表現の不自由と政治 Part-1 表現の不自由展・東京実行委員会岡本有佳さん インタビュー(仕事文脈vol.21)
「政治を持ち込むな」といわれがちなものといえば、音楽、映画、エンタテインメント、そしてアート。自国の負の歴史や、時の政権におもねらない表現は、異様なほど攻撃される。2019年のあいちトリエンナーレ「表現の不自由展・その後」中止事件もそのひとつ。今年名古屋で開催された不自由展に行き、実行委員会共同代表の岡本さんに話を聞き、日本の表現と政治について考えた。(編集部・宮川真紀)
一番多い感想は「なぜこれが検閲されるの?」
――「表現の不自由展」は今年春に東京、夏に京都、名古屋、神戸と続けて開催されました。
岡本 昨年ちゃんとできたのが大阪だけなんです。東京は延期を余儀なくされ、名古屋は途中で中止にされたので、このままで終わらせることはできないということで、独自に動いていました。京都と神戸もやりたいという人がいて、始まりました。
―― それぞれの地域に、実行委員会があるんですね。東京の実行委員が核になっているんでしょうか。
岡本 まあ言い出しっぺなので。2015年の不自由展、2019年のあいちトリエンナーレ、その後韓国済州、台北に招聘されたところまでは東京がやっていました。その後は各地からやりたいという連絡が来るたび、まず主催する組織を作ってください、と。できたところで会場を探してもらったり弁護士を頼んだり。警備もやらなきゃいけないし、施設や行政との協議もやらなきゃいけないんですよね。ふだんやってることが違う人たちが集まる、いわばコレクティブみたいな集団ですから、うまく共同作業していくのはなかなか難しいです。
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