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「山中カメラ現代音頭集 Shall we BON-DANCE?」出版記念パーティー編~祝出版!世界へはばたけ!

皆様こんにちは。「山中カメラ現代音頭集」制作委員会の町田です。
作品集「山中カメラ現代音頭集 Shall we BON-DANDE?」の出版に合わせまして、先週末3/6に愛媛県松山市にて「山中カメラ現代音頭集 出版記念パーティー」を開催いたしました。

登壇者は本作品集の著者・山中カメラと本作品集プロデューサー・海野貴彦。スペシャルゲストとして「道後湯玉音頭」歌い手であり「松山発!日本の歌姫」の中ムラサトコさんにお越しいただきました。

山中カメラが今まで制作してきた現代音頭を振り返るこのシリーズですが、本日は「山中カメラ現代音頭集」制作委員会・町田よりイベントレポートをお送りいたします。

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シリーズ「山中カメラ現代音頭集 Shall we BON-DANCE?」
出版記念パーティー編~祝出版!世界へはばたけ!

このイベントではまず、イベント開催場所の愛媛県松山市で制作された「道後湯玉音頭」を山中と中ムラさんが熱唱。その後「道後湯玉音頭」制作にいたるまでに作られた現代音頭「別府最適音頭」「吹上砂丘音頭」を松山では初めて演奏・解説をしました。山中と中ムラさんの素晴らしい歌唱に、一同聞きほれる場面も。

普段のボンダンス大会では、踊りながら聞いている現代音頭ですが、ライブハウスという音響設備の整った素晴らしい環境で、1曲1曲の魅力を余すことなく伝えられました。

そして「道後湯玉音頭」制作の経緯をプロデューサーの観点から話し、また山中から制作過程を解説しました。

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■「道後湯玉音頭」制作をふりかえる

「道後湯玉音頭」制作のきっかけは、本作品集プロデューサーでもある海野貴彦。2009年、海野が山中に出会ったことをきっかけに、山中カメラの松山での現代音頭制作が動き出します。

「カメラ君とはもともと別府の芸術祭『別府現代芸術フェスティバル 混浴温泉世界2009』で初めて会いました。別府で制作された現代音頭『別府最適音頭』の初演に僕も立ち会っていて、汗と涙を流しながら、大感動でみんなで踊っていて。この時から『いつか自分の街でカメラ君にボンダンスを作ってほしいなあ』というあこがれがありました。」(海野)

2012年、海野が縁あって松山へ移住。その後の2013年2月、山中も参加していた鹿児島日置市吹上町のアートフェスティバル「吹上ワンダーマップ」を見に、海野は一路、鹿児島へ。この時初めて山中に、松山でいつかボンダンスを制作してほしいと依頼。ただこの時は海野の思いがあるだけで、発表する場所も時期も予算も決まっていない状況だったそうです。

「吹上で制作されたボンダンス『吹上砂丘音頭』も素晴らしくて、なんとか松山でも音頭が残せないかと思うようになりました。」(海野)

その後、道後のカフェ「道後の町屋」で海野が愛媛初の個展を開催したことをきっかけに、道後商店街振興組合との親交ができました。そのつながりから全国商店街振興組合の助成金の企画を出すことになり、山中が現代音頭を制作する企画を提出。その企画が実現して道後での現代音頭制作が叶ったのです。

ちなみに道後には宝厳寺というお寺があり、ここは盆踊りの元祖といわれる踊念仏を行った一遍上人の生誕地。ゆえに盆踊り発祥の地とも言われていて、盆踊りと道後の関係は古くから続いているのです。

海野は「道後湯玉音頭」の制作においてもプロデューサーとして奔走。

「各地の曲を聴くとその街の総力が分かる。その街の一番いいものを集めてボンダンスを作るのが良いと思って、できる限りのサポートをした。」と、山中が制作のために松山や道後に関わる文献を読み漁り、作詞・作曲・振付に集中できる状況を作ることに徹する海野。

「あとね、カメラ君は現代音頭を作ると1度は制作中に寝込むんだ。盆踊りって死者との交信っていう面もあるでしょ。だから一度あっちの世界に行かないといけないみたいで(笑)」(海野)

音楽面でも海野は周到に準備をし、松山の総力を集めた曲を作らねば、と愛媛の奇才、音楽家・工藤冬里さんをはじめ、ボイスパフォーマーの中ムラサトコさん、笛の名手の仙九郎さんなど愛媛の素晴らしい音楽家たちを山中へ紹介。

「俺はパーツを用意して、あとはカメラ君にゆだねてて。」(海野)

「道後湯玉音頭」の歌い手を担っている中ムラさんは「私は基本自分の作った歌しか歌ってこなかったから、カメラさんが作った曲を歌えてすごいうれしかった」と当時を振り返って、にこやかに話されていました。

「道後や『道後湯玉音頭』に関わったことすべてが新鮮でした。私の地元でも盆踊りを生演奏でやっていて、やぐらの上で歌うって、じいちゃん、ばあちゃんの名人が上がる場所で、あこがれの場所だったんだよね。」

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■松山に移り住んだからできたこと

中ムラさんもまた、山口県出身の山中や、東京から移住した海野と同じく松山市への移住者。

街と関わって作られた作品は、街の人が主役となるやり方や作品の見せ方もある中で、

「道後は旅行者とかよそ者が関わる街。だから地元の人たちと、私も含め外から来た人が一緒に作るのが道後らしい」と中ムラさん。

海野も「地元ではない俺らだからこそ、外から来て存分に奔放に仕事ができてるよね。作品を作るうえでは遠慮なく出来て、他の地域ではできなかっただろういい仕事ができている。まあ作家なんで、個人的な見解を言うと、作品を利用されるのは気に食わないけど、使用はされたい」と正岡子規と夏目漱石を引き合いに出し、松山の制作環境の魅力などを語りました。

現在でも「道後湯玉音頭」は年に2回、道後商店街のお祭りで披露され、今では地元の小学生や様々な踊りの連が出演し、参加者が道後温泉本館をぐるりと囲って、大々的に開催されています。

またトークの中では、山中が「道後湯玉音頭」や「別府最適音頭」「吹上砂丘音頭」を作る際にどのように作っていったかが話されました。鹿児島県で制作された「吹上砂丘音頭」は民謡「鹿児島おはら節」をはじめ、小学生の金管クラブや地域の吹奏楽団、おばちゃんたちのコーラス等々、たくさんの音が重ねられて1つの音頭となっています。会場では全70トラックの音を1つ1つ別々に再生し、音頭の構成要素が紹介される場面もありました。

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こちらについては本作品集「山中カメラ現代音頭集 Shall we BON-DANDE?」で存分に語られているので、ぜひこちらをご覧いただければと思います。

■「山中カメラ現代音頭集 Shall we BON-DANDE?」制作・出版へ

本作品集を作るきっかけは、山中に降りかかった謎の大病。

2013年、道後での制作期間中から発症しつつあったその難病は、2015年山中の全身に発症しました。食べることもできず、投薬と栄養剤、床に臥すだけの闘病生活が1年にわたり、山中は命を失いそうになりました。

その時、海野は別府での芸術祭に参加するため別府に滞在しており、山中が当時住んでいた場所から病院まで、山中の通院に運転手として付き合います。

「ほんとね、運転もできないくらいカメラ君ペラペラで。『こりゃ死んじまうな』って思った」と海野。山中も「僕もほんと死ぬと思っていました(苦笑)」と続けて当時を振り返りました。

山中の大病をきっかけに、今まで制作された素晴らしい現代音頭たちをなんとかまとめなければと海野が思い立ったのが5年前。

「きっかけは病気だけど、病気だから作るというわけではなく、どうにか惚れ込んだ作品たちを1つにまとめたい思いだけはあって。」(海野)

それから様々な人へ相談し、助言を受け、「山中カメラ現代音頭集」制作委員会を発足。クラウドファンディングによって各地の皆様からご支援をいただいて、ようやく今年2020年2月27日に全国書店にて発売となりました。

「制作にまつわる曲ごとのドラマチックな出来事が封入されていて、いい作品の背景には必ず理由があるとわかる素晴らしい作品集ができました。そして、各地のたくさんの人からクラウドファンディングを通じてご支援をいただけたのがとてもうれしかったです」と海野は誇らしげに語っています。

また当日は「道後湯玉音頭」が制作された松山市長・野志克仁さんから本作品集出版についてご祝辞を頂戴いたしました。

山中は道後で開催されている「道後アート2019・2020」の「踊りプログラム」でも制作を進めており、障害の有無にかかわらず、子どもから高齢者までの誰もが参加できるボンダンスになる予定です。こちらも是非お楽しみに!

本作品集制作の経緯と過程を話し終えたところで、イベントの最後には来場者も参加して、改めて理解を深めた「道後湯玉音頭」を演奏・合唱し、幕を閉じました。

イベントは笑いあり、感動ありで終始和やかに進行し、会場全体が1つとなるようなあたたかいイベントになりました。
ご来場いただいた皆様、ありがとうございました!

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「山中カメラ現代音頭集」制作委員会では、この松山での出版記念パーティーを皮切りに、これから全国各地で出版記念イベントを開催して、この作品集を広めていきます。

各地にて皆様にお会いできることを楽しみにしております。
そして山中カメラが世界へ、どこまでも羽ばたいていけますように。

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★本イベントを動画にまとめました。
こちらも合わせてご覧いただけますと、よりお楽しみいただけると思います!


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■イベント情報
「山中カメラ現代音頭集 出版記念パーティー」

▶出演、登壇
山中カメラ(著者、現代音頭作曲家)
海野貴彦(当音頭集プロデューサー、画家)
≪特別ゲスト≫中ムラサトコ(ボイスパフォーマー)

▶2020年3月6日(金)
Open 18:30/Start 19:00〜21:00

▶会場:スタジオ OWL
〒790-0003 愛媛県松山市三番町三丁目6-2 ab's square 2F

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