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わたしの好きな公共・1(仕事文脈vol.19)

公共施設、パブリックアートなど「公共」と名がつくものでも、気づけばただ行政に管理されているだけだったり、時には「税金の無駄使い」など批判にさらされたり。改めて、本当に良い公共とはどんなものだろうか? 本誌では「公共」を自分と他人、管理と自由が交差するみんなの場所と捉え、あえて「個人的に好き」という基準で、さまざまな地域で暮らす人たちに挙げてもらった。(小沼理、浪花朱音)

Q1 あなたの「好きな公共」はなんですか?
Q2 それはなぜですか? あなたがどう使っているか、街の中にどう溶け込んでいるのかなどを教えてください。
Q3 あなたが「公共」に望むものについて教えてください。

01 狭いワンルームを出て生活のしがらみを降ろせる場所

神奈川県川崎市
名前:粘液
年齢:29歳

1)多摩川の河川敷

2)家から歩いて5分のところに多摩川が流れている。川の近くはそこだけぱっと視界がひらけていて、半ば野生化したような草地が広がっている。犬の散歩やランニング、楽器の練習など、みんながそれぞれの時間を過ごしているのが良い。僕は緑や空をぼんやり眺めながら、河川敷をただ散歩する。そうしていると、抱えている心配事やプレッシャーが「実は大したことじゃないのかも」と思えてくる。狭苦しいワンルームの一室では、自分と、自分の悩みとの距離が近すぎるんだろうか。河川敷では、生活する上で背負わざるを得ないしがらみを、一旦降ろすことができる気がする。

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