小さな差別を聞き流さないことから『ヘイトをとめるレッスン』読書会/前編(仕事文脈vol.22)
ヘイトをなんとかしたい気持ちに応える本
植田祐介 韓国語の翻訳をしている植田祐介です。時事・ニュース関連の翻訳を中心に、最近だと『ウィークエンズ』(韓国のゲイ・コーラスグループG -Voiceを追ったドキュメンタリー)や、NHK BSのアジアドキュメンタリーなどを翻訳しています。韓国には10 年ほど住んでいました。
小沼理 祐介さんと対談をさせていただく小沼理です。普段は東京でライターと編集者の仕事をしています。祐介さんは10年ほど韓国に住んでいた経験もあり、現在も韓国の状況に詳しいと思うので、色々とお話をうかがいながら僕も読んだ感想も伝えていけたらと考えています。
まず、『ヘイトをとめるレッスン』はホン・ソンスさんという方が書かれていますが、ホンさんはどんな方なのでしょう?
祐介 僕もこの本ではじめてホンさんを知りました。ヘイトが韓国で社会問題になりはじめたのは2010年代の後半ですが、ホンさんは韓国のメディアがヘイト関連のニュースを報じる際に出演して解説しているというような立ち位置の人でしたね。2017年に韓国の大統領選でセクシャルマイノリティがアジェンダになった時も、よくテレビに出ていました。
ホンさんは淑明女子大学法学部の教授でもあります。淑明女子大は2020年にトランスジェンダー女性が合格したのですが、入学反対運動が起きて本人が辞退するという事件があった大学です。女子大でトランスジェンダー女性が合格したのは、公開された中では韓国初でした。
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