断捨離をしてたら、うっかり家を断捨離してしまった話
みんなは、誤った行動というものをとったことがあるだろうか。
あれはだめだった。さすがにあの言葉はよくなかった。穴があるなら頭の先まで入りたい。などとおもった経験のこと。
巷で流行っている自己啓発本や漫画の主人公たちは、
「選んだことを後悔するな。その選択を正解にする努力をしろ」
などというが、今回ばかしは正解にする努力はない。この先細りする道をどこまで歩いていけるかのただの耐久レースになると自分でもわかっていた。
∇∇∇
大学のある時期、プロジェクターを持つ友達の家で何人かの仲間と映画を観ることにハマっていた時期があった。そのとき観るのはメジャーな作品とかではなく、マイナーな作品を好んでみていた。
ある夜、いつもと同じメンバーで、部屋のいつもと同じ位置に座って、今日は何観ようか、などと談笑しながら見る作品を決めていた。
みんなで選んだのはこの作品
「365日のシンプルライフ」という作品。
簡単なあらすじを言うと、
物欲がすごすぎる男性が、物欲によって好きな人や家族からも距離を置かれ、改心するために、【家の荷物をすべて倉庫に一旦ぶち込んで1日1個だけそこから必要なものを取ってきていい】という自分ルールを作って1年間生活をする
という映画だった。
内容自体も割と面白く、楽しく観ることのできる作品でした。
観終わったあと、いつものようにくだらない話をして、それじゃー帰るわー。とみんな好き好きに解散。
僕もみんなと同じように家に向かってチャリを漕ぐ。
主人公は、あんなに物欲にまみれてたのに、60日目くらいで、何を持ってきたらいいかわからない。これ以上僕の生活の幸福度はあまり上がらないよ。とこれまでの彼からは想像のつかない悩みを展開してたな。断捨離ってよく聞くし、なんか禅の思想から来てるっぽいし、禅ってなんかかっこいいからいっちょ断捨離やってみっか。(チャリ上での僕の気持ちから引用)
そんなことから、僕の断捨離生活が始まった。
これもう結果から話すが、とても最高に楽しかった。
楽しかったというより、どんどん片付いていく自分の部屋とものがスーッと減っていく、なにか自分の中からもスーッとはれものが落ちるような気分でデトックスだ!とか言いながらバンバンものを捨てていた。
そう。ここまではよかったのである。
ここまでは。
ここからは、なぜそうしたのかわからない。
3月のライオン7巻で、桐山零が宗谷名人と対局するシーンがあるのですが、その中で、桐山零が
一手を打った瞬間に、悪手(ここではそれがそのまま敗着)だと気づいたシーンがあった。
そう。僕も不動産屋さんに鍵をかえすとき、鍵から手が離れる瞬間に
ピリッ
とした。(気がする)
そうなのである。断捨離が捗り、デトックスがぐんぐん進み、無駄なものが落ちきりものすごくスッキリとした僕の頭はこう考えた。
捨てても捨ててもいらないものが出てくるな…なぜだ…
は!もしかして、家というものがあるから、物を置く場所があるから、こんなにモノを抱えた生活になってしまうのでは!?家を捨てれば、ほんとに必要なものだけが残り、真のダンシャリストとして君臨できるのでは!?!?!(当時の気持ちから引用)
生粋のアホである。
なにがダンシャリストだ。「目的と手段」という教科書があったら、誤った例として燦然と輝くだろう。
けど、当時の僕はほんとに名案だとおもい、喜々として家を手放す準備を進め、必要な物をまとめあげ、いまかいまかとベットの上で家を捨てたあとのことを妄想し始めた。
けれど、考えれば考える程、家を捨てたあと、自分が幸せになっている姿が想像できなかった。(当たり前)
あれ?おれまだ学校もあるし、研究室もあるし、バイトも、インターンもあるじゃん。家がないと、どこで寝泊まりして、どこで身なりを整えたりすんの?あれ?家っているくね??
と頭の中では【アホ男】という文字がデカデカと書かれた旗をジャンヌ・ダルクのように空に掲げた僕の分身が走り回っている。
いやいやまて、断捨離界での最終奥義「マイホームイズグッバイ」を決めて、メモリに余裕のあるこの脳内コンピューターで考えられないことはない!と思い、何度試算しても、結果は同じだった。旗を掲げた自分の分身が頭の中を駆け巡る。
とは言っても、いまさら「やっぱなしで★ごめちょごめちょ★」とかいえないし、人気物件だから、僕が退去するって言ってから、すぐに次に入居する人が決まったらしいので、そもそもでないとかいう選択肢はできない。
そんなこんなで、鍵を返す日がやってきた。
3年間お世話になった不動産屋さんに行き、必要書類を作成し、世間話をして、不動産屋をあとにした。
普通こういうとき、新たな門出というか、心機一転というか、たいてい相場は清々しい気持ちで、かつ、出たあとの空は気持ちいいくらいに晴れ渡っているもんだが、現実は、大きな不安と、薄い灰色をした曇天模様だった。
バイトがあったから、そのままの足でバイト先へと向かう。キーコーキーコーとチャリを漕いでいくうちに、気持ちが少しづつ晴れ、
もしかしたら、めっちゃ楽しいかもしれない。ホームレスなんて普通経験することはないし、面白い出会いがあるかもしれない。もしかしたら美女に拾われるかもしれない。家賃払うことがないならお金も貯まるかもしれない。
次々うかぶ”かもしれない”を背負って、バイト先のメキシカンバーに向かった。バイト中にお客さんとかと、「俺ホームレスになっちゃったんすよ!へへへ!」とかいって、面白がってもらったりして、これはいいネタになったかもしれないなどと思ってた。
夜の2時を回り、バイトが終わる。
おつかれしたーって言って、いつものように扉を開けて、外に出る。
自転車の鍵を開けて、自転車にまたがる。
あれ、今日はどこで寝るんだっけ?外??いや、いきなり外は厳しくない??けどホームレスになるってそういうことなのか。地下とかで寝てたら良くないしなぁ。あれ?これから毎日どこで寝るかを考えるのってめちゃくちゃストレスなのでは??余計な思考が増えてない??え??
とはいっても、必ずどこかで寝ないといけないわけで、記念すべきホームレス初日はやっぱりここでしょ!と売れないPOPEYEってどんなもの?っていう大喜利の答えみたいな考えが浮かび、バイト先の近くの公園で寝ることにした。
季節は5月終わりくらいで、気候的にも外で寝るのに適してんなぁって思いながら近くのセブンで買ったストロングゼロとスッパイマン(梅干しが3つはいってる駄菓子)を食べながら木の下で唯一残したカバンを枕に眠りについた。
ホームレス初日の朝はものっすごいカンカン晴れだった。取調室であの卓上ライトをオラ!って無理やり向けられたときってこんな感じの眩しさなんだろうなって思いながら起床。どんな状況でも受け入れたら人間以外と寝れるもんだぁって朝露でびしょびしょになったズボンのお尻を拭きながら考えていた。
そこからは研究室にいき教授に大事な話をした。
「先生。僕ホームレスになってしまったので、郵便物はすべて研究室宛にしてもいいですか…」
鳩が豆鉄砲を食らった顔などとよく言うが、鳩って表情変わるか?豆鉄砲くらっても驚いたか驚いてないかわからなくない?と思うが、このときの先生の表情はまさしく鳩が豆鉄砲くらった顔をしていた。もうほぼ鳩だった。
懸念していた郵便物の受取先も無事(?)決まり、案外いけるなぁ、こりゃほんとに家賃分お金がどんどん溜まってくぞ。と学食で298円の白身フライの卵とじと98円のライスMを食べながら、へへへって思っていたら、テレビから、
「九州南部では平年より5日早いですが、明日より梅雨入りになることが見込まれています」
って言う声が聞こえた。
え?梅雨入り??梅雨??雨降るの?と混乱しながら、ヤフー天気で確認すると、一週間びっしりと雨マークが並んでた。降水確率100%。
雨って絶対ホームレスの大敵じゃん。雨、虫、警察がホームレスの大敵なことは想像もついたし、実際に寸分違わずそうだっとあとから身をもって知った。
そんなことをぐだぐだ言ってても、梅雨前線は止まってくれないし、バイトも待ってくれない、なんなら忘れようとしてるけど、お前卒論の提出ひと月後やぞ?と卒論もそれらの背後から顔を覗かせる。
ああああああああ。
悩んでいる内に、バイトの時間になり、バイトへ向かう。
バイトの時間はたのしい、お酒を作って、お客さんと話す。こんな楽しい時間がずっと続けばいいのn
雨である。午前1時。バイト先の玄関を開けると、雨である。
店長も少し心配して、ここで寝てけば?などと心遣いをしてくれたが、いえ、甘えることはできないので。と高倉健バリの謎の生真面目さを出してしまい、雨の中外へでた。
その足は、戸惑うこともなくあるところに向かって進んでいた。
僕はバイト中に決めていたのだ。雨の中のホームレスといえばどこで寝るか。相場はもうすでに決まっている。地下通路に決まっているのだ。
地下街についた。午前一時半くらいになると人通りはなく、これはいい場所見つけてしまったかもしれない。と内心ほっとする。
ひと目につかなくて、うるさくなさそうなところといえば…
と、歩きまわりながら寝れるスペースを探したが、すべてのスペースでは、
先輩のホームレスの皆さん方がすでに眠りについていた。
そりゃ当たり前なのである。こんなペーペーのビギナーホームレスが考えることなど、先輩方はとっくの昔に考えているのである。歴史とは偉大なのである。知らんけど。
寝るスペースがないってことで、どうしようかなと思いウロウロしてたら、後ろから「おい。なにしてんだ。」と声をかけられた。
突然の声に、ヒッって思って後ろ振り返ったら、
ドリンクバーで全種類混ぜたあとみたいな、ふかーい緑のロンTをきて、ロンバケのキムタクくらいの髪の長さで、色もキムタクくらいの濃さのおじさんがワンカップ大関を片手に僕の後ろに立っていた。
すぐに先輩だと気づいた(ホームレスの)
「さっきからウロウロしてるけどなにしてんの。なんか探しものか?」
思ったより優しい口調でホッとした。羅生門のババアみたいなおどろおどろしい感じかと勝手に想像していた。
「いや、ぼく寝る家がなくて、今日は雨だし、ここで寝ようかなって思ってたら、どこも空いてなかったんで、どうしようかなと思ってたところだったんです」
そうすると先輩は、家はないのか、なんで帰るところがないのか、家出なのかと矢継ぎ早に聞いてきたので、断捨離の末に家を捨ててしまったと伝えたら、はは!!っと地下街に響き渡るような大きな声で笑った。少女マンガならここで俺はこのおじさんに「おもしれー女」と一言言われるのだろうが、そんなことはなく、おじさんは「なんだよ。時間あんのか?ちょっと話しよう」っていい、返事を聞く前に、「てつさんたちも呼んでくる」って言って、てつさんたちを呼びに行った。
なんだかわからない内に、眠い目をこするてつさんと、ほぼキムタクのとおるさんと僕で飲んでいた。(とおるさんがカバンの中からワンカップ大関をおもむろに出し、僕らに分けてくれた)
てつさんととおるさんは僕の話を楽しくきいてくれた。そんなやつもおるんやなぁと不思議そうにしてて、自分たちがなんでホームレスになったのかも教えてくれた。てつさんは、30代半ばで社内での不倫がバレて自主退社、その女性とも自然消滅、そこからはバイトで食いつないでいたが、バイト代をもらってもパチンコに吸い込まれてしまい、すかんぴんになってお金が足りなくなって借金をするという、ウシジマワールドから飛び出てきたのかと思うくらいのドクズだった。金を溶かす才能はある!と豪語してワンカップ大関を飲んでいた姿が印象的。
とおるさんは、なんでホームレスになったのかは教えてくれなかったが、てつさんがお金がまったくないのにギャンブルはやめられないんだよなぁって言ってたとき、それはそれは深くうなずいていたので、ほぼ同様の理由だと察した。
この二人はいろんなことを教えてくれた。
・第三土曜日の朝には、共研公園で炊き出しをやってくれるから嬉しい。
・近くのイオンの8階には市民ジムがあって100円で利用できてシャワーも浴びれるから嬉しい。
・ここの警察は5時に見回りに来るから少し前に起きてウロウロしておけば注意はされない。
・大抵の草は食べられる。笹みたいなやつはまずい。
彼らはドクズだったけど、彼らなりに一生懸命生きてるんだなと話してて感じたし、二人は人と話すのが好きでよく喋っていた。
いい時間になったときに、てつさんが地下道のまだ人が寝てない隙間を教えてくれて、僕はそこで寝ることにした。
解散するときに、とおるさんがワンカップ大関の最後の一滴まで飲み干して
「明日の自分をつくるのは今日の自分だよ。だからな若者きょうも一生懸命生きろ。」
って言ってくれたけど、イッチミリも心に刺さらなかった。はい!って返事したけど心は鉄仮面のように真顔だった。
なにを言うより、誰がいうのかってのが大事ということが身にしみて感じられた日だった。
この日から鹿児島はあめあめあめあめ。
ホームレスになったのに、いろんな屋根のあるところで寝泊まりを繰り返した。公園の屋根付きのベンチ、地下道の隅、アミュ広場の人工芝、理学部塔の休憩室。
屋根付きのベンチで寝てたときは、仕事終わりのキャバ嬢に起こされて、2時間仕事の愚痴を聞かされたこともあったし、アミュの人工芝は5時に警備員がシフト交代の際に見回るから「お兄さん始発走ってますよ。」って言って酔っ払いと勘違いされて起こしてくれるライフハックも見つけた。理学部の管理人みたいな人にはいつも夜遅くまで研究頑張ってますねってレッドブルをもらったこともあった。(飲んですぐに寝た)
蒸し暑い日が続いたから、お風呂も毎日入りたかった。
鹿児島市内の銭湯はほぼすべて回ったし、市民ジムの100円シャワーも使い込んだ。いつでもシャワー使っていいよっていって合鍵を貸してくれた友達が3人もいた。
すげ〜なって、呆れ顔だったか、心配顔だったかよくわからない顔をして鍵を貸してくれた友達たちの表情を自分の家の鍵がついていないキーケースを見ながら思い出して嬉しくなった。
けどやっぱり、雨が続くと気が滅入る。
屋根を捨てたのに屋根を求めて徘徊しないといけないんだと24時間の内27時間は考えていた。
そうしてやっと回り道に回り道を重ねて、この結論にたどりついた。もうたどり着く十数秒前くらいからサライが流れて、心の中でリトル徳光が「ようやく!ようやく!戻ってきました!彼の正気が戻ってきました!長い長い52日間でした!多くの人が心配し、呆れましたが、ようやくここ武道館に戻ってきました!」
と涙涙のゴールへとたどりついた。
∇∇∇
武道館にたどり着いた正気と一緒に不動産屋に向かった。
もし次に住むなら絶対に川沿いがいい。
って決めていて、バイト先に行く道すがらに、風がよく吹き込みそうで川沿いのアパートがあった。
すぐにそこの窓に貼っている管理会社に電話して、事務所を訪ねた。
事務所にいくと、気の良さそうなおじさんが事務所の中でゴルフクラブを持ってスイング練習をしていた。
外の僕に気づくとゴルフクラブでクイクイって手招き(クラブ招き?)して中に入るよう促した。
「おーさっきの電話の子?ここに直接連絡くるの珍しいのよ。甲突川沿いの物件だっけ?いまから一緒に見に行くかい?」
って言って、わけも分からずセダンに乗せられて、物件まで連れて行かれた。
気になっていた部屋は、ついこの前まで人が入っていたらしく、まだ原状復帰もできてなかった。畳は剥がされて、床板が見えてたし、トイレもなんか工事中?みたいな感じだった。
けど、目の前は念願の川だし、風がよく通るし、朝日も最高に入ってきそうで、気持ちがいい部屋なのはすぐにわかった。しかもなにより屋根と壁があるのが最高である。
ここにしよう!と決め、心の中のリトル徳光も大きくうなずいてくれた。
「ここって最短でいつから入れますか??そして家賃いくらですか??」
「お!気に入ったかここいいよねぇ。そうだね。最短でも2週間くらいってところかなぁ。畳入れたり掃除をしたりしないといけないし」
二週間!!!!そんなに待ってられるか!と心の中のリトル徳光も抗議していた。
「2週間!畳とか自分でやるし、掃除も自分でするので今すぐはいれないですか、、、、、実はいま、ホームレスでして、いますぐにでも家が欲しくて、2週間ももう外では寝れないというか、なんというか、、」
とホームレスであることと、これまでの経緯を話すと、
「意味がわからなさすぎるけど、面白いのはわかった!おじさんが大家さんに交渉してみる!」
って言ってその社長さんはその場で大家さんに電話をしてくれた。
「あーいつもお世話になってます!はい!物件の話なんですが、かくかくしかじかぺちゃくちゃぺちゃくちゃぴーちくぱーちく。はいはい!お!そうですか!いやー変な子もいるもんですね!ありがとうございます!そう伝えます!はい!また!」
なんとその大家さんは、即日入居の許可を得るだけではなく、家賃を水道費込みで32000円のところを20000円まで下げてくれた。
(僕が10伝えたエピソードを50にして大家さんに伝えていたのは気になったけど)
「よかったな!これでもう外で寝なくてもいいよ!これが鍵だから!また明日にでも契約書書きにきて!電気ガスはまだつながってないけど、ホームレスしてたなら2.3日なくてもいいしょ!」
と2時間前に会ったばっかの、ホームレスの大学生にろくな説明もせずに鍵を渡して帰っていった。
その日の夜。
ガスも水道も電気も通ってない、ボロボロの板が張ってあるだけの床の上で寝転ぶ。カーテンもないから外の街灯の明かりが部屋に差し込んでた。
そこらへんの山小屋のほうがいい環境だろうなぁ。側の道路は意外と夜も交通量あってうるさいな。天井の隅にめっちゃ変な形のシミあるな。久しぶりの家という感じ。どんだけ中のいい友達の家に行っても絶対に得られない”じぶんち”という感覚。なつかしい。これは高校卒業して鹿児島に来て初めて一人暮らしを始めたときと同じ感じ。
えも言われぬ充足感。
なんにもないのに満たされてる感覚。
おれはこの何もない部屋でも、十分幸せを感じることができるし、そう感じるようになれたのも、一度家を捨てるという経験をしたからだよな…とエモい大海原を泳ぎに泳いで、満足して眠りについた。
∇∇∇
6月の鹿児島の日差しはエグい。蝋でできた翼ぐらいなら簡単に溶かしてしまうほどに強い。その朝の日差しをもろにくらいながら起床した僕は、なにもない板張りのボロッボロの自室をみて
【新生活 家具 パック】
と検索してアマゾンで購入した。
∇∇∇
人間そう簡単には変われなかった。
新しい部屋にはあたらしいものがほしいし、やっぱ帰ってきたときにテンションの上がるものが揃っててほしい。(コーラがパンパンに詰まったちっさい冷蔵庫とかリビングの床が人工芝とか薬局のでかいカエルの置物とか)
ホームレス経験で得たものは、
・ホームレスの先輩
・友達の家の合鍵
・どこでも寝れるスキル
この3点である。
スティーブ・ジョブズは、なんかいい感じの大学の卒業式でこういう感じのことを言ったらしい。
先を読んで点と点をつなぐことはできません。
後からふり返って初めてできるわけです。
したがってあなたたちは、点と点が将来どこかでつながると信じなければなりません。
自分の勇気、運命、人生、カルマ、何でもいいから、信じてください。
点がやがてつながると信じることで、たとえそれが皆の通る道からはずれても、自分の心に従う自信が生まれます。
これが大きなちがいをもたらしてくれるのです。
このホームレス経験という点が、いろんな経験の点とつながって、線になって、夏の星座になって、いつかaikoがぶら下がりにきてくれることを信じていようと思う。