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東証の取引時間の延長で何が変わる!?「誰に」「どんな影響が起こるか」を徹底解説

2024年11月から、東証の取引時間が30分延長され、「15時半」まで売買ができるようになります。これは、70年ぶりの大変化です。

この変化によって、「誰に」「どんな影響があるのか」を、田端がわかりやすく解説します!

■この記事を読むと…
✓東証の取引時間が30分延長されたことで、何が変わるかが理解できる
✓「クロージングオークション」とは何か理解できる
✓「クロージングオークション」の導入で何が変わるのかが理解できる

※この記事は、田端信太郎のYoutubeチャンネルで公開した動画「東証の時間変更の件」の内容をテキスト化して、note用に再編集したものです。

動画派の人はこちらからどうぞ ↓ ↓



取引時間が30分延びると何が変わる?

色々な観点から語れる話で、事前に予測するのが難しいんですが、現時点では、以下の「3つの観点」が考えられます。

①投資家の利便性向上
売買時間が長くなることで、投資家の売買機会が増えます。

②システム障害の対応時間が取れる
取引時間が長い方が、システム障害が起こったとしても、システム復活後の売買時間をきちんと取ることができます。

③ヨーロッパ人の売買チャンスが増える
日本の夕方は、ヨーロッパ時間の朝です。取引時間を15時半まで伸ばすことで、ヨーロッパ人が朝少し早く起きて、東証のその日の値段をチェックしてから、売買しやすくなります。

一方で、問題点もあります。今、上場株は「約4,000銘柄」あるのですが、僕の感覚で言うと、「約3,000銘柄」は、日中にあまり売買が成立してないと思います。

例えば、

・「1,050円で1,000株」の売り気配
・「1,000円で1,000株」の買い気配

この状況で、「1,020円で1,000株の買い注文」を出したら、売買が成立するかわからないような銘柄が多いです。トレーダー風に言うと「板の薄い銘柄」が多い。

そんな「板の薄い銘柄」が多い状態で、取引時間だけを伸ばすと、「余計に板がスカスカになるんじゃないか?」と思います。

株価と出来高の関係について

現状、「朝8時から寄り付きの9時」までの間は、個別株ごとの買い方・売り方の状況が、いわゆる「気配値」として見ることができます。ただし、この時間帯は取引が成立せず、注文だけ受け付けています。

そして、9時になった瞬間に、寄り付きの取引が始まり、実際に売りと買いがぶつかって売買が成立し、出来高が発生しだします。「出来高」とは、売買が成立した株数のことで、チャートの下に、棒グラフで表されていることが多いです。

ほとんどの銘柄の出来高が「朝9時」の直後と取引時間の最後の「昼15時」前に集中する傾向にあるため、真ん中の時間帯はスカスカになりがちです。

なぜなら、朝9時に取引が始まるまでに、「今日の株価は、どのくらいの値段で始まるか」を考える投資家が多く、売買が始まると次は「最後の引け」がどれくらいの株価になるかを重要視しています。なぜなら、「東証の終値」というものは、非常に重く、それを基準に決められているものが多いからです。

↓東証の終値によって価格が決まるもの

そもそも、なぜ「株価」というものに重みがあるかと言うと、たくさんの人がその値段で「売ってもいい」「買ってもいい」とお互いに合意したからです。つまり、「ある種の民主主義」みたいなもの。

そのため、「常に株価は正しい」。わけです。株価に不適切もクソもないです。ただ「その値段が、適切だと思った人が多かった」から、その価格での売買が成立したという事実が、厳然と存在しているという話です。その意味で、常に「株価は正しい」んです。

クロージングオークションが導入される理由

「クロージングオークション」とは、東証が閉まる前の5分間の売買を止めて、「売りたい人」も「買いたい人」も、あらかじめその5分の間に出せる注文を全部出してもらい、最後に「せーの、どん」で一気に売買を成立させて、その日の取引を終了する制度です。

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