「聞く」という仕事 第三回 質問と「流れ」/ 辻本力 (仕事文脈vol.16)
前回予告した通り、今回はインタビューにおける「質問」というものについて考えてみたい。
いろいろな人に話を聞くことがあるが、自分の場合は本や映画などについて、つまり何らかの「作品」に関する取材が多い。なので、ここでは、ある作家さんが出した新作小説について話を聞く——そういう場を想定して話を進めることにする。
質問を考える時、私の場合、とりあえず該当する本を読み、聞きたいことを、順序など関係なしに、ひたすらわーっと書き出すことから始めることが多い。この段階では何でもよい。「質問」の体を取ってなくても構わない。単純に、その本から受けた印象、気になったこと、あるいは疑問に思ったことなどなど、何でもいいから片っ端から書き出してみる。別に誰に見せるわけでもないので、「こんなこと聞いたらバカみたいかな」などと恥ずかしがる必要も、気の利いたことを書く必要もない。この「何でもいい」という縛りゼロの状態でPCやノートに向かえば、あっという間に数ページ分のメモが出来上がるはずだ。読みやすいように、箇条書きにしておくといいと思う。
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