【寄稿】びわこんどーむくんがゆく。/清水美春 - 「保守的な空気を変えていく 各地で起こる抵抗の実践」(仕事文脈vol.23)
③びわこんどーむくんがゆく。
「滋賀発!全国1万人の高校生に『びわこんどーむ (※1)』を届ける学校プロジェクト (※2)」が2年目に突入した2022年11月、とある中学校の体育館には約300名の生徒たちが一斉にコンドームを指先から手首にペアで装着し合う光景が広がっていた。
合言葉は“習うより 触って慣れよう コンドーム”。咳くしゃみにマスク、勃起射精にコンドーム。講演会も終盤になると、講師から度々口頭で発せられた「コンドーム」の印象は“過激でエロいアダルトグッズ”から“日常の衛生マナー用品”にすっかり変化している。初めて見る層、触る層はどちらも約9割。ヌルヌルの感触やゴムの匂いに驚きの声が上がり、約3割のペアが裏表を間違えたり、その手で握手をしたり、風船を膨らましたり、破ってみたり。体育館後方では30名程度の保護者も同様のワークに参加している。その最後にはオリジナル教材『びわこんどーむ』(通称『びわこん』(※3))が配布されて「コンドームを着けなさい」ではなく「使うかどうかはあなた次第」と性的自己決定のバトンを渡して講演は終了する。
この様子を眺めながら、ついにここまで来たか、といつも以上に感慨深かったのは、その対象が高校生ではなく初の中学生だったからである。
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