夏の太陽は何を照らすのか


夏が来ると、決まって一度はどうしようもないくらい悩み、途方に暮れ、何のやる気も出ない時期が訪れる。

今年の6月頃からか、来る夏に備えて体を鍛え始めた。今年の夏は人生で1番アツいものにしてやろう。2023年を若返りの年と謳っていた私は、この夏に賭ける情熱が例年とは違っていた。

今年こそは俺が夏の主人公やな

こんがり焼けた肌で、気の合う仲間と夏らしいイベントをし、側から見たら遅れてきた青春を謳歌しているかのようなキラキラした日々を送っていたかもしれない。

しかしこの夏もまた、どうしようも無く悩み、仕事さえも手につかない時期を迎えることとなる。

それはきっと、キラキラした夏の日差しが何者でも無い自分をありのままに照らす事に耐えられなかったのだろう。

きっと輝く夏は私の身の丈に合っていないのである。
まだ夏を諦めたわけでは無いが、肌寒い季節にぼんやり自然と会話するようなそんな瞬間が1番私らしいのかもしれない。

買いたての麦わら帽子を、ロフトの隅にそっと置く日を密かに待っている自分の影がそこには見えた。

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