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パレスチナとの仕事から—暮らしや仕事の中から社会を変える、草の根でつながる/皆川万葉インタビュー(仕事文脈vol24・特集1「反戦」と仕事)前編

およそ25年にわたり、パレスチナの生産者が作った製品をフェアトレードで輸入販売しているパレスチナ・オリーブ。代表の皆川万葉さんは、通信やSNSまたはFacebook、講演会などでパレスチナの占領下の暮らしと仕事のありようを伝えてきた。「イスラエル軍による攻撃をまず止めなきゃいけないというのは絶対なんですけども、一方で、経済面で何が行われてきているのかもう少し報道されてもいいのにと思います」ーー不平等が張り巡らされたパレスチナの日常と、仕事を通じてつながり続けてきた皆川さんに話を聞いた。(取材・文:丹野美雪)

仕事のつながりから関わっていくというやり方

通信「ぜいとぅーん」は、2000年に創刊。現在74号を数える。

ーーパレスチナと輸入販売の仕事をやろうと思ったきっかけは?

皆川 パレスチナに関わり始めたのは大学1年生の頃、1993年からなんです。今のビジネスパートナーであるガラリヤ地方の生産者団体シンディアナのことは、「オリーブオイルのフェアトレード・パートナーを探している」と書いた記事を読んで知ったのです。大学院生のとき、1997年のことでした。参加していた市民団体で「私たちの団体でも販売してみよう」となったんですね。でも、実際に始めてみて現地とやりとりする中で、わりとすぐに、安定的で一定量の継続的な購入が必要なのだと気がつきました。100本、200本買ってイベントで販売する、というようなことではなくて。やっぱりビジネスとしてある程度の量を継続的に仕入れていく、というのが大事じゃないかと思いました。特にオリーブオイルは農作物ですし。国内での販売の観点からも、仕事としてきちんとやらなければできないことだ、と感じたのです。貿易の勉強のために商社に入りたいと就職活動もしましたが、落ちまして。

ーー時期的には90年代後半、就職氷河期ですよね。

皆川 『82年生まれ、キム・ジヨン』(チョ・ナムジュ著、斎藤真理子訳 筑摩書房)を読んだとき、「わかるわかる〜」とすごく共感しました。私が就職活動したのは、ちょうど改正雇用機会均等法施行の初年(1999年)だったんですね。仙台市内の総合商社の説明会で、「これまで総合職に女子を採用したことがない」という回答を聞いて結構ショックだったのを覚えています。女性だからというよりも、職種や会社とのマッチングの問題かなと思うんですけどね。法学部時代の同期の女性たちの多くは公務員になりました。



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