座談会 団地2024(仕事文脈vol.24・特集2 住まい、どうですか?)後編
*本記事は座談会 団地2024(仕事文脈vol.24・特集2 住まい、どうですか?)前編の続きです*
高度経済成長期に建てられた集合住宅、「団地」。しかし単なるマンションなどとは異なり、共有空間が広々している、自治会がしっかりしていて居住の権利意識に自覚的などの特徴も。団地暮らし経験者の3人+編集部の丹野が語ります。
団地、それは「多くの人に住む家を供給するために、一地域に集合的に建てられた公営(民営)のアパート群など」(『新明解国語辞典』より)を指す。その住まいの群れは、居住の権利やコミュニティづくりを切り拓いてきた経歴を持つ。未婚者の増加や核家族化の影響により、一人暮らしの世帯が30%を超えているいま、その現在を探るべく、実際に東京都内の団地に住む住民&元住民が語り合った。(構成・文 丹野未雪)
小野和哉さん
38歳/男性/フリーライター。多摩地域の中心に住んで1年。祭りや民俗学に関心がある。
きぼまんさん
45歳/女性/元NGO団体職員、現在無職。東京西部の団地に住むことおよそ40年。自治会の委員を務めた経験あり。
てぶくろさん
イラストレーター。都内の私鉄沿線の団地に住み、2年目を迎える。団地の施設を活用。
何か大きなトライブに属してる安心感
小野 自治会には一応加入してるんですけど、関与を求められることもなくぼんやり過ごしてて、何かすいませんって思いながら住んでます。自分は静観してる感じです。それで、ちょっと話が戻っちゃうんですけど、ポスティングされた冊子とかを読んでいると、僕の自治体では団地全体で高齢化が進んでいるという危機感を訴えていて。
きぼまん 長く住んでいる人は高齢の一人暮らしだったりしますよね。URに35
歳以下だと3年間安く住めるっていう制度あるじゃないですか。そういう人たちを何組か見送りましたね。
──一定の期間でいなくなる?
きぼまん ええ。半年に1回、その棟の階段世話人が声を掛け合って「号棟会議」というのをやるんです。自転車置き場で立ち話みたいな感じで。だけど、そこに来る人は最近引っ越してきた高齢の方とかで、若い人は全然来ないんですよね。ただ、自治会の総会に、各棟の自治委員になってる人たちがほぼ出席していたんですけど、意外と若いと思いました。理事に団地評論家っていうか、インフルエンサーみたいな若者がいるんですよ。30代ぐらいかな。その人がいろんなイベントを考えるようになって、自治会活動が活発になってるみたいです。
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