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50年目の夏に見た未来

 3度目の夏イベでした✌


2024年 8月18日

THE ALFEE

Wind of Time 50年目の夏祭り

Kアリーナ横浜




⚠️オタク自身の話もめちゃめちゃする




 えっ今から入国審査をして明日ライブに行くんですか……?

 8月17日夜、1時間遅れた飛行機でやっと空港にたどり着いた私はそう思った。個人的な話ではあるが、海外からの帰国翌日にライブへ参加するという気狂いスケジュールだった。誰ですかそんなトンデモ予定を立てたのは。もう2度と格安航空会社は使わねえからな。


 開演前の会場内では『The Boxer』や『Ticket to Ride』、『Immigrant Song』などの洋楽が流れていた。洋楽に造詣が深くない私でも知っているような……というか、THE ALFEEの3人が日ごろよく話題に出す、彼らのルーツとなった洋楽が流れていた。50周年の節目に彼らのルーツである、はじまりにある曲が開演前の曲として選ばれたのだろう。

 座席はLevel7の最前列。(帰国翌日だろうが何だろうが絶対に最後まで立って拳を振り上げてまともにライブに参加してやるからな……!)という気概で会場まで来たものの立ってはいけない席だった。おとなしく座ってます……。

 最上階なので下方の客席がよく見えたが、グッズのベースボールシャツの赤はよく目立つ。手すりが少し邪魔なくらいでそれなりに視界は良好だった。会場はメインステージに対して座席が横長に配置されているような感じだった。2万人という収容人数から武道館のようにステージの横まで座席がある会場を想定していたが、全ての座席をステージの正面にする形になっていた。

 



 花火モチーフであろうドットイメージがメインステージに浮かび、続いて大きな「50」が浮かぶ。センターステージからスモークが出て、視界が不明瞭なままに、青い照明が突然センターステージの上の3人が照らし出す。
 桜井さんはグレー地に白ストライプのスーツ(シャツはピンクっぽいような気がしたけど照明の加減かもしれない)、坂崎さんは柄スーツ(遠目すぎて柄はわからなかった)、高見沢さんは黒いパンタロン(死語)に肩章(?)付きの赤いロング丈衣装でノースリーブだった。
 ドットイメージは「ALFEE」の文字に変化して、3人は花道を歩いてメインステージに向かって行き、楽器を手にした。


1曲目『白夜-byakuya-』

 興奮のあまりにえずきました(様子のおかしいオタク)。過去のライブ映像を観てからぼんやり聴きたいなと思っていた曲の1つだった。実は前回のライブと今回のライブの間に1996年の夏イベの円盤を買ったので。
 前奏で鳴る不思議な雰囲気の音色がKアリーナの広い会場を一気にライブの熱で包んだ。高見沢俊彦のなんというか所謂甘い声とでも言うのでしょうか、曲調に反して静かな印象すらあるような歌い出しの歌声、あまりにも恋では……。
 夏が似合う曲。囁くような歌声と危うげな歌詞、どこか怪しい雰囲気の音。それらが持つ夏の気候に負けない温度と湿度は客席にもその熱をもたらした。こういう湿度の高いタイプのラブソングから始まるとは思っていなかったので普通にフリーズしました。今まで経験した夏イベ、天地創造と風の時代始まりなので……。
 歌い出しで恋させてきた高見沢俊彦もさることながら、パーカッションの坂崎幸之助というかっこよすぎ存在も隣におり更にこの曲調でベースを弾く桜井賢に視線が移らないはずもなく目が足りない(歓喜)。


2曲目『Flower Revolution』

 跳べない立場になってみて初めて高見沢さんがこの曲の冒頭で叫ぶ「Hey Jump!」を認識しました。心の中で跳びつつ大好きな曲にウキウキ。思えばまだ5回目のライブ参加だけど、この曲はもう聴くのが3回目になる。ライブで聴くたびに好きになるし、魅力が沢山ある曲だなと毎回感じる。
 坂崎さんがセンターステージ、高見沢さんが上手側、桜井さんが下手側でのパフォーマンス。高見沢さんはここではやぶさモデルの新幹線アローを使用。インタビューで話されていた新しいギターだ! とテンションが上がりました。
 今回はかなり桜井さんを見ていたので「薔薇の花束を~」の桜井さんをしっかり目に焼き付けることができて嬉しかったです! そんな丁寧に敷き詰めてくれているとは……。


3曲目『シンデレラは眠れない』

 坂崎さんの短い挨拶のちに聞こえてきた前奏、パーカッション担当の坂崎幸之助(早くも再登場)。オリコン1位の男……。
 あの短い挨拶のときの坂崎さんっていつもかなりお調子者チックな声音をしていらっしゃると思うんですけどそこからこの曲をお出しされるとあまりのギャップに恋しちゃうな……。
 春ツアーで聴いたときとはどこか違った印象だったのは大きい会場だったからだろうか。今回聴いていてふと音源とは3声のバランスが違うと思った。声量の差とかリリースから何度もライブで演奏してきての音量バランスとか色々な理由が考えられるけど、ライブの音という感じで楽しい。


4曲目『STARSHIP-光を求めて-』

 前奏から客席がざわつく。静寂に響く歌い出し、高音3声の美しさがざわめきを収めた。以前ライブで聴けたときも客席がざわついたな~と思った覚えがあるので、ざわつく曲なんだなと思います。
 この曲の元音源で特徴的なのは突き抜けるような高音で突然入ってくる高見沢さんパートだと思う。80年代元音源の高見沢さんは高く透き通るような高音が細くも美しかったけど2020年代の高見沢さんは力いっぱいの声でそのパートを歌っている感じがして美しかった。
 桜井さんセンターステージ、坂崎さん上手側、高見沢さん下手側の曲だった。Level7からはセンターステージ上の撮影用機材とそのレールがずっと見えていて、機材が動くの面白いな~と思っていたのですが、確かこの曲でセンターステージの桜井さんを上から映した映像がモニターに映し出されてそのアングルがかっこよくて感動した。下手客席側から上手メインステージ側に伸びている花道に対して斜めのレールだった。上手側の遠くから近づいて下手側に遠ざかっていくカメラアングルがかっこよすぎたので円盤化した際に確認したい。円盤待ってます。


5曲目『ロマンスが舞い降りて来た夜』

 えっここで来るんですか! と驚いた。意外と早い! ハッピーでかわいくてキラキラの新曲! 前回のライブではリリース前どころかタイトルすら初公開のド初見でしたけど今回はちゃんと聴きこんできましたよ!
 レインボーの照明が曲の明るさを更に輝かせていて綺麗だった。メインステージの照明だけでなく花道~センターステージふちのライトもレインボーで綺麗だった。シンデレラは眠れないと同じように明るいピンクと黄色で光るアルフィーはKAWAIIでした。
 事前にインスタグラムやTikTokなどで公開されていたMVのダンスが客席の振りになるのだろうと察していた。サビに差し掛かると、ステージを映していたモニターが明らかに「踊って!」というようにMVに切り替わった。躍った。メリーアン音頭は覚えていないが、これくらいは……と頑張った。
 MVでは本人たちが踊っているけどライブでは演奏があるし踊らないことを想定していたが、ラスサビ前にセンターステージへ移動した高見沢さんがラスサビのみあの振りを踊り始めた。驚いたし嬉しかった。振りが大きくて笑顔でしかもノーミスだったので本当にすごい。かわいい。頑張っている。筋肉。
 直後のMCで桜井さんが笑いながらイジるように無言で振りを真似ていたので桜井さんが躍るのも見られたということになります。ありがとうございます。たすかります。


6曲目『夕なぎ』

 1日目はここで『青春の記憶』だったとMCで触れられて大爆発したんですけど「ライブハウス時代によくやった」という坂崎さんの曲振りからの『夕なぎ』。ハーモニカを用意する坂崎さんで既に客席から歓声が上がっていた。ハーモニカを演奏する坂崎幸之助さんはALFEEのコンサートでは初見だった(別のコンサートでは拝見したことがある)のですが本当に多才な方ですね。愛してるぞ。

 オレンジ基調の照明に白く細い光が上から何本も伸びてセンターステージの3人の周りを回っているのが綺麗だった。2012年AGRに近いアレンジだったのだが、収録音源よりもはるかにドラムが強くて思わず双眼鏡で太郎さんを見ました。

 MCで

坂「夕なぎって見たことある?」

高「ないない!(食い気味)」

というやりとりがありました。ここのMCでは高見沢さんが「叙情派フォーク」を言えなかったり桜井さんに「あいつは金があっても思い切って旅に出たりしないよ」「俺と居酒屋に行く」と言われたりしていた。最終的に坂崎さんが「でも良い曲だと思うよ」と言ったのに対して客席から自然と拍手が起きていて良かったです。良い曲。


7曲目『恋人達のペイヴメント』

 夏に!?!?!?!?!?!?!!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?? 冬か今(認識阻害)。
 84年リリース当時の高見沢俊彦の歌声は目の前の恋人に囁いているようだったけど現在の高見沢俊彦の歌声は拳を突き上げて愛してるのは目の前の君だと世界中に誓っていそうでとても良かった。強く美しく育ちましたね……(?)。
 いつかはライブで聴いてみたいと思っていたもののまさか夏に聴けるとは……。あとから2日間のセットリストを見てみたところ2日間でオリコン1位の曲4曲が全て入っていたようなのでそれを意図したのだろうかと考えている。いやおしゃれクリップで「長い髪 君のシルエット」って流されたからかもしれないな……長い髪君のシルエット……。
 オリジナルよりBALLAD SELECTIONバージョン寄りの溜めるタイプの歌い方だった。好きなやつです。まあ全部好きなんですけど。特に「いつか若さに弄ばれた」の「そ」と「ば」の間を伸ばすか否かに注目していた。文字にするとちょっと気持ち悪いんですけど本当にその部分を溜める歌い方が大好きなので……。
 THE ALFEE王道ラブソングの大きな愛にちょっと気圧されてなんか曲中ぼんやりと(ライブなのでとウキウキで着けて来た)Takamiy Jewelを左手の薬指に着けなければいけないような気がしていました。中指に合わせたサイズで買ったのに。


8曲目『星空のディスタンス』

 キーボードの前奏と高見沢さんのエンジェルギターの光から、星空のディスタンスだとすぐにわかった。3人がセンターステージの前部分に集まって、イヤモニを何やらいじっているのが見えた。
 もしかして、と息をのむ。期待する。でも、本当はずっと期待していた。
 前奏が止まり、彼らが歌い出す。マイクを通さない肉声で歌い出す。
 収容人数2万人のKアリーナ横浜の、Level7にいた私に、その声は確かに届いた。あまりにも広い空間の静寂に、ただ彼らの声のみが、はっきりと響いた。
 だ~~~~~~~~~かっこよすぎるって。周りの席で誰かが「えっ」と声を漏らしたのが聞こえました。THE ALFEEが常に最高最強であることの象徴のようなパフォーマンス。ありがとうTHE ALFEE。愛してるぞ。
 冒頭アカペラで大興奮でいつも通りいつも以上にハイパーかっこいいアルフィーではあったものの、もう1点どうしてもめちゃめちゃ気になることがあった。
 高見沢さんのエンジェルギターが知らないエンジェルでした。
 まだ5回しか参加していないものの、おそらくこの数年、というか10年ほどはきっと『星空のディスタンス』ではUltimate Archangelが使われるのが殆どお決まりになっていると推測している。でも今回はアークエンジェルではなかった。あの光り方と白いボディの存在感から一瞬アークエンジェルかと思ったが違った。
 今回使用されていたエンジェルはライトの色が違い、ヘッド部分の羽がアークエンジェルとは逆側に伸びており、高見沢さん側上部の羽の広がりが大きく、下部の羽はやや散らばるような広がり方をしていた。弾きづらそう(いつもの)。
 7月14日放送のラジオ『THE ALFEE 終わらない夢』で高見沢さんが(もっと弾きにくい)新しいエンジェルギターを作っていると言っていたので、あれが新しいエンジェルだったのかもしれない。新しいエンジェルだとしたらMCで言及があるかと思ったが特に無かった。
 後々各所で言及がありましたがNew Angelで正解だったそうです。やったね。


9曲目『KOꓸDAꓸMAꓸ』

 学生時代に出会ったバンドが50年経つとこうなる新曲らしい。浪漫派アルフィーの旅はKOꓸDAꓸMAꓸに乗って時刻表のない旅になりましたね。メインステージでのパフォーマンス。青と白の光が左右に走るドットイメージがかっこよかった。2本目の新幹線ギターこだまモデルも登場。
 KOꓸDAꓸMAꓸのフルを聴く際は「今がチャンス!」で常に大興奮しているので遂に生で聴けた今回は鳥肌が立つくらいヤバでした。俺は桜井さんのことが好きなので……。桜井さんの声だけが大音量で会場に響き渡る瞬間の衝撃、その声の力強さはとてつもなかった。現在のアルフィーらしさ満載の最強にかっこいい新曲をこんな大きな会場で聴けて感無量でした。


10曲目『幻夜祭』

 坂崎さんだけが青白い照明に照らされてどこか不穏な響きのフレーズを弾いた。ドラムの音と共に白い光が消え、また白い光が点くと同じようにアコースティックギターが弾かれた。そのフレーズは聞き間違えられるはずもない、『幻夜祭』のイントロだ。
 ちょっと目の前の幻がガチで受け入れられませんでした。本当に? 幻夜祭? 私はTHE ALFEEの学生運動を仄めかす歌詞の楽曲が本当に大好きなのでマジのマジで嬉しいです。この時代にこの曲を聴けるなんて思いもしなかった。
 歌と歌以外の音がほとんど同じだったのだろうか、ともすれば音割れかと思うほどの音に呼吸を忘れた。照明は赤く何度も点滅してふいに過去のライブDVDに収録されていたこの曲に学生運動の映像が重なった映像を思い出す。割れるような音と照明の点滅に、不思議と目の前の光景がスローモーションのように思えた。
 このあたり結構ガチで酸欠でだいぶ頭がぼんやりしていた記憶はある。最後に赤暗転みたいな照明になった瞬間は初めてアルフィーが魔王に見えました。


11曲目『ジェネレーション・ダイナマイト』

 すぐにわかった。これが学生運動つながりの2曲だと。1969の幻を見た。
 正直迫力に圧倒されすぎてほぼ記憶がないです。頭が混乱しながら拳を振り上げていた。本当にアルフィーの学生運動関係の曲が好きではあるものの、物語性を感じさせるように、連続でそれらを演奏するというのをまさか目の前で見られるとは思っていなかった。過去にやっていたのは知っていても、まさか2024年にそれを体験できるとは思わなくて嬉しかった。
 本当に緊張と興奮と酸欠でぼんやりしすぎていたからか終演後のメモに「幻夜祭→鋼鉄の巨人」って書いてあったけど鋼鉄の巨人だったら1969じゃないんだよな。記憶がない。


12曲目『Heart of Justice』

 うろおぼえですが曲前に鐘の音が鳴っていたのってこの曲でしたっけ?
 前奏が始まってすぐには何の曲かわからなかったが、白い照明に照らされて高見沢さんがゆっくり歌い出すと(この曲このテンション!?)と思いつつもすぐにわかった。「Heart of Justice」って歌うときの高見沢俊彦、喉が強靭~(n回目)という感じでした。すごいぜ。
 前2曲で学生運動のことを考えていたので「STOP ! STOP ! REVOLUTION」という歌詞に(急に革命を否定するやん……)になった。どうやらこの3曲は2日間固定曲だったらしく、明確にこの並びでのメッセージがあるように思える。後半には歌詞変


「悪魔に魂 売り付ける君に
愛や夢を語る資格などないのさ」

「悪魔に魂 売り付ける奴に
僕らの未来を語る資格などないのさ」


があった。

 なるほど……になった。諸々考えつつ圧倒された。
 未来を歌い続けるバンドは強く、どこまでも力強く未来を語ってくれる。


13曲目『Musician』

 MusicianというよりMusician2024とでも言うべきでしょうか。本編ラスト曲。流石にマジで~~~~~~~~~~~~~~~~~~!?!?!?!?!?!?!?!?!!?!?!?!?!?!?すぎる。
 前奏の優しいアコースティックギターの音色とともに、窓からの光を思わせるような四角い照明に坂崎さんだけが照らされた。ふと以前聞いたエピソードを思い出す。初めての武道館コンサートで、坂崎さんが1人でこの曲を歌ったというエピソードだ。いつだったかこのエピソードを話した坂崎さんは「2人が逃げて……」と苦笑していた。真っ暗なステージで1人だけ照らされた坂崎さんは、静かにギターを弾いていた。でも、彼は1人ではなくて、隣には確かに2人がいた。
 泣くが………………………………………………………………………………………………(泣かない)。この曲はTHE ALFEEにとって重要な、大事な曲なのだと思う。Musicianの名を冠する、歌詞が身の丈に合わなかった時代から、歌詞を歌い替えつつ歌い続けてきた曲。会場で聴けてしまった。歌詞変もあり、50周年の夏イベに特別な意味を持つ選曲だったのだと思う。意識を失っていたので全部は覚えていないのですが「命の火が尽きる日まで君だけに歌い続けよう」と歌われていたのを覚えています。俺か。

 いつもにこやかに会場中へ視線を配っている坂崎さんが、じっと正面を見つめて真剣な表情で歌っているのが見えた。
 50周年を迎えた近年のTHE ALFEEはおそらく、いつか来る終わりを意識せざるを得ないタイミングも増えたのだろう。それでも、歳を重ねて、いつかその命の火が尽きることを確かに知りながらも、彼らは私たちの前で歌い続けてくれている。
 2024年、50周年の夏に、THE ALFEEのMusicianとしての矜持と未来への覚悟を見た。




コント1曲目『まつり』

 春ツアーに引き続きまたさきトリオの登場、坂……さきっちょくんの『まつり』。サカザキ=キタジマ=サキッチョ=コウノスケさん……。また聴けて嬉しいけどMusicianの後は本当に情緒が忙しいかもな。でもなんか本人たちがやけに楽しそうなので全然オタクの情緒は気にしないでもらって大丈夫です。50年目の夏祭りに法被がぴったりでしたね。


コント2曲目『メリーアン音頭』

 ドットイメージで提灯が描かれていてかわいかった。春は初日(4月3日)のみ参加だったため初見でした(5月25日公演にてメリーアン音頭が追加された)。春にはまたさきトリオの3人が踊っていたようですが今回は3人とも楽器を持っており踊るのを放棄していたようですね。でもセンターステージで踊ってるダンサーさんを見られたので嬉しかったです。冬のサンタダンサーズに囚われているオタクなので。


コント3曲目『危険なリンゴ』

 コントで3曲もやるな(もっとやれ)。実は去年も聴けた曲だったりするのですが、また聴けて良かったです。当時19歳だった桜井さんは今や69歳。ものすごいですね。欲目は自覚しているのですが19歳の頃の若い歌声もさることながら69歳の深みを得た歌声の危険なリンゴもかわいくて大変たすかりました。

 コントの間センターステージに提灯が配置されていたのがコント後大急ぎで回収されていた。提灯に足が生えて動いてるみたいで面白かったです。


 2着目の衣装坂崎さんだけ詳細メモが無いの悔しすぎる。カラフルなシャツって書いてるけどいつもそうなので何の情報にもなっていない。桜井さんは黒シャツにグレーのパンツというシンプルさが美しいスタイルでした。愛している。


14曲目『LONG WAY TO FREEDOM』

 天使を見たことがあります。この日です。
 コント終わりに演奏に戻るよ~と3人がはけて行ったあと、舞台中央上部から、突然、というくらいの勢いで高見沢俊彦が飛び出してきた。ドットイメージの鳥を背にして、彼は飛翔していた。
 去年の冬9年ぶりにしたという、宙乗り。所謂フライング。高見沢さんは金色の衣装に白いマントで、高く飛んだ。白い羽のようなマント、その中は金色の衣装だった。金色の衣装にも腰辺りに羽根のような飾りがあるように見えた。ふわりとセンターステージに舞い降りて来た高見沢さんは神々しく光り輝いていた。物理的にも。
 ヤバかったな……。天使、いるんだ……。降りたあとはスタンドマイクでのパフォーマンスだったんですけどスタンドマイクで大暴れの高見沢さんを見ていたらカメラマンさんのカメラとバチバチに目が合ってなんか気まずかったです。
 ラスサビで高見沢さんがマイクスタンドを突然打ち捨ててハンドマイクで花道に向かっていったの、ロックスターでしたね……。打ち捨てられたマイクスタンドはスタッフさんたちが素早く回収していた。高見沢俊彦、飛翔し舞い降り大暴れ。
 この曲は伝統的に高見沢さんが様々なパフォーマンスをするらしいということは伝聞で知っていた。でも実際会場で聴くと、桜井さんと坂崎さんの下ハモコーラスがものすごく重厚で無視できない存在感を放っていて感動した。ALFEEに対しては個人的に高音コーラスのイメージが強いが、安定感のある低音コーラスも耳に心地よく、視覚も聴覚もTHE ALFEEのパフォーマンスに魅了されてすごすぎる曲でした。
 ド・個人的な話ですが去年の冬は日本にいなかったので、冬のコンサートにはチケット戦争以前の問題で参加できなかった。納得はしてたけど、高見沢さんが9年ぶりにフライングをしたというネット記事をコンサート後に見て少しだけ悔しかった。正直もうやらないかもしれないと思っていたことを9年ぶりにやったのだから、もう当分やらないかもしれないと。
 やるんだ。個人的な事情すぎるけど見られないかもしれないと思っていたフライングを会場で見られて本当に嬉しかった。本当にありがとう。2024年にも飛翔してくれてありがとう。

 

15曲目『SWEAT&TEARS』

 ゴジラギター使用曲でした。高見沢さんお決まりの曲振り「今年30回目の~みんな大好き~」のあとにうろ覚えなんですけど「イチオシ曲で1位になった」って言ってませんでしたか? AERA dotさんのアンケートを認識している? 
 説明不要じゃないですかこの曲はもう。ライブで聴くたび聴けて嬉しいし毎回新鮮に嬉しい。同じ時代に生まれられて良かったな。
 そしてここに来て高見沢さんは左右にぴょんぴょん跳ねており大変に元気。アルフィーのライブ、たまに(高見沢俊彦、今日も元気だな……)になる時間がある。


16曲目『明日なき暴走の果てに』

 1度退場してのこの曲。何度あってもこの曲が突然始まるとびっくりして心臓が止まる。春ツアーでも聴いたのに。春ツアーは初日だったからかどこか不安げな様子だったが、夏イベ2日目はかなり完成された美しさだった。「さらば友よと〜」のハモり綺麗すぎた。
 でも何かどこかで違和感があったな、と感じていたのだが終演後Twitterを見ていたらどうやら坂崎さんがトゥルルルットゥ入りをミスったそうです。後々ラジオで本人からも言及があった。そんなミスなら明確に覚えていそうなのだが、私はちょっと違和感があったな程度しか覚えていなかった。悔しい。
 この曲は桜井さんが楽器を持っていないので私は桜井さんの腕の動向をガン見していました。楽器が無いので手持ち無沙汰なのか、腕組み→手を体の前で組み→手を横に垂らす(肘は少し曲げている)というようにしており、腰に手を当てる以外の挙動も見られてとても嬉しかったです。


17曲目『いつも君がいた』

 曲振りが激エモ(最悪の語彙)で高見沢さんが「僕らはずっと一緒、みんなもこれからもずっと一緒にいましょう」(うろ覚え)というようなことを仰って「50周年の素敵な夏の思い出に……」とこの曲が始まった。
 いつだったか、高見沢さんが『いつも君がいた』と聞くと2人のことが思い浮かぶと話していた。桜井さんが戯けて「まだ君がいた」と笑っていた。この曲の歌詞は過去の恋を懐かしむような歌詞だ。それでも時折、THE ALFEEの3人の物語に重なることがある。この時はまさにそうだった。青春のすべてにいつも互いがいる彼らが、今も私たちと共にいてくれている。
 そっと、おずおずと触れるような前奏だと思う。優しい音だと思う。桜井さんの穏やかでありながらも華やかな、美しい声をこの曲で聴けて嬉しかった。貴方は唯一無二天上天下唯我独尊最高最強美声の持ち主だ愛してるぞ桜井賢……。

 

18曲目『夜明けのLANDING BAHN』

 坂崎さんがまたハーモニカを吹いて、続いて高見沢さんが1人で歌いだした。歌い始めから信じられなすぎて動揺しまくりました。もう終盤だというのに高見沢さんの喉は力強く冒頭LANDING BAHNを叫んでいてすごい。確か「東の空が~」あたりから水色の照明が輝いていて夜明けどころかめっちゃ朝。明るい色がとても爽やかで綺麗だった。
 夏イベでこの曲を聴ける、これがどういう意味か、どんなに特別なことか。月並みな表現だけど、夢のような不思議な感覚だった。
 終わりが近づいていることへの少しの寂しさを感じつつ、双眼鏡越しに目の前の演奏に集中していると、ふと何かが舞い降りて来たことに気付いた。羽根がゆっくりと降って来ていた。羽根の形の落下物が、アリーナの空気を受けて、ゆっくりと、舞い落ちていた。Level7からでも頭上から、そしてLevel7からだからこそ会場中に舞う羽根がよく見えた。
 光の中で雪のように舞う羽根と、その中で夜明けのLANDING BAHNを歌うTHE ALFEEは輝いていた。まさに夢のようで、眩しいほどに輝いていた。


19曲目『ROCKDOM-風に吹かれて-』

 トリプルアンコールで3人が登場し、舞台上で集まって顔を見合わせ、曲が始まった。私にとってとてつもなく思い入れのある曲だし、他のファンにもそうだという人は多いだろうし、きっと彼らにとってもそうだ。幾度となく夏イベのラストを飾ってきた曲だろう。
 オレンジ色の照明が夕暮れを思わせた。この曲のイメージにぴったりだと思った。そういえば、開演前に流れていた洋楽の中には『Blowin' In The Wind』もあった。最近のラジオでは『Summertime Blues』が流れた。伏線回収だ。
 2年前の夏イベ2日目、私にとっての初参加ライブを思い出した。あのときも直前のラジオで『Summertime Blues』が流れて、最後の曲はこの『ROCKDOM-風に吹かれて-』だった。あのときはまだ声出しができなかった。
 高見沢さんの合図で客席が歌い出した。「俺達の時代を忘れないで」のフレーズだ。正直こういった声出しは苦手だったのだが、自然に、声を出さなければ、と思った。だってあのときはできなかった。自分はそれでも良いと思っていたけど、彼らがコロナ禍の影響が無いコンサートを望んでいたのは知っていた。去年から声出しは可能になっていたけど、初めて聴いたときから惹かれたこの曲に、彼らが望むように声を出せなかった。だから、あまり良い言い方ではないけど、雪辱を果たせたような気分だった。
 俺達の時代を忘れないで、風に吹かれていたあの頃を。そう大きな声は出せなかったはずなのに、自分の声はよく聞こえた。喉が締まった。声が震えた。それでも、少しでも、彼らに聞こえる声の中の1つになるために、彼らに聞こえる声であるために、その言葉を繰り返した。

 きっと忘れないのだろう。震えた自分の声が混ざった、会場中から聞こえた声のことを、それに耳を澄ます彼らの姿を、そしてこの夏を。私は彼らを愛しているこの日を忘れないのだろう。




 2年前のことを思い出した。人生で初めてライブに参加したいと思ったときのことだ。

 私の初参加ライブは2年前の夏だった。あのとき、彼らに初めて出会ったあの日も同じように、『星空のディスタンス』の冒頭はアカペラで歌われた。

 あれから3度ライブに参加した。最初の生歌星空のディスタンスが収容人数1万人超の会場での冒頭アカペラバージョンだったのだ。本当は毎回、無意識にうっすらと期待していた。そう強くはない期待だったが、あのときの、たった3人の声がぴあアリーナMMに響いた瞬間はそう簡単に忘れられるようなものではなかった。

 最初にすげえもん食わされて贅沢猫に育ったって話なんですけど全ライブその時常に最新のTHE ALFEEが最強であることは前提としても収容人数5桁の会場でたった3人でアカペラ歌唱なんてかっこよすぎるものそりゃ忘れられないんですよ。去年のDVDパンフに入ってたの嬉しすぎました。

 やけに2年前の、自分が初めて参加したライブのことを彷彿とさせることが多かったように感じる。『星空のディスタンス』アカペラもそうだし、あのときも『ROCKDOM-風に吹かれて-』が最後の曲だった。あのときよりもずっと知っている曲は増えたし、今回はライブで初めて知る曲は無かった(秩父音頭ラップver.は除く)。あのときよりもずっとライブ参加において戸惑わなくなった。あのときよりもずっと彼らのことをよく知っている。

 そして、あのときよりもずっと強く深くTHE ALFEEを愛している。

 『いつも君がいた』の曲振りで言われたように、本当に、この先もずっと一緒にいたいと思った。アルフィーを好きで良かった。この2年間、ずっと、信じられないくらい幸せです。


 50年という年数を重ねてきた彼らだからこそ、この先という未来も信じられる。この先、いつか今年の夏を思い出すことがあるという予感がある。

 それはきっとこの日と同じように、THE ALFEEに出逢えて良かったと、彼らを愛していて良かったと思う日なのだろう。

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