男には簡単な仕事/ニイマリコ 第2回 明らかな冗談はTwitterで応えますんで(仕事文脈vol.19)
15年休みなく動いたバンドは2020年に入って活動休止となった。振り返れば結成当時、ガールズバンド、などとわざわざ分類されることに私は辟易しており、大抵黒づくめで黙々と演奏するスタイルで、それでも「もっと自分たちのルックを売りにしたら?」「ジャケットにどうして顔を出さないの?」とよく言われた。CDショップなど見渡せば分かるだろう、女性のミュージシャンの顔ジャケ率の高さ。「女性のミュージシャンってだけでお客さんがつくんだから、利用しない手はないよ!」なんの悪気もない、ごく普通の意見だ。つまり「売れたい」のなら、愛想よく物販をやって、顔を出したジャケットにし、女性であることをもっと単純にアピールするべきなのだ。しかし私は、自分が思うかっこいいロックバンドの一部でありたかっただけだ。ただ音楽に磨きをかけようと、愚直にやり続けた日々。女性のファンが多い、と言われ始めたときは嬉しかった。彼女たちは「みんなイケメン~!」と声をかけてくれていた。もちろん、まんざらでもなかった。
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