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「オリンピックの東京」から脱出する・2(仕事文脈vol.19)

仕事文脈vol.16「東京モヤモヤ2020」では、『「オリンピックの東京」から脱出したかった理由』というインタビュー企画を行った。期間中の東京からの脱出を計画している人に話を聞く企画だったが、インタビュー後にパンデミックが起き、脱出計画どころか五輪が延期に。あれから1年が経ち、数々の疑惑は不透明なまま、陽性者数が過去最多を更新する中で五輪は開幕した。関係者が世界から続々とやってくるのに一般人の移動には批判が向けられる、そんな中でそれでも東京から脱出した3人の記録。


巻き込まれたくない
小沼理(29歳・ライター)

「すみません、週明けの出張、中止になるかもしれません」。
新宿のPCR検査会場を出ると、iPhoneに連絡が入っていた。この出張のための検査だったのに……と脱力しつつ、そりゃそうかと思う。東京の感染はこれまでにないほど拡大していて、昨日の陽性者数は3865人。自分が感染していてもおかしくないと常に緊張していて、このタイミングで熊本へ3泊4日の出張に行くことには抵抗があった。

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