[MTGアリーナ]ダスクモーンのクイックドラフトを17Landsで分析してみた: ラクドス(赤黒編)
本記事をかいた動機
MTGアリーナでダスクモーンのクイックドラフト期間が終了しましたね。クイックドラフトが実装されて2週間あまり経ち色々な意見が交わされていました。その中で私が特にデッキ構築の参考にした記事が2つあります。
1つ目の記事は赤黒ベースのデッキ構築プラン、2つ目の記事は青白ベースのデッキ構築プランを推しておりそれぞれ学びのある内容でした。本記事はそれらを受けて、私が17Landsを使って赤黒デッキが実際のクイックドラフトのデータではどのようになっているのか調べました。結果として、将来的に自分のデッキ構築スキルが改善されたらいいなーと思っています。
本記事の内容のノーカット版はYouTubeで!
YouTubeで17Landsを使った分析をノーカットでアップロードしてあるので動画が好みの方はこちらを御覧ください。
赤黒デッキの採用数と勝率
採用数はクイックドラフトシーズン序盤は青白、赤白についで3番手でした。シーズンが進むにつれて赤白を追い抜き2番手になりました。私の推測ですが、プレミアムドラフト、クイックドラフトのデータが出揃って来たタイミングでどうやら赤黒がデッキを組みやすいらしいというのが認知され、採用数増加に繋がったのではないでしょうか。勝率は58%を超える日が多く他のデッキと比べてクイックドラフトにおいて優位な位置にあるデッキカラーだったと言えます。
赤黒デッキのピックのしやすさと勝利貢献度
今度は具体的なカードとそのメトリクスを見ていきます。ここでは特にALSA(平均何回目のピックで取られたか)、GIH WR(手札にそのカードが来たときの勝率)に着目しています。GIH WRで降順にソートして上からカードを眺めていくと、他のカードのALSAが1程度なのに対して、突然6.17というカードが出てきます。これがDisturbing Mirthで赤黒の要のカードです。このカードのGIH WRは61.2%と極めて高いです。
また、その他の黒のカードでもALSAが5以上にも関わらずGIH WRが高いカードが散見されます。
このことから黒のカードはデッキを選ぶため他の色と比べて取られにくい傾向にあることがわかります。次にクイックドラフト期間中にDisturbing Mirthのピックしやすさにどのような変化があったか確認しました。
結果として期間序盤と終盤でとくに変化はなく、平均約6ピック目で取られていることがわかりました。
最後にダスクモーンの全てのカードの平均ピック(横軸)と手札に来たときの勝利率の相関関係を散布図と線形関数(負の相関)を見ていきます。これを見ると、Disturbing Mirthが際立ってピックしやすくまた勝利に大きく貢献するカードであることがわかります。
また、黒のカードが全体的にピックしやすく、かつ勝利貢献しやすいというデータが出ています。
これらのことから赤黒のデッキはピックがしやすい上に、勝利貢献に寄与するものが沢山あったと言えます。
赤黒デッキの再現性の評価
再現性がトップクラスに良いデッキカラーです。クイックドラフトにおいて、いつでも同じようなデッキを再現できるというのは重要です。ダスクモーンのクイックドラフトでは赤黒はトップクラスに再現性の高いデッキカラーだということは今回データを見ることで明らかになりました。一方で初心者の私が何回か挑戦して7勝できなかったことを踏まえると、テクニカルで駆け引きを伴う玄人向けのデッキカラーだったのかもしれません。
クイックドラフトのボットの挙動についての考察
ここからはクイックドラフトのボットの挙動に関する私の推測です。クイックドラフトがプレミアムドラフトの後に実装されているのには理由があると思っています。それはボットのカードピックの学習に使うデータを集めることです。人間に先にドラフトをやらせてそのピック傾向を学習した後に、クイックドラフトをリリースしているのでしょう。つまり、プレミアムドラフトで選ばれていなかったカードは自然とボットも選ばなくなるはずです。Disturbing Mirthは実際プレミアムドラフトでも取りやすいカードとデータが証明しています。
クイックドラフトのデータを使ってボットの再学習をしているかどうかはわかりません。ですが、クイックドラフトで赤黒の採用数が2位に付けていたのにも関わらずボットがDisturbing Mirthを取っていないことを考えるとクイックドラフトのデータを使って学習し直すことは無いのかもしれないですね。
ダスクモーンの黒は巷では弱い色であると言われています。これは白黒のリアニメートを軸としたデッキが他のデッキと比べて勝ちにくいためだと思っています。そのためプレミアムドラフトで黒のカードから取っていく、特にマルチカラーから取っていくというアクションは取りづらいです。結果としてそれがボットの挙動にも反映されており、クイックドラフトでは赤黒が穴場となっていたのかもしれません。
このようにクイックドラフトは過去のデータからボットの挙動を推測し、デッキを構築するという全く別のゲームであり、プレミアムドラフトで人気の無い色に脚光が当たるいい機会にもなっているのかもしれないです。そうだとしたら、それはそれで面白いですし、色々なカードが活躍できる環境があり素敵ですね。
おわりに
本記事ではMTGアリーナのダスクモーンのクイックドラフトを17Landsで分析しました。今回は特に赤黒デッキに着目しました。別の記事にて青白デッキも同様に調査しようと思っています。
おまけ:初心者のひとりごとのコーナー
MTGの色の組み合わせの呼称は初心者にはわかりにくいです。しかも色を呼ぶ順番も決まりがあるなんて・・・私の記事では特にそのあたり意識していませんが、自然と覚えるまで目をつぶっていただけると。