナキッシュをメインにしたベーカリーやカフェもある。

マナキッシュ専門店のメニュー(配達サービスtalabatのスクショを拝借)。
最初は「どう違うのよ」と思ったが、今ではフムフムと選べるようになった

定番は中東で人気の香辛料

組み合わせ様々なマナキッシュのメニューの中でも、最もポピュラーなのはZaatar Manakish=ザターマナキッシュ。Zaatarとはザターまたはザタールと発音される、中東ではポピュラーな香辛料。オレガノをメインにその他数種類のスパイスがミックスされているようだ。濃いめの緑と茶の中間のような色をしていて、スーパーの香辛料売り場等でも必ず売られている。

大型スーパー、カルフールのスパイス売り場。
奥からそれぞれインド、レバノン、パレスチナのZaatarとの表記がある

アブダビには、この「ザター」の名前を店名に冠した「Zaatar w Zeit」というレストランもあるくらいだ。レバノン生まれのチェーン店らしいのだが、マナキッシュなどを中心に比較的リーズナブルに、ファストフード感覚で中東メニューを味わえるので、我が家では重宝している。

お店の名になるくらいメジャーなザター。どんな味かというと、もちろんお店により多少差はあるが、やや酸味が強く、プチプチというかザラザラというか、少し種っぽい食感もある。酸味の強さ故に好みが分かれるかもしれないが、私はこの癖になる味をアブダビで覚えて以来、定期的に口にしたくなるくらい好きになってしまった。マナキッシュに限らず、パンとの相性が良いので、ベーカリーやスーパーのパン売り場にも「ザタークロワッサン」が定番の品として並んでいる。

スーパーのクロワッサン売り場。
右側の少し濃い色のものがザタークロワッサン(1個=5Dhs)

チーズやひき肉も人気

そのザターのみをマナキッシュにのせた「ザターマナキッシュ」と、さらにチーズもあわせた「ザター&チーズマナキッシュ」、この2つはマナキッシュを扱っている店なら必ず揃えているメニュー。ザターだけでも美味しいが、チーズをあわせると前述の癖のある酸味がやや和らぐので、より初心者向きの味になるかと思う。

次に多いのが、これまた中東らしさあふれる「Labneh=ラブネー」。ヨーグルトチーズのようなもので、マナキッシュ以外の料理にもよく登場する。こちらもザターとの相性が良いので、「Zaatar&Labneh」のマナキッシュは定番だ。
このほか、ひき肉をペーストのような形状でのせたもの、ホウレンソウや卵など、冒頭のメニュー写真のとおりラインナップは豊富。でもよく見ると半分以上「〇〇&チーズ(チーズの種類は多彩)」だったりもする。

牛ひき肉と玉ねぎなどの野菜がミックスされている

私はHalloumi(ハロウミ)というチーズの一種を挟んだものがお気に入り(ハロウミに関してはまた別途記事にしたい)。

できあがりの形を選べる店も

店にもよるが、マナキッシュを注文すると「オープンかサンドイッチか」と聞かれることがよくある。丸いパンの上に具材をのせたピザのような状態で提供するか、具材を挟んで中央で2つに折ったり、時にはラップサンドのようにくるくる丸めたりする。こちらは個人の食べやすさで好みを選べば良い。

ラップ上に丸めてもらったもの(@Zaatar w Zeit)

サンドイッチ上にすると、前回のシュワルマ同様ファストフード感が増す。片手でパクっといけるし、具材に肉たっぷりのものを選ばない限りは比較的ヘルシーなので、小腹が減った時の軽食としても重宝する。

***

アブダビに来るまでは名前も知らなかったマナキッシュ。シュワルマに比べると、こちらはまだ日本での知名度もそれほど高くないと思うので、いつか本帰国した後は、この味を懐かしく思い出すかもしれないなぁと今からちょっぴり切ない。


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