10年10人のShit #5 怒りを豊かに説明するために、言葉を覚えてきたわけじゃない/宮本七生(フォトグラファー)(仕事文脈vol.18)
東日本大震災から10年が経ち、終わりの見通せないコロナ禍にある2021年。「復興の象徴」とうたわれた東京五輪もトラブル続きで、もはや誰のために開催するのかわからない。この間にも広がっていく、分断や格差、政治不信。そして「Shit」な思いが積み上がっていく。
この特集では、この10年に感じたShitについて、10人の人たちに書いてもらった。その人が直面している困難や葛藤を伝えるもの、不満や怒りを口にしていいと気づかせてくれるもの。さまざまな立場から綴られた文章は、私たち自身のShitを呼び起こしてくれるはずだ。
#5 怒りを豊かに説明するために、言葉を覚えてきたわけじゃない/宮本七生(フォトグラファー)
私が観測できる範囲で情報に日々触れていると、様々な問題を知ることになる。その問題は必ずしも個人ではなく、制度や組織、政治などの社会構造に原因があるものも多いため、目にするたび反射のように次々と怒りを抱いてしまう。だから、身を崩さないようにニュースやSNSの情報を絞ることが段々と増えていった10年でした。
そんな中でも、最近は自分ができること(写真撮影)で問題に関わる機会が増えていました。電子署名サイト Change.orgでの、様々な問題にアクションを起こしている人の撮影です。この仕事を通して自分なりに社会に折り合いをつけながら、生活を続けていました。
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