高校球児だったはなし
高校に入学して野球部に入った。
本当は写真部に入るつもりだったのだ、入学前の資料でも写真部は記載してあったしばりばりに写真をやるつもりだった。
しかし入学式を終えて写真部の探してみてもどこにもない。
しかたなくある先生に聞いてみたところ
「数年前になくなったよ」
とのこと。
それじゃあ仕方ないととりあえず野球部に入ることにした。
中学まで一緒に野球をやっていた同級生は初めから野球部に入るつもりで「お前も当然はいるよね?」という空気があった。
しかし嫌だったわけではない。
高校野球というのはなんのかんのいっても花形スポーツで憧れがあった。
今までの軟式と違いプロと同じ硬式というのも楽しみだった。
部活が始まった。
朝の6時にはグランドに集合していなければいけない。
だから起きるのは5時。
6時から2時間ほど練習、それから学校の授業。
授業が終わり次第練習開始、終わるのは遅いと20時頃、学校を一番最後に出るの生徒が我々だった。
家に帰ってご飯食べたり、お風呂入ったりして就寝すると自由時間というのはほとんど無い。
朝の6時に学校来て20時に帰る、お昼休みを差し引いたとしても単純に13時間労働である。
そりゃ大変だ、こうして書いてみるとブラックで笑える。
実際先生もその辺は考慮してくれたのか授業中に寝ていても何も言われなかった。
勉強をしようという気力もあまりなく、成績はガクッと落ちた。
当時は「運動部だから」で納得していたけど、今思うとなんかこうもっと健康的にできないもんかなーと考えてしまう。
結局ついていけなくて秋には野球部を辞めた。
監督と部員にめちゃめちゃ非難された記憶がある、高校を卒業するまでずっと負い目として残った。
もう辛くて大変だからやめたいという気持ちもあったのだけど、同時に廃部になっていた写真部を復活させようと動いていた。
仲良くなった数人に「名前を貸すだけでもいいから」と声をかけてメンバーを集めて写真部復活の準備を進めていた。
その準備がある程度進んだから辞めたという側面もある。
そんなこともあったなと思い返してみた。