ぼくと断崖絶壁で「オラァ!飛び降りろォ!」というドラマ
「いらっしゃいませ〜。お好みは?」
ふむ。じゃあひとつ質問を。なぜ、家系というのか?
「いや、それは大元が『〜家』という屋号でしたから、それに則って…」
ではその『家』はどこからきたか?
「…。はあ…。すべてお見通しというわけですね。たしかに私達は地底人です。地盤というのは非常に脆いものですから定期的な移動を強いられます。そんな生活に疲れていたある日…地上人の生活を見たのです。『家』。そう、『家』です。定住し、安らかな生活を送る場所。『家』が欲しかったんですよ…ってのも言わなくても、ご存じなんですよね?」
ああ…。
「カタメ、カラメ、アブラ…。そうして手に入れたはいいですが…。やはりそれだけで満たされるか、と言ったら大違いでした。大切な者の手を振り払ってしまった。ただ、未来に繋がればいいのです。未来の、私以外の誰かが、幸せになってくれればと」
そうか…。おい!聞いてるんだろ?!
「……」
「ジョージ…」
大切な者…だってさ?
「父さん…父さん!!」
「ジョージ…!ジョージ!!おお……」
「父さん!話したいことあるんだ!グッズを売ってたくさんお金もらえたとか!その…見てよ!このスーツだって!」
「ははは。聞くさ!後でたっぷり聞く!俺たちの『家』で…。その前に、あの人に言うことがあるだろう?」
「あ…もちさぁん…」
……。
「もちさぁん…!今までバカにしてごめぇん!!」
フッ…。カラメ…だな。
おっちゃん!ライス、くれるかな?