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場所や仕組みに依存しないで遊ぶ/ヤマザキOKコンピュータ(仕事文脈vol.16)


 思うに、自分が生きる目的なんか「楽しむこと」と「学ぶこと」くらいしかない。このふたつをまとめて「遊び」と呼んでいるので、俺が生きるのは遊ぶためだと言っても良い。
 できることなら24時間遊びたい。資産を1円でも多く増やすとか、真理を追求するとか、正しく生きるとか、そんなことはあと10回生まれ変われるなら1回くらいやってもいいかもな、という程度のもので、いまは文章とバンドと投資と釣り、陶芸、木工、料理、読書、俺は遊びで忙しい。新しいギターとバイオリンも買ったばっかり。一生かけても遊び尽くせないくらいたくさんの趣味がすでにあって、これから先も増えていく。朝から晩まで働けるほど暇な日なんて1日もない。
 人間がホモ・サピエンス(知恵のある人)なら、俺はホモ・ルーデンス(遊ぶ人)だ。いまの自分はそれが良い。
 こうして目的を明確化した上で、自分はいまどこで何をするべきか考えてみる。

 最近の収入は主に投資と執筆で、トークやライブや、デザインや物販でお金をもらうこともある。全部飽きない程度にやっていて、失礼だと思われるかもしれないけど、この瞬間に文章を書いているのだって遊びのひとつだと思っている。
 お金は使う分だけ銀行に入っていて、証券会社には好きな会社の株と予備資金が少しだけ。それ以外の資産は海外の株式をまとめた「インデックス投信」という金融商品で持っている。これはいま大体1000万円分くらいあって、世界経済の成長と一緒に増えたり減ったりしている。
 自分が投資を続けているのは「日本経済に依存しすぎない姿勢を作ること」と、「自分の未来を自分で選び取ること」というふたつの目的を果たすためだ。少しでも多く稼ぐとか、真面目にやっている人たちを出し抜くとか、そういうことはどうでも良い。一般的な投資のイメージとは少し違うかもしれない。投資は好きでやっている。副次的に得た知識や経験談を書いて収入になることもあるし、学べることも多くてラッキーだ。
 長い目で見て日本円の金利よりも世界経済の成長率のほうが高いので、そこそこ安定的に利益も出ている。いまは世界全体が下がっているけど、見方を変えれば安売り中みたいなものなので、買うなら今だと考えることもできる。
 これから仮に年間5%ずつ成長するならば、1年後には資産が50万円分膨らむ。1000万円のうち600万円が非課税だとすると、税引き後の利益は約46万円。これだけでも嫌な仕事を大幅に減らすことができる。それでも東京の生活費は半端じゃないので、結構たくさん働かないとやっていけない。
 東京で最後に住んでいたマンションの賃料は月11.5万円で、大切な人と折半して暮らしていたけど、近所に作業用の事務所を借りていたし、外食もいまより多かった。野菜も魚も全部買っていて、自炊するのもタダじゃない。バンド活動はほとんどお金がかからないし、友達とは路上や家で遊ぶことが多くて休日はあんまりお金を使わないけど、家賃と税金だけでも年100万円以上の出費になる。投資の収益だけだと全然足りないので、そこそこ普通に働かなきゃいけない。服は友達のバンドのもらい物ばっかりだし、髪の毛は自分で切っていて、お酒もタバコもドラッグもやらないけど、それでもお金が無いと生きていけない。

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