【編集部座談会】数値に囲まれている(仕事文脈vol.23)
数値に振り回されたコロナ禍
小沼 新型コロナが5類に移行する前は、その数値をかなり気にして、振り回されていたなと思います。毎日発表される感染者数の増減、商業施設の入り口で測る体温、潜伏期間や隔離期間……。どれも目安として大事だけど、数値だけ見るのではなくて体調や状況と照らし合わせて判断が必要な場合もある。ほどよいバランスを探り続けていましたね。
宮川 「ソーシャル・ディスタンス」も数値かな。当時ランニングしていると、沿道に「この距離を保ってください」と書かれた横断幕が掲げられていたことがありました。
小沼 コロナ初期の頃、公園に行った時に同じような横断幕を見かけました。「2m空けろというけど、けっこう遠いな」とか真面目に思っていましたね。
浪花 わたしの地元では、1・5mの距離感覚を伝えるために「牛一頭分です」と言っていたのを見たような……。たしかに畜産農家は多いけど(笑)。
宮川 今では気にしなくなっちゃった数値も多いですよね。東日本大震災のあとは、放射能を気にして色んな人がガイガーカウンターを買ったり借りたりして測っていた。福島第一原発の処理水海洋排出のニュースで、「ベクレル」って言葉を久しぶりに見たと思いました。それは東京に住んでいるからだと思うけど。
浪花 福島の帰還困難区域や原発周辺に行くと今でも測っていますしね。高速で近くを走ると、その数値が見えるようになっていました。
小沼 たしかに、離れた地域に住んでいるといつの間にか意識しなくなっていました。そういう時に継続して数値化されているデータを見ると、「まだ全然終わっていないんだ」と改めて思い出すことができますね。コロナは全数把握から定点把握という、指定の医療機関が新規感染者数を週に一度報告する方式に変わったけど、それでも測り続けているから、感染が拡大しているかどうかを知ることができますし。
妊娠中に測るたくさんのいろいろ
宮川 浪花さんは今二人めのお子さんを妊娠中ですよね。産婦人科の検診では色々な数値を測るんじゃないですか?
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