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なぜキッカーをドラフトしてはいけないのか

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パッカーズファンの記憶には新しいと思いますが、昨年のドラフト6巡で指名したKカールソンが、今年、最終ロスターに残れずにカットされました。キッカーに関わらず「スペシャルチーマーをドラフトしてはならない」というのが個人的な意見。この記事ではそれについて少し詳しく書きます。

トップキッカーのNFL入団の経緯


誰がトップキッカーかというのは色々と議論があるかと思いますが、思いついたキッカー15人の入団の経緯を調べてみました。

Justin Tucker (BAL) UDFA
Brandon Aubrey (DAL) USFLから
Harrison Butker (KC) ドラフト7巡(CAR)→PSからKCが獲得
Ka'imi Fairbairn (HOU) UDFA
Jake Elliott (PHI) ドラフト5巡(CIN)→PSからPHIが獲得
Younghoe Koo (ATL) UDFA
Jason Sanders (MIA) ドラフト7巡 
Evan McPherson (CIN) ドラフト5巡
Tyler Bass (BUF) ドラフト6巡
Nick Folk(TEN)ドラフト6巡(DAL)→6チームを渡り歩きTENへ
Chris Boswell(PIT)UDFA
Chase McLaughlin(TB)UDFA
Cairo Santos(CHI)UDFA
Greg Zuerlein(NYJ)ドラフト6巡(LAR)→3チームを渡り歩きNYJへ
Dustin Hopkins(CLE)ドラフト6巡(BUF)→5チームを渡り歩きCLEへ

15人の中でドラフトされたオリジナルのチームでキッカーを務めているのは3人。これが多いか少ないかは人によるでしょうが、チームに1人しかいないポジションで3/15は私は少ないと思います。

つまり、現実としてドラフトされたキッカーがそのチームで長年活躍する可能性は低いということです。

直近5年のドラフトで指名されたキッカーたち

上記の逆引きのような形ですが、ドラフト指名されたキッカーについても調べてみます。

2023 3巡 Jake Moody 49ers Michigan ○
         4巡 Chad Ryland Patriots Maryland
      6巡 Anders Carlson Packers Auburn
2022 4巡 Cade York Browns Louisiana State
2021 5巡 Evan McPherson Bengals Florida ○
2020 5巡 Justin Rohrwasser Patriots Marshall
         6巡 Tyler Bass Bills Georgia Southern ○
         7巡 Sam Sloman Rams Miami (OH)
2019 5巡 Matt Gay Buccaneers Utah
         5巡 Austin Seibert Browns Oklahoma

指名されたチームでまだキッカーを務めているのは3人のみ。ドラフト指名されるキッカーはカレッジでの経験豊富な選手がほとんどですが、それでもすぐに成功する確率が低いことがわかります。

「カレッジでの成功=NFLでの成功」というパターンはかなり少ないのです。

キッカーに求めるもの

・安定感
・クラッチ
・飛距離

この3つが揃っていれば優秀なキッカーと言えると思います。このうち安定感とクラッチは経験を積んで得られる能力といっても過言ではないでしょう(一部の例外はいますが)。

NFLの各チームも経験値を大事にしているので、ベテランや他のチームで良い競争をしていたが競争に敗れた選手を獲得する傾向が高くなっています。

ちなみに現在大成功しているDALのオーブリーのようにUFL(彼の時はUDFL)で成功した選手を獲得するのが、今後のトレンドになるのでは考えています。NFLで才能を見出されなくてもUFLで経験値を積んで成長したというパターンが多くなるというのが私の予想です。


結論

ここまでで
・ドラフト指名されたチームで長期にキッカーを務める例は少ない
・キッカーには経験値がある程度必要な場合が多い

ということはわかったと思います。

しかし、
「才能があるキッカーを下位で指名するのはいいんじゃないの?」という意見もあるでしょう。

ドラフト指名だろうがUDFAだろうが良いキッカーはいるわけだし、見込んだ選手を指名して当たれば10年単位で安泰なのは嬉しいはずだと。

当たる場合は良いと思うのですが、失敗した時のダメージが違うというのが私の意見です。端的に言うと

”ドラフト指名した選手はついつい成長を期待して残してしまう”のが最も罪なのです

キッカーはキャンプまでは競わせることができますが、シーズンに入れば基本的に1人しか残しません。その1人のパフォーマンスが悪いと大きな痛手を負いますし、シーズン中に変える決断もなかなかしづらいことです。アメフトはFG1本で負けることもそれなりにあるし、昨年のどこかのチームのようにプレーオフの大事な場面で外すなんてこともあるわけです。

この記事はカールソンのことを元に書いているので、昨年のカールソンの例を挙げるとシーズンはおろかキャンプでもほとんど競争がありませんでした。特にキャンプから内容が良かったわけでもないのにシーズン最後まで使い、成長を待った挙げ句に結局カットとなりました。
(カット自体は正しい動きだと思います)

グートクンストGMが先日の会見で

テッド(・トンプソン)を尊敬しているが、彼に比べて私はスペシャルチーマーに対する忍耐力は足りないかもしれない。おそらくは忍耐強くいるべきなのだろうが、私たちは今現在のチームを強くする必要がある

と発言していますが、これは多分に昨年の反省を踏まえているのではないかと感じます。

今回の考察で少なくとも言えるのは

「”キッカーは成長を期待して残してはいけない”という前提でドラフト指名しなければいけない」

ということ。ご利用は計画的にということです。

蛇足
カールソンはオーバーン大の時から、一流のキッカーとは言い難い選手でした。おそらくパッカーズ以外は指名する気もなかったでしょう。単純にGMやスカウトの見る目が無かったのでは?とも思います。


少し今回は力を入れすぎたかもしれませんが、こんな感じで持論や感想などを月10回以上投稿する予定です。
(もっとライトなTwitterの延長の愚痴みたいなのもあると思います)

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