惣田紗希「SNSから離れた場所で試みる土台をつくる」|政治×行動=仕事∞(仕事文脈 vol.21)
2013年のインターネット選挙運動解禁から、普段の仕事の延長として、投票を促すポスターを個人で作りSNSで発信することを始めた。当時音楽ジャケットのデザインを多く手掛けていたので、その音楽をきっかけに知ってくれている人たちにも、音楽が生活の一部としてあるように、政治ならびに選挙も生活と地続きであることを伝えられるのではないかということが発端だった。選挙があるということと投票日を伝えるための待受画像から始まり、投票をテーマにした展示に展開したり、その頃流行し始めたネットプリントを活用したり、選挙の度にぽつぽつと発信してきた。それをきっかけに投票に行くようになったとか、ポスターをお店に貼りましたとか、シェアして自分の言葉で発信するきっかけになったという人が少しずつ増えていった。SNS上では広がりの実感や、同じ温度感の人がいるという心強さを得たものの、投票率は大きく変わらないという結果が続いた。
この個人的なアクションをきっかけに仕事で声を掛けてくれる人も増えた。タバブックスはもちろん、書籍業界は本を出版する理由そのものが社会への投げかけであることが多いような気がする。それを販売する書店の態度も。そういったバイブスが合う人たちと、社会に向き合い表現したり伝える方法を考え、かたちにすることが増えていき、グラフィックデザイナーやイラストレーター、編集者と仕事やSNSで繋がっていった。
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