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第十一章 オタクな夫婦のコミュニケーション〜会話編〜
うっかり日曜日であることを忘れていたせいで月曜日の更新である。申し訳なし。
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私と旦那は大学の同期である。私達は同い年であり、同じサークルに所属し、喫煙者であり、当時の下宿先も近く、そしてオタク気質も兼ね備えていた。仲良くなるのは必然的で、今では家族として暮らしている。
私達の会話にはオヤクソクというものがある。どちらかが漫画やアニメ、芸人のネタなどを振ると、必ずそれに応えなければならないのだ。これはルールではなく、オヤクソクであり、我々のコミュニケーションだ。
例えばテレビで甲子園を見ている時。
私「智弁和歌山の応援には魔曲って呼ばれてるものがあってねぇ。ジョックロックっていうんだけどカッコイイのよー」
旦那「へぇー……そんなのがあるんだ。お前は何でも知ってるな」
私「何でもは知らないわよ、知ってることだけ」
こういう具合である。これは『〈物語〉シリーズ』の阿良々木暦と羽川翼のやり取りである。
我々はお互いに会話の中にこのような引用をし、相手がそれに応じられるか否かを楽しんでいるのである。
他にも互いに悪ふざけをしたあとに
「お願い僕を捨てないで」
と声をかけられる事がある。
これには笑って「ばーか」と返すのがオヤクソクだ。
これは幽☆遊☆白書の幽助と蛍子のやり取りだ。
もうちょっとぶっ飛んだところになると、
旦那「(ドラマを見つつ)このお婆さんめちゃくちゃ良い人だな、最初酷い人かと思ったのに!」
私「ここのババアは良いババア……」
旦那「子供に優しく金持ちだ……」
なんてものもある。これは魔法陣グルグル(コミック版収録の読み切りなのかも…)でニケが歌った歌である。
兎に角ネタを投げ、拾う。拾えなければ、「そうじゃないだろ!www」と言われるだけでお終いなのだが、こういうったふざけ合いが、私達のコミュニケーションなのだ。友人だった頃も、恋人だった頃も、夫婦となった今もこの遊びは変わらず続いている。オタクとして関わってきた分野はやや違いはするのに、好みが似ているからこそ成り立つのかもしれない。
友人にも家族にも、きっとそれぞれのコミュニケーションのとり方というものがあると思う。同じ時代に同じ様なものを好んで生きてきた私達のコミュニケーションは、このまま死ぬまで続きそうな気がする。きっとこの先新しく加わるネタもあるだろう。それはアニメか漫画かドラマか芸人ネタなのか……。
今日も楽しく、ネタを振ってみよう。部屋を出る瞬間にでも
「エアコン寒すぎた?大丈夫? 風邪ひくなよ」
とでも言えば。きっと彼ならば、正解の答えを返してくれるはずなのだから。
P.S.
幼女に聞かせる歌ではない……で既に吹きましたwww
変わっていくものと、いつまでも変わらないもの。どちらも素敵な関係!!
知識が繋がる快感はとても分かる。だから私は推理小説が好きなのだ。