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【連載】「無職の父と、田舎の未来について。」第25回 「贈与と愛と覚悟、続けていくためのリスクの取り方について」さのかずや(仕事文脈 vol.25)前編

 札幌で田舎の未来に向けて活動していたけど心が折れて、大きすぎる目標を持たずに身の丈にあった形でやっていこうとしている33歳早生まれ、さのかずやです。会社としての活動をやめて1年半。やっといろいろな面で前向きな気持ちになってきて、いろいろと挫折した経験も活かしていけるように、前向きに動き始めようとしている2024年の秋です。GARMINの腕時計を買ったら走るモチベーションが高まり、10年ぶりにマラソン大会に出ます。

新しいことを始めるのをやめた

 1年働かせてもらった会社をやめ、育休を兼ねてフリーランスに戻ったのが4月。これまでの自分は、一時的に休むことは多々あれど、いつもとにかくなにかに向けて走っていたいタイプの人間だったので、今回もしばらく休めばやりたいことが出てきて、またなにかに向かって走り始められるのではないかと思っていた。
ただ自分も34歳の年になり、もうなにか思いつきで走っていくような歳でもない。そして自分で会社をつくってうまくいかなかったこの数年を振り返り、とにかく頑張ったのに無に帰したあれこれを思い、「無理をせずに続けていけること」じゃないとやる意味がないよな、と思うようになった。そう考えると、休んでいる間に思いつく大抵のやりたいことは、ほとんどが時間があるからやりたいだけであり、続けようと思ったら無理しないと続けられないことである。

旅行でフィンランドに行き、サウナから湖に飛び込む、という憧れのアレをやりました

 これまで思いついたことにエネルギーが生まれて、そっちに向かって走っていくことを何度となく繰り返してきていた。でも今回は意識的に、新しいことを始めることをやめた。そうしたらどうなるかと思っていたのだが、普通に子育てでそれなりに日々やることもあり、子育て以外になにもやること、やりたいことがなくなってしまった。4月5月あたりは育児のスキマ時間をスマホゲームに打ち込んでしまった。思いがけず34歳院卒ニート爆誕である。

 これまでのように、とにかく目先のお金を稼ぐために自分の時間を使うことはできるかもしれない。でもそれはただ都合よく人に使われているだけであり、その先に自分がやりたいことやなりたい姿が存在していなかった。もちろん「北海道や地方でなにか新しいことがやりたい」とか「大きな格差をなんとかしたい」とか、そういう方向に強い思いはあったが、普通にスケールデカすぎたし、当然自分ひとりが数年頑張って解決されるようなことでもなかった。

 4月以降、子どもとの時間もとれてそれなりに充実した日々ではあったが、会社員の育休ではないのでお金はまったく入ってこない。なのでいつまでものんびりしてるわけにもいかない。かといってとりあえず受けられる仕事を受けたとしてもいい方向には行かない。思い悩んでしまったが、ここで方向を決めて動き出せなかったことには、「続けていけることをやりたい」とはまた別の理由があった。

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