パレスチナとの仕事から—暮らしや仕事の中から社会を変える、草の根でつながる/皆川万葉インタビュー(仕事文脈vol24・特集1「反戦」と仕事)前編
仕事のつながりから関わっていくというやり方
ーーパレスチナと輸入販売の仕事をやろうと思ったきっかけは?
皆川 パレスチナに関わり始めたのは大学1年生の頃、1993年からなんです。今のビジネスパートナーであるガラリヤ地方の生産者団体シンディアナのことは、「オリーブオイルのフェアトレード・パートナーを探している」と書いた記事を読んで知ったのです。大学院生のとき、1997年のことでした。参加していた市民団体で「私たちの団体でも販売してみよう」となったんですね。でも、実際に始めてみて現地とやりとりする中で、わりとすぐに、安定的で一定量の継続的な購入が必要なのだと気がつきました。100本、200本買ってイベントで販売する、というようなことではなくて。やっぱりビジネスとしてある程度の量を継続的に仕入れていく、というのが大事じゃないかと思いました。特にオリーブオイルは農作物ですし。国内での販売の観点からも、仕事としてきちんとやらなければできないことだ、と感じたのです。貿易の勉強のために商社に入りたいと就職活動もしましたが、落ちまして。
ーー時期的には90年代後半、就職氷河期ですよね。
皆川 『82年生まれ、キム・ジヨン』(チョ・ナムジュ著、斎藤真理子訳 筑摩書房)を読んだとき、「わかるわかる〜」とすごく共感しました。私が就職活動したのは、ちょうど改正雇用機会均等法施行の初年(1999年)だったんですね。仙台市内の総合商社の説明会で、「これまで総合職に女子を採用したことがない」という回答を聞いて結構ショックだったのを覚えています。女性だからというよりも、職種や会社とのマッチングの問題かなと思うんですけどね。法学部時代の同期の女性たちの多くは公務員になりました。
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