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自分の人生をデザインする生き方~銀座で働いていた私が農ある生活を選んだワケ~


―綺麗な写真でいっぱいの秋庭農園さんのHPに惹かれて、今日はうかがいました。本当にお写真、素敵ですよね。


秋庭ヒロコさん(以下ヒロコさん):農業をやっていると美しい瞬間の宝庫なんです。心が動かされる場面がいっぱい。

そんな瞬間を私のフィルターで切り取って、キュレーションしていきたいな、と思って発信しています。

―どこでこのおしゃれな写真の撮り方を学ばれたんですか?

ヒロコさん:勉強は特にしてないんですが、前職で会社のブログの更新を担当していて、その時に学びました。

例えばこの写真(左)も、このままでも十分綺麗ですが、空いたスペースにこうやってミントを散らすとおしゃれな感じになる(写真右)。あとは、丸いものを撮るには真上から撮るとバランスが取れるな、とか。
一人で試行錯誤しながら、学んでいきましたね。

農家になったきっかけは嫉妬!?

―どうして農家になろうと思われたんですか?

ヒロコさん:就職した建築会社で事務をやっていた時、隣の席でデザイナーさんが、自分がデザインしたものを通して、お客さんに感動を与えているのを見て、私はデザイナーさんに凄く嫉妬したんです。

リフォームの完成祝いのパーティーがあったんですが、自分の作ったものでお客さんに喜んでもらえているデザイナーさんが本当に羨ましくて、お客さんもデザイナーさんも楽しそうに喜んでいる空間で、私だけうまく喜べなかった。

それで、私も自分で新しい価値を作って、それを通してお客さんに感動を与えることをしたいんだということに気付きました。

―農家になる前からハーブティーブレンダーとしてお仕事をされていたとうかがいましたが、ハーブとの出会いはいつだったんですか?

ヒロコさん:自分には何が出来るのか悩んでいるときに、「自然」「ハーブ」や「食」といったキーワードが頭の中をぐるぐる回っていることに気が付いたんです。

それで、27歳のときレストランのウエイトレスになろう!と思い切って自給850円のレストランの世界に飛び込みました(笑)。

安定はなくなりましたが、それからは出会う人が変わって自分の周りの世界がどんどん変わっていきました。「ハーブ」を仕事にしたかったので、その時のレストランのオーナーに話したら、お店のハーブティーの商品開発を頼まれて、そこから縁が広がってハーブに関する仕事を頼まれるようになっていきました。

家族の未来と仕事の未来がここにある

ヒロコさん:そんな中、後に夫となる覚さんと出会い、価値観がピタッと合って、家族になって農業をしながら、子ども達が畑で走り回るイメージの写真が走馬灯のように頭の中を走ったんです(笑)。

夫の実家は農家でした。ある時たまたまそのお庭でとれたての旬の果実や野菜をとって食べるという経験をして、衝撃が走りました。

おばあちゃんたちが畑から野菜をとってご飯にして、喉がかわいたら、その時ある果物ブドウやいちご、みかんやきんかんを食べる。

自然そのものの恵みこそが本物なんだ!

なんて心が豊かな生活なんだろうと感動しました。

とれたてのフレッシュな香りはたまりませんでした。私が欲しくて、そして人にも伝えたい幸せの形がここにあるな、と確信しました。

とはいえ、なかなか動きだせずにいましたが、夫との間に子どもが出来たんです。やっぱり子育てするなら田舎に戻りたいなっていう気持ちが強くなっていきました。

目指すは、女性と子どもが来たくなる農園

あと、東日本大震災も大きなきっかけの一つでした。意志を持って、自分の人生を歩もうという意識が強くなりましたね。

安定だけを求めて働いていても、目指す安定に届かない人も増えてきて、それなのに家族との時間を犠牲にしてまで自分の意志のない仕事を頑張っている先輩を見て、なんのために働くんだろうって考えていたんですよ。

いつ死ぬか分からないし、本当に自分のやりたいことをやろうって強く思うようになりました。

―安定って、未来があるってことが前提ですもんね。確かにその前提がみんなの中で揺らいだなって実感は私もあります。

ヒロコさん:そう。そうなんですよ。私は仕事も家族との時間も充実させたかったので、両方実現させるためには田舎のほうがいいんじゃないかなって思ってこっちに戻ってきて、農業を始めました。

―子育ても、農業も同時に始めるなんて、すごいですね。

ヒロコさん:ほんとですよね(笑)。でも都会での生活よりこっちの生活のほうが、心が安定してるという実感はありますね。

土日は子どもと過ごすって決めてるんですが、もし無理だったら子どもたちを畑に連れてくるってことも出来るし、意外と農業ってその人のライフスタイルによって柔軟に働き方を変えられる仕事でもあるんですよ。

だから農業って、合う人には合う職業だと思っているんです。でも、「農家の嫁はおしゃれが出来ない」とか、「大変」みたいな余計なイメージがあるせいで、農業の魅力がうまく伝わってないような気がするんですよね。

―なるほど。

ヒロコさん:だからこそ子どもや、女性など農にあまり興味のない人が来やすい農園を目指しています。

特に私が子育て中ということもあって子どもの受け入れは積極的にやっています。先日、米の収穫体験をしに都会の中学生の団体が来たんですが、生まれて初めて畑にくる子がほとんどだったのに、みんなここの風景を見て「懐かしい」っていうんですよ。

―農業をやったことのない子どもたちが、そう言うんですか?

ヒロコさん:そうなんですよ。やっぱり日本人って農耕民族だから土を触る歓びがDNAに組み込まれているんですかね。私たちの作るハーブは「深呼吸するハーブ」と名付けているんですが、土を触ると心が休まるというか、細胞が歓ぶ感覚はみんな持っているものなんだなと感じましたね。

―なるほどなぁ。

ヒロコさん:やっぱり自然と生活をしていると、私たちは自然に生かされている存在なんだって強く思うんです。都会で、機械に向き合って生活していると人間が一番強いって錯覚しちゃうけど、私たちも自然の一部なんだって知る感覚を子どもの時に持っていたら、もっと楽に生きれるんじゃないかなと思いますね。

―これからの秋庭農園がどうなっていくのかとても楽しみですね。

ヒロコさん:ありがとうございます。構想はたくさんありますね。

まず春から、農園のリノベーションプロジェクトを始めます。やっぱり農園って古くて荒れているものが多いんです。古いものの価値を活かしながら、それにアイディアを加えて新しい価値を生み出して、もっと多くの方が来やすい農園を目指していこうと思っています。古いものもアイディア次第で、お洒落に楽しく出来るんだよーというメッセージを込めて、外にも発信していく予定です。

―わくわくしますね。今日はありがとうございました。

こちらこそ、楽しかったです。ありがとうございました。

※編集部から 秋庭ヒロコさんのご主人、秋庭覚さんの記事も公開中です。こちらも合わせてご覧ください。

【レシピ】ハーブティーブレンダ―が感動した、カモミールティージュレの作り方


これ最高に美味しすぎるので、ハーブティーのお取引先各位に共有したいくらいです♪

【ハーブティージュレ作り方】

ミント3種類にお湯を注いで、香りを出して、そこにカモミンと砂糖を入れて、こした後、水分量の1%のゼラチンを入れる。

AKIBA noen ブレンドハーブティーで作るとさらに美味しいです♫
★ハーブティー販売しています→http://takecocoa.thebase.in

※この記事は2017年に作成されました。

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