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五年検診

2019-03-25の記録より。

先週、大腸がん手術後五年目の検診に行ってきた。

平日にまる一日お休みをもらい、血液検査と超音波診断と内視鏡による検査を行う。海外だと再発のチェックも日本ほど頻度は高くなく、Colonoscopy(大腸内視鏡)も二年ぶり。

先生は大腸専門医でParagon medicalセンターに小さなオフィスを一室構えていて、そこに朝10時に到着、下剤を飲んで午後の検査に備える。日本で同じ病気の治療を受けていないので何とも言えないのだけど、シンガポールは医療レベルは高いものの、色んなことが緩くて患者としてはとても楽だ。例えばこの検査の前日も、飲食の制限を聞いたら「食物繊維さえ取らなければ何食べてもいいよ、当日は水だけにして」と言うので、前夜もがっつり中華飲み会で肉と麻婆豆腐を食べた。お酒も少し飲んだ。五年前の大腸がん手術の前日にも、焼き肉に行って母に呆れられたのを覚えている。だって万が一間違って死んじゃうかもしれないし。肉食べたいし。先生も、「何でも好きなもの食べなさい、肉もいいんじゃないか、スタミナつけとかないと」と笑ってたのでそうしたまでだ。日本のサイトを見てると、手術や内視鏡の前日は消化にいいものを…と書いてあるので、こっちに比べたら少し制限が多く感じる。単純に日本人以外が我慢弱いだけかもしれないけど。

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クリニックで2L飲まなきゃいけない下剤をなんとかちびちび飲んでいると、血液課のナースが採血にやってきた。パラゴンは便利でいい。一つのビルが総合病院のようになっていて、血液だったら向こうから取りに来てくれるし、超音波は11時半に3階に降りてってね、というように、小さなクリニックなのに色んなことがビル内で完結する。ただ、今回は11時半の超音波検査時に下剤が効いてて、う、今お腹押さないで!ってなるのが辛かったけど。

再発検査のとき、私は超音波が一番嫌いだ。検査技師の手が止まるたび、え?何かやばいもの見つかった?と不安で張り裂けそうになる。転移再発に一番怯えていたので、一年目のときは超音波検査でほんとに一筋涙を流してしまった。今年はもう大丈夫だろうとは思いつつも、やっぱりビビるもんなんだなと改めて思う。

パラゴンにもさすがに内視鏡施設はないので、超音波のあと、道路を挟んで向かい側のマウントエリザベスの内視鏡センターへ向かう。何時にどこへ行ってという指示の書類を検査場所毎にもらっているのでそれに従い、支払いは全てまとめて最後の内視鏡センターで。効率的である。高いけど。

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マウントエリザベスへチェックインを済ませ、4時間の入院手続きを取る。内視鏡自体は15-30分くらいだけれど鎮静剤を使うとフラフラするし、帰れる程度に回復するまで時間がかかるのだ。先生が到着するのは三時、それまでにナースが点滴用の針を通して、あとはもう本でも読んで待つだけだ。ベッドはそのまま施術室に運ばれるので、施術後の昼寝が終わるまで立ち上がる必要もない。

時間になって内視鏡室に運ばれ、そこでナースが鎮静剤を打とうとすると、先生に「要らないよ、痛くないから」と言われる。ナース皆えええ、となっていて(こちらでは内視鏡に限らず無痛の施術が基本)、でもどうやら先生の意図は、五年目だし一緒に腸の中を見てみようということらしい。確かに、手術の時も内視鏡検査の時もいつも寝ていて、私は自分の腸内を見たことがない。鎮静剤無しに同意して、検査が始まる。あ、意外と普通。行き止まりまで行くとお腹がちょっと気持ち悪いけど全然いけた。モニターに映る自分の腸はとてもきれいで、いつも暴飲暴食でいじめているのに、この子は頑張ってるんだなあと妙に親しみが湧いた。一個ポリープは見つかって切除したけど(その作業のスムーズさにも感動)、見たところそんなに悪くはなさそう。私のがんは直腸部分にあったので、最後に手術の繋ぎ目を見せてもらったけど、ここだよって言われてもわからないくらいにきれいで、一度切って繋がれてこんなふうに再生するなんて、身体ってすごいな強いんだな。

作業はあっという間の15分で終わり、先生が、あとはまた二三年後に内視鏡してね、と言って去っていった。今日の医療コストは全部で3,440ドル(28万)もしたけど、これで五年に終止符が打てるのなら安いものだ。

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鎮静剤も打ってないので、あっという間に放免になった。この日最初の食事であるお粥を食べて、病院を後にする。温かいミロが心にしみる。手術明けはご飯が食べれずよくミロを飲んでた事も思い出す。懐かしく思えるのは素晴らしいことだ。

超音波は大丈夫だったらしいので、あとは血液検査と病理検査の結果が良ければなんとか終了。早く結果が出ますように、何ともありませんように!


 


 


 


 

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