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女性、育児、フリーランス・2 仕事と体と家族と 自分らしく継続できるあり方を探る(仕事文脈vol.19)

子どもを産み育てるようになってから、いろんなことが見えるようになったのは、きっと筆者だけではないはずだ。例えば妊娠・出産による体やメンタルの変化や影響のほか、男性に比べ女性が子育てを引き受けざる場面が多いこと。社会からの視線や、働きづらくなってしまうこと。ことにフリーランスであれば産休・育休制度が存在しないだけでなく、自治体によっては保育園に預けようとも入れる確率が下がってしまうこともある。フリーランスという形態自体が、世間的にはグレーな存在ともいえるかもしれない。その中でも女性であり、子どもを育てている人は、どんなふうに働き方や、自身のあり方を捉えているのかが気になった。個人的な状況や経験を聞くことで社会の一端も見えてくるのではないかと思い、3名にインタビューをした。(取材・文:浪花朱音)

1.「働いているのかな」という不安と、時間を費やして描きたいという気持ち もりたりぼんさん

3.個人から連帯へ グレーな態度であり続けるための実践 野田智子さん

仕事と体と家族と
自分らしく継続できるあり方を探る
櫻間裕子さん

近頃さかんに聞くようになった「複業」。いくつもの職を兼業することだが、その言葉の中には育児という労働は含まれていないだろう。4歳になる娘を育てる櫻間裕子さんは、美学の研究者でありつつ、大学での非常勤講師やアートフェスティバルの運営に携わるなど理論と実践を同時に行ってきた。出産後研究職からは少し離れているものの、そのあり方は変わっていないという。

――――そもそも研究職って、働き方としてはフリーランスになるんですか?

フリーランスに近いと思います。前は大阪大学の招聘研究員とか、日本学術振興会に特別研究員として採用されて、給付つきの研究生やポスドクといった制度の中にいました。福利厚生はなし。基本的に歩合でもないし、定額の中から研究費を使って研究をしていきましょうっていう仕組みです。給費も、研究費にしか使っちゃいけないパターンもあれば、生活の基盤を安定させて研究環境を整えるための生活費が支給されるとか、いくつかのパターンがあるんですよね。申請書を出して研究経費が取れても、ルールが変わったりします。報酬制度については、要領が掴めないまま、研究生活が一旦終わりました。

――――生活費が支給されない研究生ってどうやって生活するんですか?

厳しくなると思います。非常勤講師とかいろんな仕事と兼任しながらやっていく感じです。週に何日も勤務していると自分の研究ができない負のサイクルに入っていくので、そのバランスも難しいです。なので長く研究を続けて、常勤のポストを得るためにも生活費支給が保証された研究生になるのも大事なことでしたね。

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