インディーズ・AI・アーティスト 『バズの囁き/Whispers from Buzz』 石橋友也さん・新倉健人さん
自分の個性とAIの特徴を掛け合わせることで、ほかにない表現を生みだしているアーティストがいる。「AI時代=個人の時代」と言われるなか、アートの領域ではすでにその動きがはじまっているのかもしれない、とvol.14で企画した記事「インディーズ・AI・アーティスト」から、昨年12月「CREATIVE HACK AWARD 2019」グランプリを受賞した『バズの囁き/Whispers from Buzz』を手がけた石橋さん、新倉さんのインタビューをお届けします。(仕事文脈vol.14/2019年5月)
「人間の理解の範疇を超えた組み合わせを簡単に生み出してくれる」
石橋友也さん・29歳・アーティスト/広告プランナー
新倉健人さん・29歳・データサイエンティスト/ストラテジックプラナー
-お二人は同じ広告会社につとめながら、『バズの囁き/Whispers from Buzz』というプロジェクトを共作されていますね。どんな作品なのか教えてください。
石橋 TwitterのトレンドワードからAIがリアルタイムで詩を生成する、というものです。ぼくらは毎日仕事でSNSのリサーチをしてバズを作ることに奔走しているのですが、SNSの情報速度に良くも悪くも興味があって。そういうものへの違和感や現代社会への風刺の意味合いもあります。
2019年3月に銀座ソニーパークで開催された展示の様子。生成された詩が3台のモニターに表示され、左側のプリンタから出力される。(支援:平成30年度文化庁メティア芸術 クリエイター育成支援事業)
ぼくは学生時代からバイオアートやメディアアートと呼ばれる領域で活動をしていたのですが、就職してからなかなか作品制作に取り組めずモヤモヤしていました。そんななか仕事でAIを使って言葉を処理する機会があって、機械が作った言葉の組み合わせにおもしろみを感じました。人間の理解の範疇を超えた組み合わせを簡単に生み出してくれるので。それで、AIが詩を作ったらおもしろいんじゃないかと思いついて、AIコピーライターをやっていた新倉くんに声をかけました。
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