コピー品のはなし
という、そのときの感情にまかせた投稿は予告通り消しましたが、知人に「これ誰かの助けになるから残して」と言われnoteに書いています。(なるのか?)
※雑貨日用品業界のはなしです。
※はじめに、「問屋さん」と言ってしまいましたが、たまたま、取引もない無関係の問屋さんがやってただけです。
(※ ”問屋さん”=様々なメーカーの製品を集め、各地の雑貨屋に販売する仕事です。)
何をされたのか?
オリジナルで企画デザインした雑貨をまるっとコピーされ、知らないところで低価格に販売されていました。しかも取説の内容までコピーされていた。
コピー品が市場に出回る流れ
●”そういう人“が商品を見つけ中国や国内の工場に製造させる。
→ それをその人が雑貨屋に流す
という具合です。
”そういう人”はコピーを企てる人。
「メーカー、問屋、小売(雑貨屋)」どこにもいることがある。
日本の模倣品はほぼ中国で製造されます、単純に安いから。
国内でも工場を所有している会社は、業績悪化や工場の稼働率の低下が理由で、やる人います。生きるために。
そもそも、コピーする事って悪いの?について
コピー行為は、真似られた側からすれば、めちゃくちゃ嫌な事ですが、わが国の考え方からすると、市場を独占し競争が起きない状態は、経済的にも、消費者にもよくない、という考え方があり、あえて強固な法律ではないんです。「独占禁止法」という法律もあり、それはまたいつか。。
雑貨界はコピー合戦のど真ん中。
何年もこの業界でやってきての教訓です。なにかものを作るときには、「真似される」ということを前提にしなければいけません。
”真似されたら人気の証”と笑いとばし、また新しいものを作る。これくらいの精神でいるべき世界なんです。気にし過ぎると病む。
とはいえ!アイデアを真似されれば不利益しかないですから、そうならない道を用意することも大事です。
ここにはあえて書きませんでしたが「周知の事実」や「著作権」という武器でコピー品と法的に戦おうとする人がいますが、雑貨やアクセサリーにおいては無謀です。そうならない物を作るほうが早いと思います。
「じゃあ結局コピー品ばかり作る人が最強じゃん」と思いますよね。
そう簡単でもありません。たとえば正規メーカーは秘密意匠というトラップカードをもっていることがあります。意匠権という形に対する権利です。この権利を一定の期間非公開にしたのが秘密意匠。そのトラップカード(秘密意匠)はどのように調べても中身を見ることはできません。うっかり踏んでしまい訴えられるパターン。コレあります。
また、トラップカードをあえて使わずコピー品を泳がせておき、販売から数年後に「数年分の機会損失」を請求する。なんて技(?)もあります。。怖
他には、発売から3年以内の物は不正競争防止法という法的な権利がありまして、一応、守られています。で、3年後にそういう人がコピー品を作ったら、商品鮮度がなくて全然売れなかった。なんて例もありますね。
コピー合戦の軍はひとつだけではありません。人気商品のコピー製品は、基本的に同時多発的です。真似したのは良いけど、価格勝負で他のコピー品に負け、まったく目立たない売れない。という事もあります。
最後に、これは日本人の悪い癖ですが、国内の小さな世界だけ見ていてはいけません。もう少し外と先を見据え、脅威を感じ、「怖っ!備えておこうかな、、」と思うことが大事です。
例えば、いま中国が盛り上がっています。おシャレでインスタ映えAirbnbが爆増、質も急激に向上しています。そんな中国の国内需要と、死ぬほどある中国の製造拠点。そりゃ世界中の良いものをコピー品しまくってホテルや宿泊施設に売ったら楽で儲かりますよね。
加えて、この、激化する米中貿易摩擦。アメリカに輸出できないなら、必然的に日本や近隣国に輸出を考えます。(工場には種類があり、輸出しかできない工場というのがありまして、そんな工場は特に。)
ということで、今後、中国からのコピー品は増加する傾向にあります。中国国内はもっと熾烈ですから、そのスピード感は計り知れません。
そもそも、これまでのサービス以外の脅威があります。各国の(もはや死語に向かってますが)D2Cブランド。若く、勢いがあり、オシャレな彼らの商品に対し、選ぶことに疲れ切った日本人は、新しいものを探さなくて済むサブスク式を選び、長期間がっつり抱え込まれる。なんて事ありえますからね。
傍観していたら、どっとやってくる他国からの波にのまれてしまいますよ。
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