「わかりやすさ」の到着地 ——インターネットの「ことば」をめぐって 西森路代(仕事文脈vol.17)
毎日、文章を書いて発表する身において、「ことば」に対する反応は日々変化していると感じる。特にインターネットの言葉は、ツイートしたり、そこにコメントしたり、中の文章を引用したりということがあるので、誰かの書いた文章を、自分で持ち帰り、咀嚼して、どんどん議論が深まっていく。それ自体はインターネットならではの広がりであり、ポジティブな面も大きいが、一方で、ことばが独り歩きしていくこともある。
私の経験でいうと、2000文字から3000文字ある原稿の中から、単語を抽出して端的なタイトルにした際に、抽出の仕方によっては別の物語が生まれやすいと感じる。例えば、私は3年ほど前に、高橋一生についての記事を書いた。その中で当時の彼を評するネット記事の言葉を引用し、星野源のポスト的に見られているようだと紹介した。しかし自分はそのネット記事とは違い、星野源と高橋一生の魅力は、まったく別であるということを主に書いていったのだった。
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