8/2『ランバーロール02』読書会レポートです

先週金曜の「『ランバーロール 02』を語る会 読書会+トークイベント 」、暑さの中たくさんのみなさまにご参加いただきありがとうございました。漫画の技法やものがたりの視点、雑誌制作、好きな本のことなどなど、話が尽きず充実した時間でした。当日のようすをインターン大学生の上原子さんがレポートします。フレッシュ!

はじめまして。インターンの上原子です。

8/2(金)に東京・下北沢BOOKSHOP TRAVELLERさんで読書会、トークイベントとして『ランバーロール02』を語る会が開催されました。

漫画と文学のリトルプレス。漫画家自身が構成し、小説と漫画が並列しているこの雑誌を、参加者のみなさんはどんなふうに読んだのか。『ランバーロール02』の中心メンバー、漫画家の安永知澄さん、森泉岳土さん、おくやまゆかさんに加えて、編集担当の谷口愛さんをゲストに迎え、それぞれがこの本に抱いた感想や思いを話し合いました。

出版関係や本に関わるお仕事をされている参加者の方が多い中、このイベントのために他県からお越しくださった方もいらっしゃいました。

参加者とゲストのみなさん、それぞれの自己紹介を終え、各自のテーブルごとに分かれて感想を共有しました。私のテーブルでは、四名の参加者の方々に加え、安永さんと谷口さんとともに、『ランバーロール02』に対する思いを伝え合いました。

一作目の安永さんの『夏の光』の話から始まり、読み手の心をえぐるような鋭い視点と物語に、みなさんそれぞれ、自身の十代の頃の思い出や初恋を懐かしく感じたようで、この作品のどこかに共感する部分があったといいます。

この『夏の光』から、小説、漫画、小説…と続いていく『ランバーロール02』ですが、参加者のみなさんはこの構成に感動されている様子でした。私自身も、この構成だからこその読みやすさがあり、全ての情景が絵で描かれている漫画と、文字だけで物語を読み取らなければいけない小説という順番にすることで、読み手の想像力が試されるような構成になっているのではないか、と感じていました。頭を使いながら読まなければいけない雑誌でもあり、この構成だからこそ、自然と心に入ってくるような雑誌となったのではないでしょうか。

さらに、現実味のある作品と、現実ではありえないような作品がそれぞれ掲載されている『ランバーロール02』ですが、どこまでがフィクションでどこまでがノンフィクションなのか、という話題にもなりました。

作家の方は、意外にも、ノンフィクションのことをフィクションのように描き、フィクションのことをノンフィクションのように描くことも多いというお話を聞き、創作というものの無限大の可能性を感じることができました。

読書会のあとは、ゲストのみなさんのおすすめ本の紹介コーナー。小説や漫画に限らず、絵本などを紹介される方もいらっしゃいました。また、森泉さんが、付箋やメモ書きがぎっしりと残されている、作家ならではの観点で読まれた夏目漱石の『こころ』を持参されていたことが印象的でした。

ひとりで読むだけでは知ることができなかった他者からの意見を、この読書会を通じて聞くことができました。実際の作者さんや編集者の方々と直接お話しできる機会は滅多にないことなので、非常に貴重な体験となりました。ひとりひとりがこれまでの人生で経験してきたことや、性格によって、作品に共感する部分や感じ方が異なるのだということを改めて実感し、小説や漫画というものは、どんな人にもひらかれている芸術作品なのだと感じることができました。(上原子)



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