新米アルバイトのつれづれ日記03.
みなさん、年末年始はいかがお過ごしでしたでしょうか。アルバイトのつれづれです。
いつもなら多少は浮き足だつお正月ですが、わたしは結局なんだかぐったりしたままお正月休みを終えてしまいました。というのも、いわゆる「実家疲れ」です。
普段から実家暮らしなのでいまさら里帰りもないのですが、あくせくとした年越しの準備や、なぜか家族が毎年見ている紅白歌合戦、親戚と交わす年始の挨拶など、かなりの気力と体力を消耗しました。特に鬼門だったのが家族や親戚との会話です。「結婚するならそろそろだよね」「今彼氏いないんだっけ?」と言った、テレビや小説で聞いたことのある、家父長制丸出しのセリフにちょこちょこ気力を削られます。自分のまわりにも、本当にこういうこと言う人いるんだ……!考えてみればいままでにも時折交わされた内容だったはずですが、25歳という年齢になり、改めてその息苦しさを感じました。
さて、そんなお正月休みでしたが、忙しさの合間を縫うように漫画を読み、元気づけられていました。去年末に2巻が発売となった『作りたい女と食べたい女』(略称:「つくたべ」)です。
お料理好きの野本さんと、食べるのが好きな春日さんの二人の物語。年末帰省するのが億劫で、それより春日さんと過ごしたいと考えた野本さんは実家に連絡しますが、母親から「遊んでないでそろそろいいひと見つけなね」と言われてしまいます。それを見ないふりする野本さん。一方で、2巻では「(実家には)10年くらいずっと帰ってない」と話していた春日さんの理由が明らかになります(ネタバレを避けるために詳しくは割愛しますが、とても印象深いエピソードです)。
『つくたべ』は、料理を作る、食べるといったそれ自体シンプルな行動を通じ、わたしたちが直面しているはずのジェンダー不平等や、セクシュアリティの問題を丁寧に描き出してくれています。思わず、わたしも家族や親戚とではなく、野本さんや春日さんのような存在と年末年始を過ごせたらなと夢想してしまいました。ですがまずは実家を離れるところから。少しずつでも家父長制のしんどさから逃げ出せるように、2022年も本を読み、戦略を立てたりしつつ、『つくたべ』の二人のような暮らしを目指したいと思います。