[講義動画]「セルフケアで学ぶ日本語の母音」@口腔機能探求部
こんにちは言語聴覚士 奥住啓祐です。
土日は名古屋での研修に参加頂きありがとうございました。
土曜日の口腔研修では、受講者の方々に被検者になって頂き、まず日頃の臨床で実際に行っている口腔機能の評価、上下肢等の評価を行いました。
是非、今後も練習を続け、5分以内で今回の口腔と上下肢の評価ができるようになりましょう。
評価のあとは、口腔顔面への介入前後で、上下肢などがどの様なスピードで変化していくのかを体験して頂きました。
特に最後に評価介入を行った受講者の方は、特に介入難易度の高い口腔顔面の分離性の課題があり、皆さんと一緒に、下顎、舌、表情筋の選択的な運動が徐々にできるようになっていく様子を共有できました。
こういったケースは、なかなかオンライン研修で伝えることが難しく、実際にそういったケースの方を集合研修か実際の臨床場面で一緒に評価、介入していく事が一番勉強になります。
慣れないうちは、分離性の課題があることに気付くことも難しいと思うのですが、評価のポイントはとてもシンプルです。
舌の動きを見たいなら、舌以外の筋・骨の位置が形が変化しないかどうがを観察する。
なかには舌を動かす際に、下肢の筋肉も緊張してしまうような場合もあり(脳血管疾患の方でも、病気をしていない子どもでもこういった現象は観察されます)、見逃されやすいのですが、まずは口腔顔面のなかでの選択的な運動ができているかを評価ができるようにしましょう。
この点については今回のオンライン研修でも再度お伝えします。
そして、日曜日はBridge のPT小松さんとコラボ開催した「ST・PTが考える頭頚部・体幹のアプローチ」セミナー。
上下肢・体幹の条件を変えた時の、口腔周囲筋の変化を観察し、
口腔への介入後の上下肢・体幹等の変化をみる。
リハビリテーション専門職、歯科の先生方との多職種グループで、思考錯誤しながら実技練習を反復しました。やはり集合研修は良いですね。
来月参加される方もお楽しみに。
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セルフケアで学ぶ日本語の母音
前回までオーラルハンドリングについてお話してきました。今回は初めて取り上げるテーマ「母音」です。
日本語の母音「あ、い、う、え、お」は開口範囲と舌の位置変化によって発音されますが、まずは教科書通りの発音の仕方について復習し、その後、子ども達や成人の方における母音の発音の戦略におけるバラツキを紹介していきます。
発音の際の戦略が異なる = ダメ
ではないのですが、この母音発音時の戦略の違いが、声がかれやすかったり、生活する上での悩み(首や喉がきついなど)に繋がる場合があります。
また、去年から5人のSTさんの声の悩み(嗄声)の相談をオンラインで受けましたが、1回のセッションで行う内容の9割は母音発音の戦略の再学習です。
日頃、当たり前のようにおこなっている母音の発音。この機会に丁寧に確認していきましょう。
今回は母音発音の際の戦略のバラツキについて、乳児期の機能獲得の視点も盛り込みながら前半お話しました。
その上で、実際に参加者の母音を聞きながら(画面はオフで、音声情報のみのアセスメント)、特に嗄声がでている母音について公開でセッションを行い、母音発声時の声質の変化を皆さんと共有しましたね。
今回、講義中に1回、そして講義後のフリーディスカッションタイムに1回(同じ方)、公開セッションを行いました。アーカイブ動画でも前半のセッションは削除せずにのこしていますので、当日参加できなかった方も視聴できます。
音声のみの情報から、どんどん変化していく母音に驚きましたという感想も講義が終わったあと複数頂きました。自分の母音が気になるという方は、また別の機会の時に公開セッションを行い、皆さんとアセスメントの視点、介入の考え方を深めていきましょう。
アーカイブ動画を視聴して、構音障害や音声障害のアセスメントとして、「母音のアセスメントが不足していた」と感じた方は、ぜひ日頃の臨床に活かして頂けると幸いです。
また感想等ありましたら個別のメッセージ、またはFacebookなどでタグ付けして投稿頂けると嬉しいです。
今後もセルフケアを通して、口腔機能について楽しく学んでいきましょう。
当日参加頂いた歯科医師の先生からも感想を投稿して頂きました。
口腔機能探求部の母音編の2つの講義動画は下記のマガジンにもまとめています。
講義動画のURL(公開中、削除予定なし)
皆様からの優しいお気持ちは、共同プロジェクト「言語聴覚士オンライン」の活動に活かしてまいります。