はじめてのおてつたび
おてつたびとの出会い
「おてつたび」という言葉に初めて出会ったのは、約3カ月前のことです。
偶然見ていたニュース番組で、「おてつたび」が紹介され、自然とその魅力にひかれました。
元々旅行が好きで、会社員時代は推し活という名目で、3〜4カ月に1回は大阪や東京のライブに参加し、翌日には近隣の観光地を巡ることが恒例でした。しかし会社を辞めた後、コロナの影響もあり旅行から足が遠ざかっていました。
今年に入って、ドラマの影響で久しぶりに長崎へ1泊2日の一人旅に出かけました。それまで旅行はストレス発散の一部だと思っていたのですが、そうではありませんでした。その土地でしか感じられない空気感や旅行先での出会い。それはその場所に行かなければ体験できなかったことです。
長崎への旅行は、旅行に対する私の考え方を改めるきっかえになりました。それから「私の人生には旅行が必要だ」と自然と考えるように。
しかし、金銭的な制約や仕事の関係もあり、以前のように頻繁に旅行に行くことは難しい状況でした。そんな私の悩みを解決してくれたのが「おてつたび」です。
おてつたびとは?
ここまで「おてつたび」についてお話しましたが、実は「おてつたび」とは何か、気になりますよね。
簡単に説明すると、宿泊先を提供してもらう代わりに、ホテルや旅館、農家などのお手伝いをして報酬をいただく仕組みです。
お仕事の内容は食事の提供や部屋のお掃除、農作業など、様々な種類があります。期間も数日から2カ月まで幅広く、応募する際は自分のスケジュールに合わせることができます。
「おてつたび」に興味を持っていただいた方は、ぜひサイトをご覧になってみてください。
今回のおてつたびの内容
3カ月前におてつたびの存在を知ってから、応募したいけど本当に大丈夫かなと不安を抱える日々。ただおてつたびのサイトを眺める日々を過ごしていました。
そんな時、今回お世話になった「指宿フェニックスホテル」の砂むしの受付の求人が掲載されました。期間は6月1日から7日までの1週間です。
それまで応募するか思い悩んでいたはずの私が、気づいたら申し込みボタンを押していました。初めてのおてつたびに加えて、私はアラフォーなので選ばれないかもしれないと正直思っていました。しかし、選ばれなくてもいいから応募してみようと開き直り、熱意が伝わるように自己アピール文を作成してみました。その結果、採用の連絡が届きました。
採用メールが届いた時は、驚きと同時に心の底から嬉しかったです。その後、採用担当の方からホテル側も今回が初めてのおてつたび利用で、同じく初めてのおてつたび利用だったから私を選んでくれたと聞きました。受け入れる側も同じ気持ちなんだと分かった瞬間、少し緊張が和らぎました。
実際におてつたびに参加してみた
・おてつたびに出発
おてつたび初日は、お昼過ぎに指宿駅で待ち合わせでしたので、地元から高速バスとJR指宿枕崎線を利用しました。
指宿枕崎線は単線で、1時間に1~2本のペースで電車がやってきます。私は利用しませんでしたが、「たまて箱」という特急列車もあります。たまて箱内では鹿児島の味を味わいながら、お弁当やサンドイッチ、スイーツを楽しむことができます。
私はのんびり旅をすることが好きなので、普通の電車で指宿駅へ向かいました。海岸線をガタゴトと音を立てながら走ります。普段は山ばかりを見て生活している私にとって、新鮮な景色で癒されるひとときでした。電車の座席から海を眺めていたら、あっという間に指宿駅に到着しました。
・おてつたび先の方と昼食
指宿駅に到着後、迎えに来てくれたおてつたび先の担当の方と一緒に昼食を食べに指宿駅近くにある「青葉」というお店に行きました。さまざまなメニューがありかなり悩んでしまいました。結局、オススメしていただいた「けいはん」と私が個人的に食べたかった「さつまあげ」をいただきました。
けいはんは、もともと奄美大島の料理だと教えていただきました。ご飯の上にいろんな具材をのせ、だし汁をかけて食べるお茶漬けのような料理です。一口食べた瞬間にだしの甘みと鶏の旨味が口の中に広がり、あっという間に完食してしまいました。熱々のさつまあげも美味しかったです。
その後、おてつたび先である「指宿フェニックスホテル」に向かいました。今回は客室の1部屋に1週間宿泊させていただきました。ホテルの部屋は全室オーシャンビューになっていて、最上階の部屋からは指宿枕崎線を通る電車を見ることができます。(トップの画像は部屋からの景色です)私はおてつたび期間中、窓辺の席に座り海風を感じながら、毎日ご飯を食べて癒されてました。
・おてつたび開始
部屋で少しのんびりした後、今回のおてつたびである砂むしの受付に案内してもらいました。普段は女性スタッフが1人で受付を行い、5~6名ほどの男性スタッフが砂むし会場で砂かけのお仕事をされています。今回は、女性スタッフさんの連休中、私が代わりに受付業務を担当するという感じでした。初日に一緒に働きながら受付の流れやその他の業務など一通り教えてもらいました。
業務内容は、砂むしの受付はもちろんのこと、大浴場の清掃、家族風呂のセッティング、砂むしで使った浴衣の回収など多岐にわたりました。
ほぼ毎日団体のお客様がいらっしゃいますし、時間帯によってはお客様が重なり、受付が混み合ってしまう時間もありました。その日の状況によって時間は変わりますが、前半が16時から18時30分まで、後半は20時から21時30分までの受付となり、その間でしっかりと休憩を取ることはできます。
また指宿フェニックスホテルでは、砂むしをしながらタラソパックという海水を使ったパックを楽しむことができます。年齢や性別を問わずに楽しめるのでお友達同士はもちろん、ご夫婦やカップルで楽しんでいる方も多かったです。事前予約もできますが、18時30分までは砂むしの受付でも申し込みできるようになってるので、ぜひ体験していただきたいです。
受付のときにパックをオススメしたお客様から帰り際に「すごく気持ち良かった。ツヤツヤになった」と声をかけていただきました。その方の肌は、私が見てもわかるくらいハリとツヤに満ちあふれていました。
「指宿フェニックスホテル」周辺のオススメ
今回のおてつたびは、お休みが最終日のみでした。遠出は難しかったですが、仕事前に時間があったので、ホテルに常設してある指宿のレンタルサイクルを利用してカフェに行ったり、近くのスーパーに買い出しに行ったりしました。インスタで事前に調べていたお店もありましたし、Googleマップで調べて気になったお店に行ったりもしました。今回は、私が行ったお店を厳選して紹介します。
1.お豆腐sweets emifull
ホテルから自転車で15分くらいの距離にあるお豆腐屋さんが経営するカフェ。インスタで見つけて絶対に行きたいと思っていた場所です。焼きドーナツや豆乳ソフトが人気、もちろんお豆腐の販売もあります。カフェでスイーツとおからコロッケを食べました。まだお腹に余裕があったので、焼きドーナツとカツオ味噌と梅干が挟んであるサンドイッチみたいな厚揚げをテイクアウトしてみました。
豆乳ソフトは甘さ控えめで、下の方にあったコーヒーゼリーと相性抜群。おからコロッケは、ふわふわして軽いので食べすぎてしまいそうなくらい美味しかったです。
2.山川駅
ホテルのすぐそばにある駅。日本最南端の有人駅です。徒歩だと少し距離がありますが、近くに漁港や道の駅があるので、新鮮な海産物を楽しむことができます。
3.御菓子司鳥越屋
老舗のお菓子屋さん。たぬきケーキや湯上りプリン、いぶすき路という指宿定番のお菓子や湯豊もなかなど和洋菓子を楽しめるお店。そら豆を使ったお菓子もあります。私はもなかをおみやげに、よもぎ餅を自分のおやつ用に購入してみました。よもぎ餅は香りがよく甘さが控えめで、私好みの味。
お店のすぐ近くに若宮神社という子宝の神様が祀られている場所もあります。お店から徒歩1分なので、ぜひ立ち寄ってみてください。
指宿周辺のオススメ観光地
最終日ホテルの方のご厚意で、指宿周辺の観光に連れて行ってもらいました。2時間ほどのドライブでしたが、おかげでおてつたびの最後に指宿を満喫することができました。
指宿市に来るときは、ぜひ自家用車かレンタカーの利用をオススメします。ホテル周辺に飲食店は多いのですが、観光地は少し離れているため、車があった方が観光はしやすいと思います。指宿駅でレンタカーを借りることもできるので、免許がある方はぜひ検討してみてください。
1.長崎鼻、龍宮神社(縁結びの神様)
指宿に来たら必ず行って欲しいと言われた長崎鼻。岬の先には灯台もあります。見晴らしがよく、条件が合えば屋久島も見ることができるそうです。行った日は晴れていましたが、残念ながら屋久島は見ることができませんでした。
そして長崎鼻は竜宮伝説の発祥の地として知られています。長崎鼻の手前には縁結びの神様として有名な龍宮神社があります。竜宮城をモチーフにした神社で、絵馬は貝殻でした。おみくじを引いたところ大吉でした。「これから良いことがおこるけど、油断すると災いがおこるから気をつけてね」という内容でした。実は、初詣のときに引いたおみくじにも同じようなことが書かれていたので、しばらくは調子にのりすぎないように気をつけなくちゃと心に刻みました。
長崎鼻に向かう途中にあるおみやげ屋さんには、たくさんの芸能人の方が訪れていました。その理由は、ぜひお店の前にある看板で確認してみてください。
2.西大山駅
日本最南端の無人駅。駅前には黄色ポストが設置されています。駅のホームから開聞岳がきれいに見え、たくさんの観光客が訪れていました。
3.タツノオトシゴハウス
その名の通りタツノオトシゴが展示してあるお店です。世界各国のタツノオトシゴを繁殖しているそうで、大小さまざまなタツノオトシゴを見ることができます。私が行ったときは生後3日のタツノオトシゴの赤ちゃんがいました。
おてつたびを終えて
今回は、1週間という短い期間でのおてつたびでした。初日は緊張しっぱなしで不安だらけでしたが、従業員の皆さんが優しく丁寧に教えてくださったので、徐々に自分のペースをつかむことができました。日にちがたつにつれて徐々に仕事にも慣れ、受付をしながら宿泊客の方とコミュニケーションを取れるほどになりました。
おてつたびの採用が決まったのが約1カ月前。それから砂むしや温泉のこと、ホテルの歴史をはじめ、指宿の観光地など、ありとあらゆることを調べ、自分だけのノートを作り上げて今回のおてつたびに参加しました。実際に宿泊客の方に砂むしや温泉のことについて質問されることもあったので、事前に調べておいて良かったと思うタイミングで何度もありました。またホテル内のことで分からないことは、フロントに電話をすれば丁寧に教えてもらえたので、安心して仕事に取り組むことができました。
おてつたびの最終日は「もう終わりなんだ」となんだか寂しい気持ちになりました。今回のおてつたびで今まで経験してきたことを生かすことができて本当に良かったです。次は、どこのおてつたびに行こうかなと今からワクワクしています。最終目標は、おてつたびで全国制覇を目指そうと思います。