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ウェイト版・マルセイユ版の愚者をもとに考える日本人的「右向き」「左向き」の一考察
自分用のメモとして隠しておくつもりでしたが、大したことは書いてないので公開します。以下はnote用に記事に直した文章です。
人物の「向き」「見ている方向」には意味がある
![](https://assets.st-note.com/img/1720400249263-qyIIQlchAt.jpg)
歴史好きな人なら聞いたことがある言葉。「天子は南面す」(中国由来)。これは天子の席を表しています。天子は南向きに席に座るのですね。で、あるため謁見する人物は自然と北向きになる。これが北面(ほくめん)です。なので「北面する」と言えば、主従関係を表し、臣下として主に仕える行為を指します。
補足 中華思想だと天子は世界の中心である。そして中心は動かない=不動。
そのため不動の北極星を背にするため、南向きになる。天子を中心に人々が動くから南面に座する。
上座・下座というよりに位置・向きには昔から意味があったのですね。
タロットのリーディングには「向き」も考慮するべきか?
導入で「向き」について記したのはタロットにも関係するためです。
何の向きを気にするのか? それはコートカード(人物画が含まれるカード)。※キング・クイーン・ペイジなど
カードに描かれている人物が、どちらを向いているのか。
その意図をはかってリーディングに織り込むのですね。
一般的に左向きは「内面(深層)」「過去」を、右向きは「外面(表層)」
ですので、上記の通念に従うと時間は「左(過去)から右(未来)」へ移動します。
補足:タロットでは他に遠近で時間の経過を表す
以上を認識して見て貰いたいのが愚者のカード。
![](https://assets.st-note.com/img/1720348228095-ZxBkD5NKjD.jpg?width=1200)
ウェイト版では左向き。マルセイユ版では右向きです。タロットの通念に従うと、ウェイト版は過去を向いている。いっぽうマルセイユ版は未来を向いています。「愚者の旅(フールズジャーニー)」として見るのであれば正しいのはマルセイユ版と言えます。
ウェイト版だと未来から過去へ戻る。「帰還」「回帰」とも捉えられかねません。なお、どっちが正しい、間違っているという話ではないので注意してください。
このように人物の向きをリーディングに取り入れた際に、戸惑う代表的なカードと言えるでしょう。
では、日本人の感覚から捉えればどうなるのか?
わかりやすく上手・下手の概念を取り入れてみます。
するとマルセイユ版では左から右。つまり下手から上手に移動しています。
これは映像技法においては「帰還」を意味します。主人公が故郷に帰ってくる場面では、左から右へ移動するのですね。
※当てはまらない作品も存在します。
日本人的な観点からすれば帰還をしているのはマルセイユ版。
旅を終えて故郷への帰路を描いた場面なのでしょうか。
でも図像を見るに隠者とおもえない様をしています。
しかし、隠者だと判断する人もいるはずです。
なぜなら世俗の第三者(犬)に絡まれても意にしていないからです。
古代中国の隠者に通じるものが読み取れます。
注意:タロットの歴史に乗っ取ったリーディングではございません
では上手(右)から下手(左)への移動は何を示すのか?
お分かりですね。旅立ちです。よって、日本人的な感覚において
「愚者の旅」と言えるのがウェイト版と言えるでしょう。
なぜなら、映像技法の中では旅立ち・はじまりなどを意味するからです。
混乱させてしまうかもしれませんが記しておきます。
愚者の旅は単なる観光でも放蕩でもありません。
そのため、タロット上においての愚者の旅は「試練」と暗示されているわけです。
ゲームニクス理論から見ると
「マリオはなぜ右に進むのか?」という話題の議題が存在します。
色々と説があるのですが、わかりやすいのが操作性です。
ゲームをプレイしやすいのが右方向というわけですね。
なお、マリオは一方通行。左には戻れません。左に戻れないからこそ「右へ進む」と一瞬で理解できるのですね。
しかし、この考えはあくまでゲームにおいて。先に話した左右論を盛り込むとわけが分からなくなるので注意。
マリオはプレイヤーに操作され「未来(ピーチ姫救出)」を目指すから、
右に行くんだ。というわけではないのですね。
自機キャラが左側だと操作がし辛くなるためでしょう。
どういった理屈であるかは私もよくわかっていません。
ただ、多くのゲームでは右スクロールが採用されています。
ゲームという舞台の中において「困難・試練」が待っているのは「右側」なんですね。右側に悪役・敵キャラが配置されます。
ただし、FF(ファイナルファン対峙―)は左に敵がいるので主人公たちは左向きです。あくまでも傾向に過ぎないと捉えてください。
まとめ
書いている私もわけが分からなくなってきました。なのでまとめてみます。
1.タロットの通念に従った場合
ウェイト版:愚者は過去を見ている・向かっている・帰還
マルセイユ版:愚者は未来を見ている・向かっている・旅立ち
2.日本人的な感覚-下手・上手の概念-から見た場合
ウェイト版:愚者は旅立つ・旅の途中
マルセイユ版:愚者は旅から帰っている途中(帰路につく)
3.ゲームニクス理論から見た場合
ウェイト版:愚者は戻っている・来た道を引き返している
マルセイユ版:愚者は旅路にいる・試練に立ち向かっている
コートカードに描かれる人物の向きを考慮するのであれば、当然ながら1に従うのが基本です。しかし、使用しているタロットによってはしっくりこない方も居るはず。そういった場合は2を採用しても良いのではないかと考えています。タロットは西洋思想が含まれているのはご存知の通り。ただ、ここは日本。何もかも西洋に忠実になり、原理主義に陥らなくてもいいのではないでしょうか? もしかしたら百数十年後には日本式のタロットリーディング理論が確立される・・・かもしれませんね。
隠者はふたりとも左を向く
最後に隠者について記します。愚者を紹介したのであればその最終形態とも呼べる隠者を紹介しないわけにはいきません。なぜなら「愚者の旅」にもとづけば愚者が成長した姿が「隠者(9)」であるからです。
![](https://assets.st-note.com/img/1720399765736-ucNxiH9zre.jpg)
![](https://assets.st-note.com/img/1720399840448-Q99QMGAbe4.jpg)
では肝心の向きはどうかというとウェイト版・マルセイユ版どちらも「左向き」です。左向きは過去の意味を持ちますが、内省の意味をも持ちます。隠者にぴったりではないでしょうか。ただし、ストーリーとして考えるとモヤモヤが残ります。愚者・隠者を対比するのであれば、向いている方向が逆のほうがしっくりきます。物語的に。なので愚者・隠者を対比した場合においてはウェイト版だとひっかかりを感じます。
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