おとうしゃん!& おとうしゃん!
カップ麺にお湯を入れて待つ時間はとても長い。
もう3分だろうと思って箸で麺をつつくが麺は硬い。
子供の成長はとてもはやい。
息子との1年はカップ麺の3分より絶対にはやい。
息子が生まれてから1歳半になるまでは
ほんとうにあっという間だった。
私の左の肩をポンポンと誰かがたたいた。
左へ体をよじらせ振り向くと、
『おとうしゃん!』
と人懐っこい笑顔で話しかける息子がいた。
数ヶ月前まではハイハイをしてた印象なので、
こんなに成長している姿をみると非常に愛くるしい。
妻はママ、パパで呼ばせることが嫌みたいで、
お母さん、お父さんで呼ばせるようにしたいらしい。
しかし幼い子供には、お母さんもお父さんも一緒に
聞こえるみたいだ。
妻の方にも『おとうしゃん!』と呼ぶので、
その度、妻は不貞腐れている。
その姿を見て私は小さくガッツポーズをする。
唯一、お父さんである私が
優越感に浸れる瞬間なのだから許してくれ。
次戦では、負けられない妻が自らの腕を広げ、
私にも同じ動作を強制し、ハグ勝負を挑むのである。
どっちに行く?
と妻は息子に問うと毎回必ず妻の方へいく。
この試合に関しては私が完敗なのだ。
でも
すぐに息子はきちんとお母さんとお父さんを
きちんと区別して呼ぶようになるだろう。
何しろ子供の成長は
カップ麺が出来上がるよりはやい。
息子よ
君には人の痛いみを感じられる人になってほしい。
世の中には人の不幸を笑う人がいる。
そんな人は自分も不幸になってしまう。
これから嬉しいことや悲しいことを
沢山経験していくと思う。
真っ直ぐにそれと向き合い経験を糧としてほしい。
悲しみと真っ直ぐに向き合えることができれば、
人の痛みを感じられる人になれるとお父さんは思う。
私たちは
そんな子供の成長を
一日一日大切に見守っていきたいと思う。