『窮鼠はチーズの夢を見る』の映画化きっかけで原作がステルス修正された件について【改題】
【旧ブログより】
2020年1月31日 (金)
映画化を機に、原作が修正されたという件について思うこと。
今回の映画化のタイミングで修正バージョンが発売されるそうだ。
ここまでなら、「そうだよねぇ、いいんじゃないの」と思う。
私はどちらかというと、男女ものだろうがBLだろうがレイティング・ゾーニング賛成派(個別にきちんと内容を吟味の上でなら)なので、子供が手に取ることができる状態で販売されるものについて、手を入れて(カットして)販売するのは、作者が納得しているのであれば悪いことではないと思っている。
だがしかし、今回の修正に関してはあまり納得がいかない。
何故か?
それは、今後重版(という表現で良いの?)されるであろう原作本を修正して、修正前のオリジナル版を葬ろうとしていたことだ。いや、葬ろうとしていたかどうかは私のような末端読者にはわからないが、原作を修正して、オリジナル版を流通させなくしてしまうのだから、そう言われても仕方ないのではと思う。
修正済み版を全年齢版、オリジナルをR18で両方出せばいいだけなのでは?
なぜそれが出来ないのだろう?コストの問題?レーベルの問題?
今回に限っては、大手版元だからそれがすぐに会社の存亡に関わるものでもないとは思う。今回はBLレーベルではなくレディコミというカテゴリーではあるものの、もしかするとBL専門とか、レディコミ・TL専門みたいな小さい版元はゾーニングされたら一気に倒産ラッシュになってしまうのだろうか。私には、自社が先陣を切って前例を作りたくないとか、センシティブなところをできれば触れずにやり過ごしたかったという版元の姑息さが透けて見えてならない。
BLのゾーニング問題については、私などが語るまでもなく、先人たちが大いに議論されているので、遠くない未来にちょうど良い落とし所が見つかるのではと期待している。そして、今は過渡期なので仕方ないという気持ちも少しある。
話を今回の件に戻すと、私が納得いかないない点がもうひとつ。
今回のステルス(未遂)修正についての報告を、作家本人が発信したこと。(作家にこんなかたちで発表をさせてしまったこと)
この発表について、版元よりあえて先に作家自ら発信している意味を勝手に深読みしてしまうと、なんだかなぁ・・・
作家が言わなければ、読者に黙ってしれっとステルス修正して、さもオリジナルの原作本です~として何も知らないアイドルファンたちに売りつけようとしていたのだとすると、原作ファンに喧嘩売ってんのか?ってなる。
そこらへんどういう了見でステルス修正しようとしたんでしょう?単純に知りたいわ。
いま、SNSとかで騒いでいる人の多くも、別にエロが削られたことに納得できないわけじゃなく、やり方に問題があるのでは?と思っているだけだと思う。
まあ、色々込み入った事情があるのは想像できるけれど、今回のやり方は非常に不愉快。
最後に、新作(今ヶ瀬の少年時代編)の感想は
「今ヶ瀬の不安定はデフォルトだからかわいいな。」
※2/2追記 「改題しました」
作者ブログによると、映画化のために(映画のせいで)で修正したわけではないとのことです。
しかし、映画きっかけで版元が動いたことに変わりないですが…
映画関係者が悪いわけではないのはわかっていますし、映画や出演者やそのファンの皆様には何の恨みもありません。
今回悪いのは100%版元だと思っています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?