恋がない僕だけどseekさせてくれたのは君
○:はいはい...そうですね
△:冷たっ!
夏休みが終わって、
毎日学校がある生活に戻る。
そして友達の夏にあった事を聞く。
それが僕の仕事。
○:”恋愛”の話は冷たく接するのが僕ですよね?
△:恋が無いからってなんだよっ!
こいつは一ノ瀬さん(彼女)との話をしてきた。
毎度毎度しつこい。
僕は”恋愛”が嫌い。
だから、恋愛の話は冷たく接する。
○:僕が”恋愛”嫌いなのご存知でしょ△△さん?
何故嫌いなのか。
難しいから。
△:知ってるよ!
○:知ってるならやめてくれ
△:分かったよ!
○:もっと僕が共感できる話をしてくれ
△:分かった、でも1つ言わせてくれ
○:何?
△:独断的な考え捨てろよ
独断的...。
△:1回恋をしてみろ!変わるから!
○:この考えを捨てて欲しいって事?
△:そうだよ!
○:考えとくよ
△:少しでも思ったならそれでいい!
△:じゃ、俺美空のとこ行くから!
○:はーいばいばーい
恋をする。
難しいね。
けれど、興味が無い訳ではない。
一応思春期ですから...笑
○:ちょっと考えるか...そんな人居ないけど笑
時刻は昼。
○:飯飯〜腹減った〜
カバンから弁当を取り出す。
○:今日はなんと〜唐揚げ弁当〜!
○:いただきます!
○:パクッ 自分で作った割にはうまい!
食べていると唐揚げの匂いも凄いが、
”桜”の様な凄い甘い香りもする。
唐揚げよりもこっちの匂いの方が強い。
○:気のせいなわけないよな...笑
??:何言ってるの〜?
○:ん? うわっ!川崎さん...
前を向くと川崎さんがいた。
この人は川崎桜さん。
クラスの中でダントツ美人。
△△の彼女一ノ瀬さんと仲がいい。
桜の匂いがしたのは川崎さんがいたからか...
1度も話した事ないのになんで...?
桜:ずっと○○くんうるさかったよ〜
○:ごめんなさい...と言うかなんで△△の席に?
桜:○○くんとお話したいから〜!
○:え...僕なんかと話しても楽しくないよ
桜:僕なんかって言わないー!
○:分かった...それと初めて話すよね?
桜:確かにそうだね〜!桜って呼んでね!
○:うん...○○って呼んでください
桜:うん!
○:なんの御用ですか?
桜:ちょっと堅苦しいー!
○:え、えぇ...
桜:タメ語がいいな〜?
○:分かったよ...
桜:やった〜
少し僕の心はドキドキしている。
対面の先に日差しの様に眩しい笑顔。
桜:○○くん唐揚げ自分で作ったの凄いね!
○:ありがとう
桜:桜にはできないな〜笑
○:桜さんはやれば出来ると思うよ
桜:ホントに?!なら○○くん今度教えてよ!
○:機会があればね
桜:じゃ〜週末!どう?
○:えぇ...どこでするの?
桜:桜のお家!
○:いや流石に...
桜:もう決定だよ?笑
もうダメなやつだ。
○:分かった...
桜:決定だね!週末まで学校頑張れるよ!
???
○:そんなに?
桜:うん!
○:まぁ分かったよ
桜:やったぁ〜!お昼休み終わるから席戻るね!
○:うん
初めて話したけど案外話せるもんなんだな。
そして1つ思った事がある。
桜さん可愛い。
真面目に。地味に。日々を過ごして来たが、
この今までにない初めての感覚。
今更かもしれないが変われるのなら、
変わりたいと思った自分がいる。
△:桜ちゃんと話せたか?
○:ん...まぁ
△:お前と話したいって言ってたからな笑
○:え...そうなんだ
△:美空から聞いた
○:なるほど...笑
△:応援してやるから掴めよ〜
○:な、何をだよ!
△:”恋”?笑
○:っ...うん
残りの授業ずっとドキドキ?ソワソワ?してた
明らかに変わり始めている。
何かが...。
ーー
桜さんと話して数時間が経った夜。
お風呂入ってる時も、
夜ご飯を食べている時も、
課題をしている時も、
寝る前も、
思い出す...あの眩しい笑顔。
人間と言うのはやはり不思議なもので。
気づくと早い。
このドキドキ感。
多分そうだ。
初めて”恋”をした。
ーー
翌日。
いつも通り学校に来ていた。
週末まであと2日。
○:△△気づいたよ
△:どうしたよ?
○:桜さんに恋した
△:早っ!笑
○:不思議だね〜気づくとあっという間だったよ
△:だろ?笑 頑張れよ!
○:うん笑
そしたら...
桜:○○くんおはよっ!
○:おはよう!桜さん!
桜:今日もお昼ここ来てもいい?
○:いいよ〜
桜:やった〜!お昼まで頑張ろうね!
○:そうだね!
桜さんは自分の席へ向かった。
△:おい!にやけてんぞ!笑
○:そんなに?笑
△:見たことない顔してる笑
○:そう笑
ーー
桜:失礼しまーす!
○:どうぞ〜
桜:○○くん今日は何弁当〜?
○:今日は3色丼だね〜
桜:3色丼美味しそ〜!
○:自信あるよ!
桜:桜も今日自分で作ったんだよー!
○:そうなんだ!何弁当?
桜:唐揚げだよ〜!
○:へぇ〜どれどれ〜?
桜:ジャーン!
○:ほ、ほう...
なんとも言えないクオリティだった。
○:頑張ったね...!
一応言っておく。
桜:ありがとう!
桜さんは満面の笑みだ。
確かに今。
かすかに今。
完全に僕は君に乱されてる。と感じた。
明らかに君に心を奪われている。
恋をした。
好きになった。
女性の魅力には逆らえない。
○:可愛い... ボソッ
桜:今なんか言った?
○:あっ...いや独り言...
桜:そっか笑 早く食べよー!
○:うん
○桜:いただきます!
桜:うん!美味しい!
○:今日も美味しい!
桜:今日から親居ないから自分で作ったんだよー
○:そうなんだ
桜:5時起きて作ったんだよ〜
桜:普段しないから苦戦しちゃった笑
桜:日曜日まで居ないから大変
○:大変だね笑 でも、慣れる機会だよ!
桜:そうだね!
桜:○○くん土曜日よろしくね!
○:うん笑
でも、なんで僕なんかを家に誘ったんだろう。
それが頭から離れない。
もしかして...。
そんな訳ないよね〜笑
ご飯を食べたあと連絡先を交換した。
これも人生で初めて。
ーー
気づいたら週末になった。
桜さんの家に行く準備をしていた。
○:それなりの格好は一応しないとね...笑
自分を少しでもクールに見せようとしていた。
そして準備をしていた矢先。
桜さんから連絡が来た。
○:もしもし
桜:もしもし ゴホゴホ
○:風邪引いた?感じ?
桜:そうなの... ゴホゴホ
○:あ〜ならまた今度だね
桜:うん...
思い出した事がある。
日曜まで親がいないと言うこと。
○:って思ったけど行ってもいいかな?
桜:移したら大変だから大丈夫だよ... ゴホゴホ
○:別に大丈夫だよ!親御さんいないんでしょ?
桜:うん...
○:僕が看病しにいくら大人しくしててね
桜:分かった...ありがとう○○くん ゴホゴホ
僕は桜さんが好き。
もうこの気持ちは止まらない。
少しでも気づいて貰えるように、
看病しに行くという判断を僕はした。
ー
開いてるから入ってと連絡が来ていた。
○:お邪魔します...
綺麗な家だ。
リビングに向かう。
桜:○○くん来てくれてありがとう ゴホゴホ
○:大丈夫?
桜:○○くん来たから少し良くなった... ゴホゴホ
っ...! 何それ....。
○:これ一応栄養ドリンクとかゼリー買ってきたよ
桜:ありがとう...優しいね ゴホゴホ
○:う、うん...///
顔が赤い。
だから、結構キツそうだ。
そして、優しいと言われて僕の顔を赤い。
○:お粥作るからキッチン使っていいかな?
桜:うん...
冷静になって思ったが、
2人きり...。
忘れろ○○。
そんな事気にせずにお粥を作るんだ。
ー
○:はい!出来たよ〜
桜:ありがとう...
○:熱いからゆっくり冷やしながら食べてね?
桜:うん...1個お願いしてもいい?
○:ん?
桜:食べさせてくれない...? ゴホゴホ
はい?!
○:う、うん...///
桜:ありがとう...
やばい少し手が震えている。
よく冷まし、口元へ運ぶ。
○:はいあーん
桜:あーん ん...おいしい
○:良かった...
ー
桜:ごちそうさまでした... ゴホゴホ
○:食べたから薬飲んでゆっくりしててね
桜:うん...
○:じゃ...帰るね
桜:○○くん...
○:どうした?
桜:今日...家に居てくれない? ゴホゴホ
○:いやそれはちょっと...
桜:ダメ...? ゴホゴホ
風邪でも上目遣いを使ってくるのはずるい。
そう言うとこなんだよ。桜さん。
ホントに僕の事を乱してくる。
○:僕でいいならいいよ...
桜:へへっやった... ゴホゴホ
桜:桜の傍にいないとダメだからね... ゴホゴホ
○:うん///
桜:彼氏みたいなことしてくれてありがとね...
○:っ...うん///
彼氏みたいなこと...。
桜:こんな状況で言うことじゃないけど...
桜:”桜の彼氏”になってよ... ゴホゴホ
○:っ...桜さんの彼氏?
風邪ひいて頭おかしくなったでしょ...。
桜:うん...桜本気だよ...
○:っ...!
桜:桜の手握って治るまで傍に居てよ...○○くん
この答えは1つ。
僕が初めて恋、好きになった人が、
こういってくれている。
なら...もうこれしか答えは無い。
○:桜さん...よろしくお願いします ギユッ
桜:やった... ゴホゴホ
○:僕でいいならずっと桜の傍にいるよ
桜:いてね...桜...離さないからね? ゴホゴホ
○:うん! いるから安心して寝て早く治して!
桜:ありがとう...○○... スゥスゥ
○:うん...好きだよ...桜
ー
新しい気持ち。
新しい感覚。
新しい愛しさ。
それが僕を変えてくれた。
掌の想いにsay hello。
そして。
何かが変わった僕にGood bye!
おしまい