言語聴覚士として情報収集した既往歴をどのように活かすか②
こんにちは奥住啓祐です。
今回の記事は前回の記事の続きの内容になります。
皆さんはクライアントさんの情報収集した既往歴について、実際にアセスメントや訓練内容の立案に活かせていますか?
通常クライアントさんの課題分析を行い際、ICFに基づいて多角的な視点から分析を行いますが、今回の記事ではあえて①獲得した機能の違いなのか、②獲得後の何かしらの因子(既往歴等)の影響なのかという視点での考え方を深めています。
特に前回は既往歴が呼吸、見る、聞く、話す、書く、読む、食べる、栄養、高次脳機能等へ影響が生じていないかという視点で分析することの大切さについても共有しましたね。
回復期病棟で勤務していた時の疑問
今回は最初に、獲得した機能の違いという視点をもう少し深めていきます。
回復期病棟で勤務していた時、明らかに胸郭の位置が高い高齢者もいれば、低い方もいて、その背景は何だろうと漠然と疑問に思っていました。
また脳血管疾患の方で舌を前に出した際に舌が偏位したり、口蓋垂が偏位する場合がありますが、麻痺と偏位の方向のパターンが教科書通りではない方もいますよね。これは皆さんも感じたことがあるのではないでしょうか。
あとは上顎形態の深さ、左右差も観察される高齢の方もいますね。回復期勤務時代はこれらは疑問のまま終わっていたのですが、その5年後、小児歯科医院で赤ちゃん、子ども達を見るようになったことで、高齢者の方の機能や構造についての解釈が深まりました。
そのキッカケは定型群の赤ちゃん、子ども達の中にも、胸郭の位置が高い子、低い子がいる。麻痺などは無いのに口蓋垂や舌が偏位している子がいる。上顎形態(深さ、左右差等)に差がある。といったケースとの出会いでした。
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